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【貿易統計/日本】 2026年2月のフェロチタン輸入統計
鉄鋼生産概況月次:一般社団法人日本鉄鋼連盟 (jisf.or.jp)
為替相場推移 TTS 3か月
(詳細分析)
■数量では、2月単月は507トンと前月(355トン)から増加し、前月比143%、前年同月比126%と回復が一段と鮮明となった。年初からの持ち直しは継続しているが、基調としてはなお振れの大きい推移となっている。
輸入先別では、
英国は280トンと前月(220トン)から増加し、前月比127%と続伸。ただし前年同月比では82%にとどまり、主力供給源としての回復は限定的な側面も残る。
一方、「その他」は227トンと前月(135トン)から大幅増加し、前月比168%、前年同月比372%と急伸。全体数量の押し上げ要因となり、供給構造の分散が再び進行した。
総じて2月は、英国の安定増に加え、「その他」の急拡大によって輸入数量は明確な回復局面に入った。ただしこの動きは、実需の強さというよりも調達タイミングの集中やスポット的な流入の影響を強く含む可能性がある。
というのも、日本鉄鋼連盟の月次統計では、2026年2月の粗鋼生産は前月比5.3%減、熱延鋼材も前年比減少が継続しており、鉄鋼需要自体は力強さを欠く状況にある (jisf.or.jp)。さらに国内鋼材需要も年間ベースで「前年並みの低水準」にとどまる見通しであり、構造的に需要拡大局面にはない。
このため、フェロチタン輸入の増加は、
• 在庫補充
• スポット調達の集中
• 調達先分散の過程
といった供給側要因・調達行動の変化による押し上げの色彩が強いとみられる。
したがって現局面は、
「鉄鋼需要は弱いが、輸入は一時的に膨らむ」
というミスマッチを伴う回復局面と整理するのが妥当であり、持続性については慎重に見極める必要がある。
(表―1、グラフ―1)。


■金額では、2月単月は2億58百万円と前月(1億96百万円)から増加し、前月比131%と続伸した。一方で前年同月比は87%と、依然として前年水準には届かないものの、減少幅は縮小している。
内訳では、
英国は1億43百万円と前月(1億18百万円)から増加し、前月比122%と堅調。ただし前年同月比では57%にとどまり、主力供給源としての回復はなお途上にある。
一方、「その他」は1億14百万円と前月(79百万円)から増加し、前月比145%、前年同月比241%と大幅伸長。数量同様、金額面でも全体の押し上げ要因となった。
累計では、1-2月合計は4億54百万円となり、前年同期比73%と減少している。内訳を見ると、英国は2億61百万円で同49%と大幅減となり、全体の押し下げ要因。一方で「その他」は1億93百万円で同240%と大幅増となり、減少分の一部を補っている。
総じて、累計ベースではなお前年割れが続くものの、構造的には英国依存の低下と「その他」拡大による分散化の進行が鮮明。単月では回復の兆しが見られる一方、累計ではまだ調整局面の延長線上にあり、回復の持続性は今後の動向を見極める必要がある。
(表―2、グラフ―2)。


■輸入CIF単価は、全体平均で1月キロ553円から2月509円へ低下し、前月の上昇から一転して反落した。2月は為替がやや円高方向に振れたこともあり、円建て単価の押し下げ要因となった。ただし下げ幅からみて、為替要因に加えドル建てベースでも調整が入った可能性が高い。
内訳では、
英国は535円→512円へ低下し、前月に続き弱含み。
一方、「その他」は583円→504円へ大幅低下しており、全体単価の押し下げに大きく寄与した。前月は「その他」の高単価案件が平均を押し上げていたが、その反動減が顕著に表れた格好。
結果として2月は、為替の円高シフト+ミックス要因の剥落(高単価案件の減少)が重なり、全体平均は明確に下向きへ転じた。したがって今回の下落は、市況の基調的な崩れというよりも、一時的な価格調整と調達構成の変化による側面が強いと整理できる。

フェロチタン(Ti 70% EU USD/Kg)1年
主要税関別数量・CIF実績 ( )内は前月実績
■今後の展望
英国依存からの分散化は引き続き進行し、「英国+その他」からさらに調達先の多極化が進む構図は変わらない。一方で「その他」に含まれるスポット案件の比重が高まることで、月次の数量・単価ともに振れの大きい不安定な構造は継続する見通し。
数量面では、国内鉄鋼需要の力強さはなお限定的ながら、在庫調整や調達タイミングの偏りにより、スポット主導の回復局面が断続的に発生する可能性が高い。ただしトレンドとしての増勢には乏しく、上下動を伴う展開が基本線となる。
価格面では、基調としての円安環境が輸入単価を下支えする構図にあり、2月の円高による押し下げは一時的なノイズと位置付けられる。したがって今後は、為替要因による下押し余地は限定的で、むしろ高止まり〜じり高方向のバイアスがかかりやすい。一方で、仕入れ構成(英国 vs その他)やスポット高単価案件の有無によって、単月では振れが大きくなる点には留意が必要。
総じて、
• 構造:調達先分散の進行(多極化)
• 数量:スポット主導で上下動を伴う横ばい圏
• 価格:円安基調を背景に高止まり〜緩やかな上昇バイアス
という整理となり、「不安定ながらも下値は切り上がりやすい相場」として捉えるのが妥当だろう。
(IRUNIVERSE S. Aoyama)