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【SUSscrap】韓国ポスコ、5月積みステンレススクラップ購入価格を引き上げ —— ニッケル相場の高騰と製錬コストの構造的上昇も遠因

2026/04/29 08:39
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【SUSscrap】韓国ポスコ、5月積みステンレススクラップ購入価格を引き上げ —— ニッケル相場の高騰と製錬コストの構造的上昇も遠因

 韓国ポスコ(POSCO)は4月28日、5月積みとなる国内向けステンレススクラップの購入価格を改定し、サプライヤー各社への通知を実施した。主力となる304系スクラップの購入価格は、前月比でキロ当たり70ウォン引き上げられ1,990ウォンに、直納価格についても同70ウォン高の2,020ウォンに設定された。4月28日時点の為替レートで換算すると、それぞれキロ当たり約211円、約219円となり、現在の日本国内市場とほぼ同水準の価格帯を形成している。

(国内304系スクラップと為替円ドルTTS相場の推移)

 

(POSCO社のSUSscrap購入価格の推移)(won/kg)

POSCO304316400
2025年1月1,7803,400ー
W▼10▼90ー
1円=9.25won192円367円ー
100W=10.80円▼1円 ー
2025年2月1,790ーー
W△10ーー
1円=9.20won194円ーー
100W=10.86円△2円 ー
2025年3月1,7803,380ー
W▼10▼20ー
1円=9.58won185円352円ー
100W=10.43円▼9円▼15円ー
2025年4月1,8503,450ー
W△70△70ー
1円=9.73won190円354円ー
100W=10.27円△5円△2円ー
2025年5月1,8053,410ー
W▼40▼40ー
1円=10.05won180円339円ー
100W=9.94円▼10円▼15円ー
2025年6月1,7653,340ー
W▼40▼70ー
1円=9.51won185円351円ー
100W=10.51円△5円△12円ー
2025年7月1,7153,320ー
W▼50▼20ー
1円=9.35won183円354円ー
100W=10.69円▼2円△3円ー
2025年8月1,7303,400ー
W△15△80ー
1円=9.29won186円365円ー
100W=10.76円△3円△11円ー
2025年9月1,7503,500ー
W△20△100ー
1円=9.45won186円370円ー
100W=10.58円ー△5円ー
2025年10月1,7853,570ー
W△35△70ー
1円=9.43won189円379円ー
100W=10.59円△3円△9円ー
2025年11月1,8203,610ー
W△35△40ー
1円=9.29won195円388円ー
100W=10.75円△6円△9円ー
2025年12月1,8103,510ー
W▼10▼100ー
1円=9.33won194円376円ー
100W=10.71円▼1円▼12円ー
2026年1月1,7903,500ー
W▼10▼10ー
1円=9.16won195円382円ー
100W=10.91円△1円△6ー
2026年2月1,8703,620ー
W△80ーー
1円=9.41won198円390円ー
100W=10.61円△3円ーー
2026年3月1,8553,680ー
W▼15ーー
1円=9.24won200円398円ー
100W=10.82円△2円△8円ー
2026年4月1,8803,800ー
W△25△120ー
1円=9.42won199円403円ー
100W=10.61円▼1円△5円ー
2026年5月1,9503,900ー
W△70△100ー
1円=9.22won211円422円ー
100W=10.84円△12円△19円ー

 

 為替円ドルSUS304 scrapSUS430 scrapLMEニッケル相場 (月平均)$/トンLMEニッケル在庫 (月末トン)ASIA SABOT ($/トンCIF)韓国国内価格304(Won/kg)
 (TTS)メーカー炉前ベース(円/㎏)メーカー炉前ベース(円/㎏)
2025年1月157.54185~19065~7715,378172,3021300→12701780
2月153.02180~18562~7515,274194,9641250~12801790
3月150.25180~18560~7316,054198,7201270~13001780
4月145.49175~18060~7315,209202,4701250~12801850
5月145.75165~17060~6815,324199,3801250~12701805
6月145.54165~17060~6514,989204,0061230~12501765
7月147.74175~18560~6515,023208,6921240~12601715
8月148.71180~19062~6714,909209,5441230~12501730
9月148.99185~19563~7015,102231,3121240~12601750
10月152.18185~19565~7215,079252,1021240~12601785
11月156.2180~19565~7214,689254,7601200~12301820
12月156.95180~19065~7214,878255,1621050~1150 1810
2026年1月157.78185~19565~7217,844285,5521150~12501790
2月156.13185~19565~7217,132286,2341150~12501870
3月159.68190~20065~7217,093282,2401150~12501855
4月160.28195~20565~7417,698277,5181250~13501880
5月      1950

(26年4月は28日現在までの数値および平均値)

今回の強気な価格設定の背景には、複合的な要因によるニッケル市場全体の押し上げ効果が存在する。最大の要因は、LME(ロンドン金属取引所)ニッケル相場およびニッケル銑鉄(NPI)相場の力強い上昇基調である。

さらに、原材料のサプライチェーンに内在する構造的な供給制約と、製錬プロセスのボトルネックが相場を強力に下支えしている。具体的には、以下の要因がニッケルの生産コストを直接的に押し上げている。

  1. 副資材(硫黄・硫酸)の供給不安と価格高騰:

    中国による硫黄および硫酸の供給抑制、あるいは停止という事態に加え、地政学的な「ホルムズ・ショック」が重なり、硫酸価格が世界的に急騰している。

  2. 製錬プロセスにおける高い依存度:

    ニッケル中間製品である「ニッケルマット」の製造工程には硫黄が不可欠であり、また、低品位ニッケル鉱石から精錬する際の主要プロセスである「HPAL(高圧硫酸浸出法)」においては、膨大な量の硫酸を消費する。これら副資材のコスト急騰は、ニッケル精製コストの直接的な上昇に直結している。

  3. インドネシアの資源ナショナリズム:

    世界最大の生産国であるインドネシア政府による厳格な供給管理体制(RABU承認の遅延等)が継続しており、原料供給のタイト感が意識されている。

これらのマクロ環境や技術的要因を背景に、ニッケル相場は再びトン当たり2万ドルの心理的節目を突破する勢いを見せている。「バージンメタル(ニッケル)相場の上昇に連動して、代替原料であるスクラップ価格も追随する」という、市場における伝統的かつ強固なセオリーが、今回のポスコによる価格改定においても明確に実証される形となった。

今後、ステンレスメーカー各社の調達戦略においては、LME相場のみならず、製錬に不可欠な硫黄・硫酸の需給バランスや、HPAL等の技術動向を多角的に分析することが極めて重要となる。

(IRUNIVERSE YT)

YT

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