2026年3月2日~3月8日のバッテリー業界では、次世代電池である全固体電池の話題が目立った。まずは全固体電池搭載のモバイルバッテリーが発売になり、スズキ自動車が事業参入に乗り出した。一方、電気自動車(EV)向け車載電池はさえない話題も多い。UBEが工場建設計画を見直し、戸田工業も合弁を解消。北欧ノースボルトは米傘下に入った。
IR Universeは2026年3月17-18日、東京・浅草で「第13回Battery Summit」を開催する。

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<国内>
●全固体電池のモバイルバッテリーが登場

再生可能エネルギーのソリューションを手掛けるビックブルー・テク(Bigblue Tech、本社:東京・港)は3月6日、次世代電池である全固体電池を採用したモバイルバッテリーを発売した。全固体電池搭載のモバイルバッテリーは業界初。
プレスリリース: モバイルバッテリー – Bigblue.jp
●スズキ、カナデビアから全固体電池事業を取得
スズキ自動車は3月4日、「総合プラントのカナデビア(本社:大阪府大阪市)から全固体電池事業を譲り受ける」と発表した。
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●UBE、米LIB電解質材料の工場建設を延期 資材高騰や関税で

化学・機械のUBEは3月4日、「建設中のリチウムイオン電池材料の米国工場について、稼働予定を延期する」と発表した。資材・人件費の高騰や米関税を受けた。投資額も増額する。
稼働予定時期を従来の2026年11月から2027年1-3月期に、投資額は5億円から7億円へと変更する。同社は2025年に「米ルイジアナ州で、ジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の工場を建設する」と発表していた。DMCとEMCはリチウムイオン電池の電解質の原料。
プレスリリース:00.pdf
●アイシン、家庭用燃料電池で新製品 太陽光に対応
自動車部品や住関連製品を手掛けるアイシンは3月3日、「家庭用燃料電池で太陽光優先仕様商品を4月に発売する」と発表した。ガス事業者を通じて販売する。
経済産業省施行の「太陽光発電の再生可能エネルギー固定価格買取制度」の満了を迎えて、太陽光発電の売電から自家消費に切り替えたいという顧客ニーズがあるという。晴れや曇りの日の昼間に発電を自動で抑制し、太陽光で発電した電力を優先的に自家消費に回すことで、固定価格買取制度満了後に安い単価で売電を続けるよりも家計負担を軽減できる。
太陽光優先の家庭用燃料電池の仕組み

(出所:アイシン発表資料)
プレスリリース: 家計負担を軽減する家庭用燃料電池「エネファームtype S」の太陽光優先仕様を新発売 | 株式会社アイシン 公式企業サイト
●マクセル、小型電池でVCに投資 村田からの事業買収は完了

マクセルは3月3日、自社ホームページ上で、「ベンチャーキャピタル(VC)大手ジャフコグループが運営するファンドに総額10億円を出資する」と発表した。小型電池事業の技術革新と成長加速を目指す。
プレスリリース:マクセル|マクセル、国内大手VC「ジャフコ」が運用する新規ファンド(V8)への出資を決定
マクセルは電池事業の再編を進める。2025年6月には村田製作所からの一次電池事業の買収を発表。村田製作所側は3月2日に、「3月1日付で売却手続きが完了した」と発表した。
関連記事:週刊バッテリートピックス「豊田通商、韓国LGと米合弁」「村田製がマクセルに一次電池売却」など
●経産省と環境省、中古車の扱いでオンライン会議
経済産業省と環境省は3月2日、自動車リサイクルについてのオンライン会議を実施し、電池リサイクルにつながる中古車の扱いについて議論した。
関連記事:JAERA、中古車の輸出前検査導入を要望―自動車リサイクルワーキンググループ
●リチウムイオン電池火災、リサイクル品でも注意 NITE呼びかけ
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は2月26日、「中古のリユース品事故のうち、リチウムイオン電池の搭載品が3割を占めた」と発表した。
NITEが2020-2024年の5年間に把握した310件についてて、約9割が火災事故だった。NITEはリサイクル品などの入手の際、リチウムイオン電池の搭載製品の場合は製品状態を特に注意して確認するよう呼びかけた。
NITEのリユース注意喚起チラシ

(出所:NIRホームページ)
●戸田工業、独BASFとの合弁解消
戸田工業は2月26日、「ドイツ化学大手のBASFとの合弁を解消する」と発表した。
関連記事:戸田工業、独BASFとの合弁解消 車載電池向け材料で協業もEV販売低迷で撤退
<海外>
●米キューノボ、韓国・現代自からの出資受け入れ

米バッテリーソフトウェアのQnovo(本社:米カリフォルニア州、キューノボ)は3月3日、自社ホームページ上で、「韓国の現代自動車と傘下の起亜自動車からの出資を受け入れる」と発表した。出資額・比率は非公表。
キューノボはリチウムイオン電池(LiB)の性能、寿命、安全性をソフトウエアで最適化する技術で知られる。ビッグデータや物理モデル、機械学習を駆使しての予測型電池管理技術に強みがある。
プレスリリース:Qnovo | Qnovo Secures Strategic Investment from Hyundai Motor and Kia
●米ライテン、ノースボルトの資産買収完了
ライテンの発表

(出所:ライテンホームページ)
リチウム硫黄電池を手がける米ライテン(Lyten)は3月2日、自社ホームページ上で、「経営破綻したスウェーデンの電池大手ノースボルトの資産買収が完了した」と発表した。
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(IR Universe Kure)