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フルヤ金属:決算説明会を開催、業績再上方修正

2026/02/09 14:52 FREE
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 2月9日10時、フルヤ金属は2日に発表した26/6期2Q決算を受けて説明会を開催した。説明に使われた資料はこちら

 

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<概況>

〇経営環境(資料2ページ)

 上期は、当初の予定していた為替の問題、また貴金属相場、特にイリジウム、ルテニウムの相場を慎重に見ていた関係もあり、増収増益という結果になった。

 全体的には設備投資も順調で、特にデータセンターについてはHDDのルテニウム、ルテニウム合金なしは新しい分野の貢献。当初の期初予定に比べたらかなり読みが違って、良い意味で違いだった。

 業績予想は、2Q売上206億円、売上総利益51億円の上期予想委そう、累計の売上高439億円、売上総利益95億円。昨年の同期よりも増加した。

 各セグメントの状態は、全体的にはいい形ができ始めている。また、上期で比較すると、過去最高の売上、収益の発表ができた。

 

〇26/6期見通し>(同3-4ページ)

 各セグメントの受注見通しや貴金属販売の状況を鑑みて、業績見通しを再び上方修正。イリジウム市況を含め貴金属の市況の低下と、それからファインケミカル・リサイクルのセグメントを中心とした厳しい受注見通しということで当初予想したが、今回、売上高を期初計画の550億円を11月発表した1Qで60億円と修正したが、今回、再び、売上高見通しを880億円と、期初見通しに比べまして約60%増加した計画とした。

 一方、利益面も、経常利益では、期初の計画70億円としていたが、1Qに90億円、今回160億円の見通しとして、期初予想に比べて約128%の伸びとした。

 同時に、株主還元の見通しでは、当期利益の見通しを修正したので、合わせて株主還元を見直し増額。引き続き、今後の研究開発案件、KFTビジョン2030達成に取り組むべき課題もあるので理解をください。

 

図表1、26/6期の決算見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

〇四半期実績(同5ページ)

 2Qの売上高206億円、上期累計439億円と、昨年の2Qに比べ60%増加。売上総利益は51億円、上期累計95億円、前年の2Q比べ24%増加。同時に、経常利益は39億円と、上期累計72億円、昨年の2Qに比べ19%増加。計画に対して、各セグメントで順調な推移となった。それに伴い、業績予想を見直した。

 修正後の計画だが、受注動向や貴金属市況の見通し、それから為替動向を勘案し、見直しを行っている。なお、前提となる貴金属の価格及び為替の前提は、表の最下段に掲載。イリジウムはグラム単価2万4,800円、ルテニウムはグラム単価6,630円を想定して、為替は150円と、期初の計画から見直した。

 6ページに業績の推移があるが、売上高、総利益の増加トレンドにあることがわかると思う。

 

図表2、四半期別業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

<セグメント別概況>

〇電子(同7ページ)

 売上高の内訳:シンチレータ用イリジウム坩堝が5割、光ケーブル用アイソレータ、その他坩堝が2割、医療用レーザーなど結晶系を作るプラチナ系の坩堝が2割。利益の内訳も同じ。

 今2Qは、パワー半導体で使用されるガリウムナイトライドの結晶、これ作る装置の一部、出荷実績があった。電子セグメントの今期の予想は、今期の受注案件等々含めて、前回の予想からさらに計画を増やして、通期で売上高120億円、売上総利益で27億円と上方修正した。

 

〇薄膜(同8ページ)

 このセグメントで大きな商材は、やはりハードディスク用のルテニウムのターゲット材。データセンター需要に引っ張られ、ハードディスクメーカーの業績も好調に推移。同当社でもフル生産で対応しており、順調に推移した。加えて、EUVのマスク、ブランクスのターゲット材、こちらも安定した推移をしており、また、アルミスカンジウムのターゲット材、こちらも需要が強く、特にアルミスカンジウムは貿易問題による原材料の調達等々があるが、こういったものにも苦心しながらも出荷をした。

 セグメントの内訳、売上高は、ハードディスクで5割、EUVターゲットを含む半導体用途で2割、アルミスカンジウムが1割、あとLED等々のターゲット材や次世代ハードディスクのヘッド素材等々が占めている。売上総利益の割合も同様。薄膜セグメントでも、前回の計画見直しから上方修正した。

 

〇サーマル(同9ページ)

 半導体製造装置の前工程に使われる拡散炉の温度センサーは、半導体製造装置の需要自体、底固く推移して、計画通りの実績。加えて、新規の販売ルート、前期から取り組んでいたが、順調に立ち上がっており、生産数量も計画通り増加している。

 

〇ファインケミカル・リサイクル

 このケミカルセグメントは、これまで在庫調整が行われていた有機EL用の化合物、こちらに動きが出てきた。電極用の触媒は、前期、特注の部分があり、こちらの剥落はあったが、おおむね計画の範囲内で推移。

 セグメントの内訳、売上高で電極が約4割、有機ELの割合が5割ぐらい、その他リサイクル等々含めて1割。通期の見通しでも、前回は電極の受注動向、こちらが弱含んでいると説明し、見通しを若干引き下げたものの、今回は有機ELの受注動向踏まえて、前回の見通しよりも上方修正した。

 

〇サプライチェーン支援

 このセグメントは貴金属のトレーディングだが、貴金属地金の需要が強く、貴金属サプライヤーとして各方面に原料の供給を行っている。その他のセグメントでも実は貴金属の販売を行っており、上半期でも売上高105億、売上総利益1億億円を計上しているが、その他のセグメントでは、同社で付加価値をつけた地金の販売ということを行っている。

 その他のセグメントとこのサプライチェーンのセグメント、合わせて、特に戦略的に確保してきた。

 イリジウムは、期初の決算説明会の時に、当面の水素需要見通しを変更して、財務負担の軽減目的等々で販売していくと説明したが、その計画通り進捗した。計画がこれまでの実績をベースとして、通期の見通しとした。

 

 貸借対照表・キャッシュフローは資料の12-13ページを参照。

 

<下期見通しとKFKビジョン2030の道筋>

〇事業環境及び下期の見通し(同15ページ)

◆事業環境(同15-)

 同社にとっては非常にいい形ができ始めている。これは5本柱経営が、それぞれ太くなっていることと、あとは新規開発製品が、ぼつぼつ数字に現れ始めたなというのが今期全体の見通し。

 そういったところでは、特に情報産業、半導体、エレクトロニクスを含めて、同社の商品が、そういったところにかなり大きな貢献をしており、収益にも大きく貢献している。特にデータセンターは、当初考えていたHDDの寿命が短期間で終わると思っていたが、このデータセンターのおかげで、5年くらいは、今の状態が続く、ないしは、今のMAMR(マイクロ波アシスト授記記録)が、現状の技術だが、これからHAMR(熱アシスト磁気記録)っていう、熱アシストの技術が出てきて、これになると、HDDでルテニウムの使用量が激減するというような見通しは立っている。熱アシストになると、ヘッドのとこで温度が高くなることで、イリジウムのターゲットが、Seagate、WESTERN DIGITAL、東芝含めて、これヘッドメーカーも含めて伸びている。

 こういったところと、同社も、ルテニウムが無くなった時も含めて、新しい金属以外のターゲットにもチャレンジをしている。

 下地が金属以外のターゲット、他社が今非常に積極的に研究開発している。あるところでは30人のドクターがかりきで開発しており、他社も相当力を入れている。

 そんな中で、同社はそんな能力がないので同社独自に持っている粉末パッタ技術、これを使うことによって3人でこのターゲットが開発できるだろうと、今進めている。今、ユーザー3社から非常に良い結果の報告も受けている。

 同社もそういったところで、省人化して、成果を大きく出すというようなとこを主眼にして進めていきたい。

<トピックス>

〇電子セグメント(同16ページ)

 そういった意味でも、貴金属相場にかなり影響される。イリジウムの相場について、急落は避けたいので、イリジウムの新規用途開発を積極的に進めている。イリジウムの溶解装置だとか、イリジウムでも、今、日本のイリジウムの坩堝、スマートフォンに使われるジLTの結晶が、この4年間、受注がもう極端に少なくなっている。通常の10%もないのかな。そういう中では、先ほど説目した、アメリカのシンチレータ、これは癌なんかの検査装置、これが相対的に伸びている。その局所PET装置、乳癌だとか喉頭がんなど、小型の装置がかなり伸びてきている。そういった中では、日本で落ち込んだイリジウムの坩堝以上に今アメリカの医療用のイリジウムの坩堝は伸びている。

 ただ、いいことばっかりでなくて、今トランプ関税で15%、作り直ししたものを納めしているが、それにも15%の関税がかかってくるため、Siemensはじめ、いろんなとこで、5個の坩堝を納入すると関税を1.5-2億円払うような状態。なので、日本の製造装置をアメリカに移して、工場をアメリカに作ってという要望も出てきており、これについては社内で詰めているところ。

 また、イリジウムについて、光アイソレータについても、これイリジウムの坩堝だとか、それ以外白金の製品がかなり伸びている。また、ここで開発したような光ケーブルに使う同社独自のプラチナ製品っていうのもかなり大きな伸びを示している。この辺も、これからは継続的に計算できる収益の根源になってくるという風に考えている。

 

〇資料無し

 ガラスについては、新素材として、各半導体、光学含めて、かなり脚光を浴びている。今現在、光学系ガラス、それ以外のところはプラチナないしはプラチナロジウムの溶解層、これ200キロくらいの大きな層でガラスを溶解するが、今、新素材としたガラスについては、半導体向けの低誘電ガラスなしは、それ以外のとこもどんどん添加になっており、今は白金ロジウムでは持たない状態になっている。

 この辺は同社も10年くらい前から察知して、イリジウムの溶解装置を開発している。非常にいい結果が出てきている。それをこれから各社に展開していきたい。

 特に最近では高融点溶解装置、これはSamsonの折りたたみのスマホが非常に売れているが、表面に30ミクロンのガラスを使っている。30ミクロンのガラスは、非常に硬いガラスで融点も高いっていうことで非常に困っている中で、同社にその話があり、今この装置の設計をして、受注にもなった。

 これを進めていくとガラス関係では価値の高い装置で、韓国ビジネスとしても非常に大きなこれから収益が読める仕事になると考えている。あとは、この高融点ガラス、今半導体の基盤にこのガラスを使わないといけないような事態になってきている。こういったところでも同社のこのイリジウム溶解装置を早急に展開していきたい。今、台湾とか韓国、日本国内からも話があるが、そういったところを進めていて、イリジウムの今国内のITメーカーが非常に厳しい状態の中で、イリジウムの相場が下落する防止を含めて、新しい用途で対応していきたい。

 

〇薄膜セグメント(同17-18ページ)

 HDD、これはデータセンター含めて非常に好調。先ほど言ったSeagate、WESTERN DIGITAL、東芝っていうとこにルテニウムのターゲットを収めているが、それ以外にやっぱり新しい分野のターゲット開発、新しい分野でのイリジウムターゲット、こういった価値の高いものを量が少なくてもしっかりマーケットに出して進めていきたい。

 ルテニウムターゲットの新しい用途。今DRAMなんかでもね、新しい境配線で、このルテニウムターゲットないしはそのイリジウムプラチナターゲットの要求がある。特に最近ではEUVのターゲットについては、ルテニウム合金が、ようやく立ち上がってきて、同社としては(HDDのルテニウムが無くなることから)そういったところ積極的に投資をしてきたが、これがようやく立ち上がってきた。これ、日本が、そのHOYA、AGC、信越化学が主流になっており、そこの3社に同社1社で供給しており、非常に付加価値の高い商品を供給している。また、現在3社からいろんな合金開発依頼もし進めており、それについても積極的に対応していきたい。

 また、今ルテニウムターゲットもCRAMとかSRAMとか、そういう新しい半導体にもこの膜として使用できるような状態ができ始めており、ようやく今期あたりから立ち上がってきた中では、先ほど説明した薄膜事業の収益改善に貢献をし始めている。

 アルミスカンジウムターゲットも非常に伸びている。これから同社の1本の柱に追加でできるような状態までできている。これは売り上げで約10億から15億円くらいのビジネスに育ってきている。

 ただ、そういう中で、中国からスカンジウムの供給が今滞っている。完璧に出荷できなくなるのかどうかまだわからないが、今現在、同社としても経済産業省等に相談をしながら、アメリカないしはオーストラリアのアルミスカンジウムの鉱山と、今いろんな開発をして、日本で独自で材料調達できるような状態を進めている。これも5割くらいのとこまで来ているが、やっぱりできたとしてもデバイスメーカーの評価含めて相当時間がかかるため、当面は中国から早くアルミスカンジウムの供給が出てくるといいなと思う。ただ、中国メーカーから、完全に停止でなくて、その審査に相当時間がかかっていると。当初3月くらいの入荷予定が、今5月くらいにとの連絡が来ているが、これからもそういうことが度々起こる可能性があるので、同社独自で新しいソースを考えて積極的に進めていきたい。

粉末スパッタ(電s部品メーカーとの共同開発)が、ようやくここにきて販売に結び付いてきた。また、受託生産の話もきて、例えば、高騰している銀を使いたいということで、コアに銅、ニッケルを使って、銀のコーティングをして銀の役割を担ってい る。多方面から話を貰っている。これについては販売と受託で伸ばしていきたい。

 

〇サーマルセグメント(同20ページ)

 日本の半導体装置メーカーもある分野では非常に忙しくなっているが、やっぱり同社は中国にかなり力を入れている。

 今、中国は、やっぱり日本に追いつき追い越せという中では、金属が東京エレクトロン、国際エレクトレロニクスの両社の標準で認定を貰っていることで、海外の装置メーカー、デバイスメーカーが同社に対して高い評価をいただいて、ぜひ製品の出荷と、あとはできたら各部署に工場を作ってくれということで、政府含めてそんなお話が来ている。

 こういったとこについては、同社独自でなくて、経済産業省等相談をしながら、進めていきたい。

 今年の秋には千歳工場も竣工する。そういった意味では、海外で工場を作ることによって、マイナス要素はあるが、付加価値製品の石英加工は、作って教育していくということ、またそれ以外に価値の高い設計製品の開発をしながら進めていきたいと思っている。そういった意味では、海外の工場の建設依頼は来ている。先ほどのアメリカもそうだが、それ以外の東南アジアの国からもかなり強い要望が来ている。

 この辺はしっかりした形の中で答えていきたい。あとファインケミカルは、1つはやっぱり燐光材、今期、かなり改善をしている。スマホだけじゃなくテレビ、自動車のディスプレイ等々に使われ始めている。そういった意味では、記載していた青色は、まだまだ苦戦している。そういう中で、同社に対して青色のところについては限られた面(おそらく自動車のディスプレイ)での使用とかそれ以外のことだと思うが、同社に依頼が来ている。これは、15年くらい前から人工材を開発しているが、UDCがほとんど特許を押さえており、あきらめた。その後、UDCに化合物の販売を始めたが、当初警戒されたが、他社に比べて品質、また材料の安定調達っていうところが高い評価受け、今ほぼ100%化合物は受注している。

 また、両社で戦略在庫も協力しながら進めている。

 そういう中で、青色の限定した仕様については、同社に中間財までの依頼がきて、1回目を納めしている。

 これ化合物から電工材になる中間材だが、非常に付加価値の高い製品で、今筑波工場にその設備もあるので、設備投資しなくても今の量なら十分供給可能かなと考えている。

 今期下期からまた来期にかけては非常にいい形ができるのかなと考えている。

 

〇新千歳工場(同22ページ)

 秋竣工に向け順調に進んでいる。石英加工だけでなく半導体装置メーカー、これは東京エクトロン、また国際電気と共同開発が価値の高い製品をここで作って供給していきたい。

 トータル的に同社として下期、また来期についてはいい形ができ始めている。また、2030年ビジョンの計画については、達成できる可能性っていうのは楽観しており、それ以上の数字で挙げていきたい。

 

 

(IRuniverse 井上 康)

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