環境省は27日、「資源循環ネットワーク形成・拠点構築に関する提言~再生材サプライチェーン強靭化に向けて~」を取りまとめたと発表した。鉄スクラップ、アルミスクラップ、電子スクラップ(e-scrap)、使用済自動車など、主要な循環資源10カテゴリーと2地域(北九州市、室蘭市)を対象にしたケーススタディ結果をもとに、再生材サプライチェーンの強靱化に向けた現状把握と課題・ニーズを整理。その上で、施策具体化の際に軸とすべき5つの対策の方向性を示している。
提言は2030‐2035年を目途に目指す姿を設定、その上で国や地方公共団体、関係業界・企業との連携により、今後の再生材サプライチェーン構築に向けて進むべき方向を示した。対策の方向性として示されたのは以下の通りである。
① 公正な競争環境の整備及び適正処理の確保
② 循環資源の回収量拡大
③ 再生材の品質の確保
④ 再生材・再生材利用製品の需要の創出
⑤ 規模拡大や効率性向上等を通じた事業性確保


同提言のとりまとめに当たって、2025年度に、主要な循環資源などを対象とした調査を実施するとともに、「資源循環ネットワーク形成・拠点構築に向けた調査事業に係る検討会」(座長:細田衛士東海大学学長補佐・政治経済学部経済学科教授)を設置し、対策の方向性を検討してきていた。
調査とその後の検討作業の中で、浮かび上がった課題は以下の5点だった。
①公正な競争環境の未整備
不適正スクラップヤード問題と、不透明な商流や海外输出ルートの存在により、公正な競争環境が損なわれている。
②原料となる循環資源が集まらない
経済合理性に基づき、金属資源は海外流出・埋立、プラスチックなどは焼却が優位。海外の輸出管理措置などにより循環資源の輸入に課題。
③リユース·リサイクル技術等が未成熟
製造業が使いこなせる品質を供給できる技術やインフラなどが末整備。
④ 再生材需要·市場が未形成
再生材の需要を創出するためのルールやインセンティブの不足、再生材利用価値が末浸透で市場が未形成。
⑤資源循環ビジネスの事業性が未確立
資源循環産業の産業競争力が弱く、規模拡大·高効率化に向けた投資が進まない。
今回の提言は、抽出された課題を踏まえて、5つの対応の方向性として取り纏められた。

(IRuniverse G・Mochizuki)