Loading...

大阪製鐵:26/3期決算を発表。27/3期は減収予想ながら黒字化目指す

2026/05/12 17:02
文字サイズ
大阪製鐵:26/3期決算を発表。27/3期は減収予想ながら黒字化目指す

 5月12日15時半、大阪製鐵は26/3期の決算発表を発表。続く27/3期は減収予想ながら、各利益の黒字化目指す。後日開催予定の説明会後に再度報告する。

 

<25年度実績>

〇環境

 主要需要先である建設業界の鉄鋼需要は、昨年に引き続き、資機材価格の上昇や人手不足影響による工期の遅れや長期化が続き、低迷した。コスト面も主原料であるスクラップ価格の年度後半における上昇や電力費及び物流費の負担が増加するなど、厳しい事業環境が継続した。

 このような環境の下、ユーザーの理解を得ながら適正なマージンの確保を最優先課題として取り組むとともに、自助努力による徹底的なコスト改善や拡販施策を進めてきた。現場活動を中心とした地道な歩留・原単位の改善を継続するとともに、本年2月には、堺工場の省エネ・省CO2型電気炉の稼働を開始させるなど、各拠点において計画に沿った設備投資を実行してきた。

 これらの施策と並行し、サステナビリティ課題への取り組みも推進している。人的資本強化として従業員給与水準の引き上げの継続や働き方の柔軟性を向上させる制度の導入など従業員エンゲージメント向上に取り組むとともに、大阪製鐵グループ人権方針の策定を行った。環境面においては、西日本熊本工場に自家用太陽光発電設備の導入や気候変動対応の指標としているCDPスコアについてB-からBへスコアアップするなど、2050年度カーボンニュートラルに向けた取り組みも着実に実行している。

 また、昨年1月に策定した「大阪製鐵グループ中期経営計画」における資本効率化対策の一環として、昨年4月に自己株式9,000,000株を22,050百万円にて取得した。

 なお、インドネシア事業は、25年初頭にインドネシア政府がインフラ向け予算を大幅に削減したことに伴い鉄鋼需要が急激に低迷し、販売数量が大幅に減少するとともに、競争激化によりマージンが縮小したこと等により、構造的なFCFのマイナスが継続する状況となったことから、PT.KRAKATAU OSAKA STEEL(KOS)の事業継続性を総合的に検討した結果、本年1月にKOSの事業を停止することを決定し、本日開催の取締役会においてKOSを解散する方針を決定した(こちらを参照)。

 

〇業績

 同社グループにおける鋼材売上数量は91.3万トン(前期実績104.7万トン)、売上高は950億円(前期実績1,164億円)、経常利益は0.3億円(同49.1億円)となった。また、KOSの解散に伴う事業撤退損失▲199.9億を特別損失として計上した結果、当期損失は▲209.3億円(同32.2億円)となった。

 また、同社子会社であるKOSの占める鋼材売上数量は20.6万トン(同28.1万トン)、売上高は165億円(同253億円)、経常損失は▲29.9億円(同▲12.1億円)、当期損失は▲30.7億円(同▲13.2億円)となった。

 

図表1、26/3期業実績(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

 なお、経常利益の増減要因は以下の通り

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

〇配当について

 業績に応じて適切に株主へ利益を還元していくことを基本とし、中長期的な成長・戦略投資などに必要な資金を留保しつつ、事業環境や業績動向、財政状況を勘案しながら、適切な水準の株主還元を実施していく方針。

 具体的な指標としては、配当性向30%程度を目安。この方針のもと、当期末の剰余金の配当については、当期の業績等を総合的に勘案した結果、予定どおり無配とする。なお、25年9月30日を基準日とした配当も無配としたため、年間配当も無配となる。

 また、次期の配当については、需要環境や調達環境等の先行きが不透明な状況にあることから、今後の業績動向を見極めつつ検討することとし、未定。

 

<26年度見通し>

〇環境

 今後の国内経済の見通しは、設備投資や賃上げによる個人消費の回復等に支えられ、持ち直しが期待されるが、一方で米国の通商政策や極めて不安定化した中東情勢の影響により世界経済が下振れするリスクがあり、先行き不透明な状況が継続すると想定される。

 同社の経営環境については、建設向け鋼材需要には大幅な回復は望めず、コスト面においても、諸資材等は物価高等の影響を受け値上げが見込まれ、経営環境は更に厳しさを増していくものと想定される。

 

〇業績見通し

 このような環境の下、引き続きコスト上昇も踏まえた適正マージンの確保に取り組みつつ、「大阪製鐵グループ中期経営計画」の諸施策の推進に鋭意努力していく。最終年度となる27年度において、売上高1,250億円、経常利益95億円、ROE5%程度の達成に向け、商品競争力・納期対応力の発揮、国内4拠点の有機的な連携、省エネ・省CO2型電気炉稼働による製鋼〜圧延〜出荷一貫の体質強化の収益改善策を実行し、加えて資本効率化対策も継続して検討していく。特に26年2月に稼働開始した、堺省エネ・省CO2型電気炉の効果を最大限発揮し、全社を挙げて取り組みを推進していく。売上高 950億円、経常利益25億円を見込む。

 

図表2、27/3期業見通し(百万円、円/ドル、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

<参考>

図表3四半期別業績推移(百万円、千トン、円/キロ、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

 

(IRuniverse 井上 康)

井上 康

関連カテゴリ

関連記事

新着記事

ランキング