Loading...

紙・古紙市場近況 3月:改善の見られる輸出と混迷の原油高騰

2026/03/31 12:02
文字サイズ
紙・古紙市場近況 3月:改善の見られる輸出と混迷の原油高騰

 3月の紙、板紙需給、および古紙市場の動向を、国内における需要と海外事情の両面から見ていく事にする。海外への古紙輸出量の低下は今回下げ止まりを見せつつあるデータがある中で、ホルムズ海峡封鎖による古紙の輸出価格への影響が無視できなくなる可能性はありそうだ。 

 

 「紙・板紙需給」3月 

  

 

紙・板紙の国内出荷は前年同月比2.5%減、5ヶ月連続のマイナス。グラフィック用紙は6.1%減、16ヶ月連続のマイナス。パッケージング用紙は0.5%減、2ヶ月連続のマイナス。主要品種は白板紙を除きマイナス。 

  

紙・板紙の輸出は前年同月比1.9%減、2ヶ月連続のマイナス。グラフィック用紙は16.1%減、3ヶ月連続のマイナス。パッケージング用紙は5.6%増、2ヶ月ぶりのプラス。グラフィック用紙では、塗工紙を中心に印刷・情報用紙が東南アジア向けで減少。パッケージング用紙では、段ボール原紙が東南アジア向けで増加。 

 

  

 

 

 (紙板紙需給統計) 

https://www.jpa.gr.jp/file/summary/1774314736_2026%E5%B9%B42%E6%9C%88%E7%B5%B1%E8%A8%88.pdf 

 

 

「古紙需給」 

  

  古紙の需給状況について、公益財団法人古紙再生促進センターの資料によれば2025年4月から2026年⚀月までの古紙回収量は古紙11,928,599tとなり前年同期比で3.2%減少。消費は11,847,920tで前年同期比2.9%減少。輸出量は2025年4月から2026年2月時点で1,731,071tと同比0.2%の増加となっている。 

  

古紙の回収と消費についてはやや回収量が落ちつつあるが、特筆すべきは輸出量の底打ちだ。タイやベトナムといった地域では輸出量が大きく増加しており、韓国など依然低下を見せる地域の下支えとなったと見て良いだろう。 

 

 

 (古紙需給) 

 

 

 

 (古紙輸出量) 

 

(出典:古紙再生促進センター資料) 

 

古紙の需給は、入荷は1,086千トンで前年比8.5%減、2ヶ月ぶりの減少。うち新聞古紙は138千トンで前年比6.3%減、6ヶ月連続の減少。段ボール古紙は678千トンで前年比7.7%減、2ヶ月ぶりの減少となった。消費は1,058千トンで前年比5.8%減、15ヶ月連続の減少となった。在庫は648千トン、前月比では4.5%増、前年比では3.6%増となった。輸出は149千トンで前年比13.0%増、6ヶ月連続の増加となった。ベトナム、台湾が主な輸出先である。 

 

 

 

【市場動向】 

 
 

中東戦争でエネルギー高に 日本古紙の代替需要は 

 

米国・イラン戦争勃発 

 

 2026年2月28日、米国とイスラエルはイランに対して大規模な軍事作戦を開始。米国のトランプ大統領は軍事作戦の目的について「イランの核兵器を搭載した長距離ミサイルの脅威から自国民を守るため」と表明。イランの最高指導者であるハメネイ師の死亡がその後発表された。ハメネイ師は最高指導者に就任して37年目を迎えており、今回米国の軍事作戦「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」によって殺害された。同軍事作戦について、トランプ大統領は「4~5週間を想定しているが、それより長い期間でも継続できる」と語っている。過去の中東戦争を振り返ると長期化する可能性もあるが、UAEとカタールは短期間に留めるように米国・イスラエルに働きかけている。 

 イラン軍は、エネルギー輸送で重要な要衝となるホルムズ海峡の航行禁止を通告した。それに伴い、全ての海運会社がリスクを抑えるために運航を見合わせている。イランとオマーンの間に位置するホルムズ海峡は、24年の統計では日量2000万バレルの原油タンカーが通過しており、これは世界全体の石油消費量の20%、貿易量の27%に相当する。 
 

日本の原油輸入は中東に95%依存 

 

 日本の原油輸入は、UAEが44%、サウジアラビアが40%、他にクウェートやカタール、オマーン等で中東諸国への依存度は95%と高い。高市首相は日本の資源備蓄状況について「日本には石油備蓄量が254日分ある」との声明を発表し、これまでの石油ショック等によるパニック買いや不安心理を抑えようとしている。またカタールには世界供給の20%を占める大型LNG(液化天然ガス)施設が存在する。この施設の供給停止が長期化すれば、多くの国が影響を受けることになる。原油価格は現状の69ドル/バレル(ドバイ・3月初旬)から2~3割上昇するという予想が多い。また天然ガス価格は既に上昇を始めている。 

製紙・古紙に与える影響を予測 

 製紙産業のエネルギー構成比では、日本製紙連合会の23年調査によると、石油系燃料が9.9%、ガス(都市ガス・天然ガス・LNG)が9.4%、石炭が23.4%となっている。前述のように原油は中東依存度が95%と極端に高いが、天然ガスはオーストラリアが38%、マレーシアが16%、米国9%、ロシア9%で、中東依存度は11%程度に留まる。また石炭はオーストラリアが72%、インドネシアが13%で、今回の戦争による影響はない。製紙産業のエネルギー全体で影響を受けるのは、石油系燃料(使用比率9.9%×中東依存度95%)+ガス(使用比率9.4%×中東依存度11%)=10.4%となり、1割強の影響は受けるものの、他産業に比べるとそれほど高くはない。 

 

古紙輸出価格の行方は 

 

 古紙輸出価格はどのように推移するのか。欧州の海運大手各社は、中東情勢の悪化に伴い、スエズ運河経由からアフリカの喜望峰の迂回ルート変更を既に発表している。類似類似類2年前の23年10月にイエメンの武装組織による船舶攻撃により、紅海及びスエズ運河が閉鎖され、長期間にわたって欧州からアジア向け航路の迂回を余儀なくされたことは記憶に新しい。 

  昨年は英国から399万トン、欧州全体では597万トンの古紙輸出量があった。その多くがアジア向けである。近年の輸出量はそれほど変動がなく、横這いが続いていた。海上運賃は割高になるものの、輸出量としてはそれほど減らない公算が高い。 

  一時的に欧州商社・海運各社の混乱やリスク回避が起こり、東南アジアの製紙メーカー各社は、日本への古紙の代替需要が起こる可能性が高い。現在、日本OCCのベトナム向け輸出価格が150~154ドルだが、短期的には跳ね上がる可能性もある。 

  前述の23年10月19日に起きたイエメン武装組織による紅海封鎖では、欧州からアジア向けの船舶が減少すると共に、海上運賃と保険料が急騰した。価格が安いということで低品質の欧州古紙を買っていた東南アジアメーカーは、日本古紙に調達を振り替えた。この代替需要もあって、OCC輸出価格は上昇し、24年5~7月には26~28円台まで上昇した。新聞古紙の輸出価格もこの時にキロ30円台に乗せ、以後断続的に30円相場が続いた。 

 

25年は米国・英国共に古紙輸出量が増加 3大古紙輸出国では日本のみ減少続く 

 

 3大古紙輸出国の特徴 

 米国・英国・日本の3大古紙輸出国の品種別の特徴では、段ボールは70%前後の輸出比率で共通している。異なる点では、米国は上物古紙の輸出比率が高く、英国はMIXの輸出比率が高い。そして日本は新聞・雑誌(特に雑誌古紙)の輸出比率が高くなっている。 

  輸出先では米国と英国はインドが最多だが、日本はベトナムが最多となっている。 

  25年は米国が対前年比で3%増、英国が5.4%増となり、ともに輸出量が増加したが、日本だけは対前年比で9.3%減となっている。 

 
米国の古紙輸出 

 2025年の米国の古紙輸出量は1242万トンで、対前年比では3%増となった。2022年以降、3年連続で減少していたが、4年ぶりに増加に転じている。しかし18年には1900万トンが輸出されていたので、以前より輸出供給力としては落ちているが、ひとまず下げ止まったという印象である。 

  25年の米国の古紙品種別輸出量は、段ボールが895万トンで72.1%を占めている。次いでMIXが158万トン(シェア12.8%)、上物が145万トン(11.7%)、新聞・雑誌が43万トン(3.5%)。 前年から全体で36万トン増となったが、品種別では段ボールが71万トン増、上物が5万トン減、新聞・雑誌が11万トン減、MIXが19万トン減となっており、段ボールが大きく増えたが、それ以外の品種は輸出量が減少している。 

  25年の米国の古紙国別輸出量は、5年連続でインドがトップとなった。中国の古紙禁輸以後、米国から最多輸出国はインドが君臨している。しかし2位のタイとの差が僅差になっていることや、インドが欧州からの調達量を増やしていることから、26年以降は順位が逆転する可能性もある。 

  米国のインド向け輸出量は218万トンで対前年比4.9%増、シェアは17.5%。インド向けの品種の特徴は、MIXの輸出量がトップ、段ボールは3位。価格が比較的高価な上物や新聞・雑誌の輸出量は少ない。 

 

 第2位がタイで、輸出量は202万トンで対前年比63.5%増、シェアは16.2%。タイ向けの95.4%は段ボールとなっており、米国の段ボール輸出量としては国別で最多。山鷹HDを中心とした古紙パルプ用に輸出量が伸びていることが分かる。以前は新聞・雑誌の輸出量が多い時もあったが、25年はわずか5千トン弱の輸出量だった。 

  第3位はベトナムで、輸出量は192万トンで対前年比55.1%増、シェアは15.4%。タイ向けと同様、ベトナム向けも段ボールの比率が圧倒的に高く、95%を占めている。タイ向けと異なるのは、タイでは古紙パルプ用原料として使用されているものが多いが、ベトナムでは大半が段原紙原料として使用されている。中華系では玖龍紙業(ナインドラゴン)の正陽紙業、理文造紙(リー&マン)を筆頭に、台湾系の正隆紙業、日系のビナクラフトやサイゴンペーパー、現地メーカーであるトゥアンアン、ドンハイ等への輸出量が多い。 

  第4位はマレーシアで、輸出量は170万トンで対前年比3.5%減、シェアは13.7%。東南アジアの主要輸出国では唯一、輸出量が前年よりも減少している。24年と比較すると、段ボール輸出量が8万トン減少したが、それ以外の品種は微増となっている。米国の国別輸出先では、マレーシアは新聞・雑誌の最多輸出国であり、MIXもインドに次いで多い。 

  第5位はメキシコで、輸出量は156万トンで対前年比15.5%減、シェアは12.5%。メキシコ向けの特徴は、上物古紙の輸出量が最多で、段ボールよりも上物の方が多くなっている。 

 

 輸出量が100万トンを超えるのはこれらの5ヵ国となっている。以下、第6位はカナダの85万トンで、メキシコほどではないが上物やMIXの比率が高い。第7位はインドネシアの52万トン。インドネシアは新聞・雑誌、MIXの輸出先としては、ともに3番目に輸出量が多い。第8位は韓国の49万トンで、上物の輸出量が3番目に多い。第9位は台湾の44万トンで、92%を段ボールが占めている。第10位はイタリアの12万トンで、段ボールよりも上物の輸出量の方が多くなっている。 

 

英国の古紙輸出 

  2025年の英国の古紙輸出量は399万トンで、対前年比5.4%増となった。英国も米国と同様、22年以降は3年連続で古紙輸出量が減少していたが、こちらも4年ぶりに増加となった。 

  品種別輸出量では、段ボールが271万トンで68%を占めている。次いでMIXが102万トン(25.7%)、新聞・雑誌が17万トン(4.2%)、上物が8.5万トン(2.1%)。 

  前年からの増減では、合計で20万トンの輸出増となった。うち品種別増減は、段ボールが30万トン増、上物が1万7千トン増、新聞・雑誌が8千トン増、MIXが13万トン減となっている。米国では段ボールが大きく増えてそれ以外は減少だったが、英国は段ボールが大きく増え、上物と新聞・雑誌が微増、MIXのみが減少となっている。 

  25年の英国の国別古紙輸出量では、こちらも米国と同様、インドがトップだった。インド向け古紙輸出量は138万トンで対前年比51%増となり、大きく増えている。シェアは34.6%となり、前年のシェアの24.1%から12.5pの上昇。インド向け輸出の特徴はMIXの比率が高いことで、英国のMIXの輸出ではインド向けが55%を占めている。また新聞・雑誌もインド向けがトップ、段ボールは2位、上物は3位となっている。 

 

 第2位はマレーシアで53万トン、対前年比9.6%減、シェアは13.2%。マレーシアは米国・英国の両方からの古紙輸入量が前年より減少している。輸出量の96.9%を段ボールが占めている。 

  第3位はトルコで41万トン、対前年比11%増、シェアは10.2%。近年は40万トン前後の輸出量で安定している。トルコ向けは更に品種が偏っており、98%を段ボールが占めている。 

  第4位はベトナムの34万トンで、対前年比36.4%減、シェアは8.6%。前年から21万トン減少し、内訳は段ボールが16万トン減、MIXが5万トン減。 

  第5位はオランダの27万トンで、対前年比3.8%減。MIXの輸出量が以前から多く、インドに次いで多い。第6位はインドネシアの26万トンで、対前年比5.9%減。前年に比べてMIXの輸出量は半減し、年々段ボールの比率が高くなっている。第7位はタイの24万トンで、対前年比29.8%増。MIXは半減、段ボールは7万トン増。第8位はドイツの23万トンで、対前年比21.3%減。 

  英国からのMIX輸出では、オランダとドイツ向けが10万トンを超えているが、これはMIXを選別することによって、付加価値を出して再出荷している。 

 

日本の古紙輸出 

 

 日本は米国・英国に比べて新聞・雑誌の比率が高い。新聞・雑誌の輸出量全体に占める率は、米国=3.5%、英国=4.2%に対して、日本は雑誌=18%、新聞=4.5%なので新聞・雑誌としては22.5%となり、かなり高いことが分かる。新聞・雑誌の発行部数が多いことや、分別が普及していること等が要因となっている。しかし段ボールは欧米に比べると強度が低く、現在のように米国品と価格差があまりない状況だと、強度が低い日OCCは敬遠される傾向にある。 

 

関東商組の古紙需給 新聞・雑誌の仕入量激減 直近は全品種の在庫増加 

 

直近の需給状況 

 

 直近の26年1~2月の需給状況では、古紙主要3品の仕入量は35.2万トンで、対前年比では横ばい。しかし出荷量は35.6万ト8.3%から2.6ポイント上昇した。 

  品種別では、段ボールは仕入量が対前年比で2.1%増、出荷量が1.6%増、在庫量が30.2%増で、全てプラスとなっている。 

  新聞は仕入量が4.7%減、出荷量が6.2%減、在庫量は増加して52.2%増。 

  雑誌は仕入量が6.2%減、出荷量が8.8%減、在庫量は17%増。仕入・出荷は段ボールのみプラスで、新聞・雑誌はマイナス。在庫量は全て増加となった。 

 

2025年の関東商組32社の需給総括 

 

 では年次別に見ていこう。2025年の3品計の仕入量は223万トンで、対前年比2%減。出荷量はこちらも223万トンで2.2%減。在庫量は合算すると前年より17%増となっている。ちなみに10年前の2015年と比べると、仕入量と出荷量は共に24%減となっている。15年の仕入・出荷は共に295万トンだったが、25年は223万トンとなり、72万トンの減少となっている。仕入量の72万トン減の内訳は、新聞が48万トン減、雑誌が27万トン減、段ボールが4万トン増となっている(四捨五入により合算値は合わない)。 

  25年の品種別需給では、段ボールは仕入量が164万トン、出荷量が163万トンで、対前年比は共に0.1%減だった。通年の在庫量は28%増、在庫率は24年の10%から25年は12.8%に上昇した。直近10年間の段ボールの在庫量としては、19年、20年に次ぐ3番目に多い年となった。 

  25年の新聞は仕入量が25万トンで対前年比10.9%減、出荷量は24万トンで同12.1%減。通年の在庫量は2.5%減、在庫率は24年の25.3%から25年は28.1%となった。この在庫率は15年以降で最も高い数値となっている。 

  25年の雑誌は仕入量が35万トンで対前年比3.9%減、出荷量が35万トンで同3.7%減。通年の在庫量は13%増で、在庫率は24年の24.6%から25年は28.8%に上昇している。こちらも新聞と同様、在庫率では15年以降で最高となっている。 

  仕入量の品種別比率を10年前と比較すると、15年は段ボール54.1%、新聞24.6%、雑誌21.2%だった。しかし25年は段ボールが73.3%、新聞11%、雑誌15.7%。20年から雑誌が新聞を上回っている。 
 

国内古紙価格 

  国内の古紙価格については、段ボール古紙が18円、新聞紙古紙が17円、雑誌古紙が15円程となっている。横ばい推移を続けているが、新聞紙古紙については輸出価格が25円程と価格減少が継続しつつあり、まだ下がる物と見られている。雑誌古紙については輸出価格が20円程と、わずかながらの安値傾向を見せつつある。 

 

 

 (段ボール古紙価格と雑誌古紙価格の推移 市中実勢 JPY/kg 年単位) 

 

原油・ガソリン高騰 OCC輸出価格やや上昇 

 日本時間の3月20日深夜から行われた日米首脳会談は、様々なテーマによる合意と協力体制が確認された。その中で最もセンシティブな部分だったのがイラン問題とホルムズ海峡への自衛隊派遣だったが、ここは上手く乗り切ったという声が強い。 古紙問屋や廃棄物業者、物流業者の関心事は、ガソリン価格の動向だろう。まず原油価格の動向について。WTI(米国テキサス州原油価格)の動きでは、米国のイラン攻撃前は1バレル65ドルだったが、攻撃後10日間で30ドル上昇して90ドル後半まで高騰。その後は上昇と下落が続き、3月下旬時点では88~89ドルとなっている。 

  また経産省・資源エネルギー庁によるガソリン小売価格調査では、今年1~2月は1L=150円台で推移。イラン攻撃後にやや上昇したが、それでも3月9日時点では162円だった。しかしその後1週間で跳ね上がり、3月16日には191円まで上昇した。しかし3月23日には178円に下落している。今後もまだ不確定要素が多いが、政府が民間と合わせて50日分の備蓄放出を発表したので、原油・ガソリンともにやや落ち着くと予想されている。 

古紙輸出価格の動向 

 

 3月25日時点での日OCC(段ボール古紙)輸出価格は、ドル価はここに来て上昇している。ベトナム向け日OCCのドルかは157ドル、台湾向けが150ドルとなっている。3月中旬のベトナム向けは153~155ドルだったので、2~3ドルの上昇となった。 

  しかしドル価が上がっても円価にはそれほど反映されない状況となっている。これは海上運賃の上昇によるもので、商社筋によると2月までの海上運賃と比較すると4月からは40~60%ほどのアップが見込まれている。また船会社によっては原油価格高騰による新たなサーチャージを加算するところもあり、輸出コストが大きく跳ね上がっている。 

  戦争によって世界の貿易全体が混乱をきたしていることで、船やコンテナのブッキングもままならないことや、原油価格が以前より上昇していることもあり、リスク回避の動きも頻発している。3月上旬から、商社・船会社は輸出に慎重な姿勢でリスク回避に動いているが、問屋側としては発生期前に少しでも在庫を減らしたいという意向があり、特に3月は全品種で投げ売りの状況が見られた。また大手商社等は3月末が決算期で、少しでも期末の売上に入れたいという動きや、大幅な人事変更等も背景にあったと思われる。このように各地で投げ売りの状況もあって、輸出価格は全体的にはそれほど上がらない状況となっている。 

 

 東南アジアのメーカーとしては、この数年は古紙価格が落ち着いていたので、価格が跳ね上がることを何よりも懸念している。そのためこちらも慎重な姿勢でオファーを行っている。これは中国の古紙禁輸以降、東南アジアとインドメーカーで古紙の取り合いになり、価格が急騰したという二の轍を踏まないという教訓があるためだ。つまり東南アジアメーカーとしては、欧州古紙が入りにくく、現時点の原料在庫もあまり多くないが、古紙価格の値上げを受け入れにくいというのが本音だろう。欧州からは古紙が入りにくいが、米国からはリスクの高い東航路(欧州経由)を避ける動きがあり、東南アジアメーカーとしては逆に米国から入ってきやすい状況だ。サプライヤー側とバイヤー側の様々な狙いがシンクロするが、現時点では際立って古紙輸出価格が上昇しているという話はなく、あったとしても海上運賃の上昇によって円価手取りは下落するというのが、大半の見方である。 

 

 日OCCのドル価は154~157ドルで、問屋店頭ではキロ18.8~19.8円。米OCC価格が10ドルほど上昇したが、日OCC価格はドルベースでは5~7ドル程度の上昇に留まっている。 

  日ONP(新聞古紙)のドル価は185~195ドルで、1月に比べると30~50ドル下落した。問屋店頭ではキロ24~26円。下落理由は前述の通り、国内メーカーの新聞在庫が満杯であり、輸出先がかなり限定されるということも要因となっている。 

  25年日本からの新聞古紙の輸出量は8万910トンで、月平均では約6700トン。輸出先は韓国が5万9千トンで73%を占めている。次いでタイが15%、ベトナムが6%、フィリピンが4%。今後も新聞の輸出は量・価格ともに韓国次第だと言える。 

  日OMG(雑誌古紙)のドル価は162~170ドルで、問屋店頭ではキロ19~20.5円。OMGの輸出価格は横ばいが続いていたが、こちらも海上運賃の値上げ等により、キロ20円を割る輸出価格も増えてきている。 

 

 (IRuniverse Ryuji Ichimura) 

関連カテゴリ

関連記事

新着記事

ランキング