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2026年2月 鉄スクラップ輸出統計分析 鉄スクラップ輸出、外需主導で上昇継続 焦点はイラン情勢と運賃高騰

2026/04/04 12:09
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2026年2月 鉄スクラップ輸出統計分析 鉄スクラップ輸出、外需主導で上昇継続 焦点はイラン情勢と運賃高騰

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為替相場推移 TTS 3か月

 


(その他鉄スクラップ分析)
■数量面では
2026年2月単月は8万2,233トンと、前月(4万5,174トン)から前月比182%と急回復。前年同月比でも144%と明確な増勢。
1-2月累計は12万7,407トン、前年同期比126%と増加基調に転じた。年初の落ち込みを2月が大きく補い、全体としては拡大トレンドに復帰している。
________________________________________
主な仕向け先の動き(累計含む)
韓国向け
2月:2万3,432トン(前月比228%)
累計:3万3,722トン(前年比155%)
→ 主力として回復基調が鮮明。
中国向け
2月:4,358トン(同108%)
累計:8,375トン(前年比357%)
→ 数量規模は小さいが伸び率は突出。
台湾向け
2月:25トン(回復)
累計:25トン(前年比0%)
→ 実質的に市場機能せず。
ベトナム向け
2月:1万4,577トン(同203%)
累計:2万1,764トン(前年比77%)
→ 単月回復も累計では依然弱含み。
マレーシア向け
2月:2,790トン(同55%)
累計:7,820トン(前年比46%)
→ 構造的低迷継続。
タイ向け
2月:2万4,930トン(同277%)
累計:3万3,921トン(前年比452%)
→ 今期最大の牽引役に浮上。
インドネシア向け
累計:1万1,082トン(前年比97%)
→ 横ばい圏。
インド向け
累計:4,416トン(前年比235%)
→ 拡大傾向が鮮明。
________________________________________
■総括
2月は単月で急回復し、累計でも前年比+26%と拡大基調へ転換。
構図は以下の通り整理できる:
•    新たな牽引役:タイ、韓国 
•    高成長枠:中国、インド 
•    調整局面:ベトナム 
•    構造的低迷:マレーシア、台湾 
•    中立:インドネシア 
2025年に顕著だった「ベトナム中心構造」はやや後退し、2026年初頭は
タイ・韓国を軸とした多極分散型へ移行。
短期的には、タイ需要の持続性とベトナムの回復有無が全体方向を決める鍵となる。数量の振幅は依然大きく、需給主導の流動的市場構造が一段と強まっている。

(表―1、グラフ―1)。
 

 

 

■数量構成の動き(1月→2月)
1月から2月にかけての構成比変化は以下の通り。
・韓国:23% → 28%(上昇)
・中国:9% → 5%(低下)
・台湾:0% → 0%(横ばい)
・ベトナム:16% → 18%(上昇)
・マレーシア:11% → 3%(大幅低下)
・タイ:20% → 30%(大幅上昇)
・インドネシア:16% → 5%(大幅低下)
・インド:4% → 3%(やや低下)
・その他:1% → 7%(上昇)
________________________________________
上位構成国の変化
1月時点では
韓国(23%)・タイ(20%)・ベトナム(16%)が上位を占めていたが、
2月は
タイ(30%)が首位に浮上し、
韓国(28%)がこれに続き、
ベトナム(18%)が3位を維持する構図となった。
一方、インドネシアは16%→5%へ大きく低下し、マレーシアも11%→3%へ縮小した。中国も9%→5%へ低下し、順位を下げている。
総じて、1月は韓国・タイ・ベトナムが並ぶ分散型の構図だったのに対し、2月はタイ向けの急拡大が全体を主導し、韓国と合わせて上位2カ国集中が強まった点が最大の特徴である。


(グラフ―2)。
 

■金額面
2月単月は58億22百万円と、前月(40億02百万円)から大幅増加し、前月比145%。前年同月比でも155%と大きく上回った。 
1-2月累計は98億24百万円となり、前年同期比140%と大幅増。年初の落ち込みを2月の急回復が補い、金額ベースでは明確な拡大基調が確認される。


(表―2、グラフ―3)。



■FOB単価推移
全体平均は、1月89円/kg → 2月71円/kgへ大幅下落。
年初に上昇した単価は一転して調整局面入りとなり、為替が円高基調にある点を踏まえると、ドル建てでは下げ幅は緩和されている可能性が高い。
主要仕向け地別動向(1月→2月)
・韓国向け:52円 → 47円(下落)
・中国向け:94円 → 107円(上昇)
・台湾向け:0円 → 39円(実績回復)
・ベトナム向け:51円 → 49円(小幅下落)
・マレーシア向け:163円 → 134円(大幅下落)
・タイ向け:144円 → 98円(大幅下落)
・インドネシア向け:51円 → 51円(横ばい)
・インド向け:76円 → 82円(上昇)
総括
2月は全体単価が急落し、数量回復とは対照的に価格面は明確な軟化。とくに高単価市場であったマレーシア・タイ向けの下落が全体を押し下げた。一方、中国・インド向けは上昇しており、市場は「高値調整」と「新興需要の底堅さ」が併存する分極的な構造へ移行している。

(グラフ―4)。



工業雑品(輸出シッパー買値ベース)(JPY/Kg)1年

 

主要税関別数量・FOB(JPY/Kg)実績 (   )内は前月実績

主要国別税関別数量・FOB(JPY/Kg)実績  (   )内は前月実績

 

■今後の展望(その他鉄スクラップ)
足元のその他鉄スクラップ輸出は、数量回復と価格調整が同時進行する局面にあり、需給は総じて緩和方向へシフトしている。背景には、中東情勢に起因する運賃高騰と燃料価格上昇という「コストプッシュ要因」が一巡しつつある一方、実需の伸びが限定的である構造がある。
とくにマレーシア・タイといった高単価市場では、前局面の過熱の反動による価格調整が続く可能性が高く、これが全体価格の上値を抑える要因となる。一方で、中国・インド向けは相対的に底堅く、代替需要の受け皿として機能しており、需給の下支え要因として作用する見通し。
また、イラン産半製品の供給動向や海上物流の混乱が再燃した場合には、再びスクラップ需要が代替的に押し上げられる余地も残るが、現時点では価格よりも数量調整の側面が優勢となっている。


(ヘビー屑分析)

■数量動向
2月単月は35万9,577トンと、前月(22万5,754トン)から大幅増加し、前月比159%。
一方、前年同月比では90%と前年をやや下回る水準。
1-2月累計は58万5,331トン、前年同期比86%と減少基調。
年初の落ち込みを2月の急回復で補いきれていない状況。
なお、2026年より統計コードが7204.49-110(6mm以上)と7204.49-190(その他)に分割されており、前年比較は構造変化を含む点に留意が必要。
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■主要仕向け地別動向(2月)
韓国向け
4万616トン、前月比81%、前年同月比77%。
回復には至らず、依然弱含み。
台湾向け
1万1,908トン、前月比178%と急増。
ただし前年同月比40%と低水準が続く。
ベトナム向け
17万2,560トン、前月比124%、前年同月比78%。
最大市場の地位は維持するが、前年比では伸び悩み。
バングラデシュ向け
11万8,802トン、前月比1,457%と異例の急増。
前年同月比でも200%と突出した回復。
マレーシア向け
1,045トン、前月比98%、前年同月比112%。
規模は小さいが底堅い推移。
中国向け
3,172トン(1月ゼロから回復)。
ただし前年同月比では39%と低水準。
その他
1万1,474トン、前月比55%と減少。
________________________________________
■累計ベースの構造
1-2月累計では
・ベトナム:31万1,548トン(前年比84%)
・バングラデシュ:12万6,955トン(同125%)
の二極構造が鮮明。
一方で
・韓国(前年比92%)
・台湾(35%)
・中国(39%)
は弱含み。
________________________________________
■総括
2月はバングラデシュ向けの急回復を主因に数量が大幅反発。
年初に崩れた「南アジア主導構造」が再び強まった格好。
ただし累計では前年割れが続き、
・ベトナムの伸び悩み
・東アジア(韓国・台湾・中国)の低迷
が全体の重しとなっている。
構図としては
「ベトナム+バングラデシュの二軸回帰」

「東アジア需要の構造的縮小」
という分断がより鮮明になりつつあり、2026年前半はこの地域間格差が市場の主軸となる可能性が高い。

(表―3、グラフ―5)。
 


 

 

■数量構成比(1月→2月)
・韓国向け:22% → 11%(大幅低下)
・台湾向け:3% → 3%(横ばい)
・ベトナム向け:62% → 48%(低下)
・バングラデシュ向け:4% → 33%(急上昇)
・マレーシア向け:0% → 0%(横ばい)
・中国向け:0% → 1%(わずかに回復)
・その他:9% → 3%(低下)
1月に突出していたベトナム偏重(62%)は2月に緩和。一方でバングラデシュ向けが33%へ急拡大し、構成の主軸が大きく入れ替わった。韓国向けは半減し、東アジア比率は再び低下。
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■主要三か国の構成
韓国・ベトナム・バングラデシュの主要三か国合計は、
・1月:88%
・2月:92%
と再び上昇。
内訳では、
・ベトナム:62% → 48%(低下)
・バングラデシュ:4% → 33%(急伸)
・韓国:22% → 11%(低下)
となり、三極依存そのものは維持しつつも、構成の重心が
「ベトナム単極 → ベトナム+バングラデシュ二極」へ転換した形。
________________________________________
■総括
2月はバングラデシュ向けの急拡大により、1月のベトナム偏重構造が大きく修正された。
結果としてヘビー屑輸出は、
・単月ベースでは構成変動が極めて大きい
・ただし全体としては南アジア・インドシナ依存(約9割)が継続
という特徴を維持。
構造的には
「ベトナム軸+バングラデシュ変動軸」
という二層構造が2026年序盤の新たな特徴として浮上している。

(グラフ―6)。

 
■金額動向
2月単月は168億62百万円と、前月(105億86百万円)から大幅増加し、前月比159%。
前年同月比では95%と、前年水準をやや下回った。
主要仕向け地では、
・ベトナム向けが前月比125%と増加し再び主導
・バングラデシュ向けが同1,577%と急増し、全体押し上げの最大要因
となった。
一方で、
・韓国向けは前月比81%と減少
・その他向けも同50%と縮小
と東アジア・周辺向けは弱含み。
________________________________________
■累計動向
1-2月累計は274億48百万円、前年同期比89%と前年割れ。
内訳では、
・ベトナム:145億10百万円(前年比87%)
・バングラデシュ:60億04百万円(同126%)
と南アジア向けが全体の中核を維持。
一方、
・韓国(95%)
・台湾(35%)
・中国(41%)
は低調で、累計の下押し要因となっている。
________________________________________
■総括
2月はバングラデシュ向けの急拡大により金額が急反発。
1月の落ち込みを単月では取り戻す形となった。
ただし累計ではなお前年割れで、
・東アジア向けの回復遅れ
・ベトナムの伸び悩み
が構造的な重し。
結果として金額面でも
「ベトナム+バングラデシュ依存」
という構図が一段と強まりつつある。

(表―4、グラフ―7)。
 


 

■FOB単価動向(1月→2月)
全体平均は、1月47円/kg → 2月47円/kgと横ばい。
数量は大幅増加したが、平均単価は変化なく、価格面では安定推移となった。為替は円高基調にあるため、ドルベースでは実質やや強含み圏とみられる。
主要輸出先別(1月→2月)
• 韓国向け:47円 → 47円(横ばい)
• 台湾向け:44円 → 44円(横ばい)
• ベトナム向け:46円 → 47円(小幅上昇)
• バングラデシュ向け:44円 → 48円(上昇)
• マレーシア向け:65円 → 65円(横ばい)
• 中国向け:1月実績なし → 48円(新規発生)
________________________________________
■総括
2月は数量急増局面においても単価は全体として横ばいを維持し、需給逼迫による価格上昇は限定的にとどまった。
ベトナム向けは小幅上昇、バングラデシュ向けは単価・数量ともに回復し、市場の主導権が再び南アジア・東南アジア側に戻る動きが鮮明。
一方で韓国・台湾向けは横ばい圏にとどまり、東アジア市場は価格面でも方向感を欠く状況。
総じて、
「数量は拡大・価格は据え置き」
という典型的な需要回復初期の局面にあり、今後は数量増加が価格へ波及するかが焦点となる。

国際価格も強含みの推移となってきている。

(グラフ―8)。



鉄スクラップ(HMS 1&2 (80:20), cfr Vietnam) 1年

鉄スクラップ(HMS 1&2 (75:25 mix) import,cfr delivered Turkish port)

バングラデシュ鉄スクラップ(HMS 1&2 80:20 deep-sea origin,cfr)

主要税関数量・FOB(JPY/Kg)実績 (   )内は前月実績

主要国別税関別数量・FOB(JPY/Kg)実績  (   )内は前月実績)


■今後の展望(ヘビー屑輸出)
足元のヘビー屑輸出は、需給主導というよりも「コスト主導」で押し上げられる局面にある。中東情勢の緊迫化に伴う燃料価格の急騰と海上運賃の上昇が、スクラップ価格に直接転嫁される構造が鮮明となっている。
とりわけ、イランからの鉄鋼半製品(ビレット)の供給停滞は、アジア市場の需給構造を大きく変化させる可能性がある。代替原料としてのスクラップ需要が高まり、ベトナムを中心に日本産スクラップへの依存が一段と強まる公算が大きい。
一方で、国内では建設需要の歴史的低迷と電炉生産の縮小が続いており、本来の実需は弱い。このため現在の相場は「内需低迷・外需主導」という歪んだ構造の上に成り立っている点に注意が必要である。
今後の焦点は明確で、
・中東情勢の長期化 → 運賃高止まり+代替需要増 → 価格上昇継続
・早期沈静化 → コスト要因剥落 → 相場調整
という二極シナリオに収斂する。
総じて、ヘビー屑輸出は
「コストプッシュ型上昇+アジア代替需要」
に支えられた強基調が当面続く可能性が高いが、その持続性は地政学リスクに強く依存する不安定な上昇局面にある。


(IRUNIVERSE S. Aoyama)
 

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