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共英製鋼:経営戦略説明会を開催(後半)

2026/05/13 15:43
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共英製鋼:経営戦略説明会を開催(後半)

 5月13日に開催した共英製鋼は経営戦略説明会の続き。説明に使われた資料はこちら。中計の進捗については菅副社長が説明を行った。

 

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<具体的施策>

〇海外鉄鋼事業(同21P)

 グループ製品出荷量400万トン体制の構築に向けて、海外事業全体で、今年度は220万トンを目指している。

 ベトナムは、VIS社の新圧延工場稼働が順調にスタートして、政策転換による需要が回復する中、成長の果実を得るフェーズへ移行している。

 北米は、現地中計の方針のもと、重点的に投資を進めており、特に米国の大規模投資の完遂が最重要テーマ。また、カナダは、安定した事業環境のもと、収益構造改革にも取り組んでいる。

●ベトナムの事業環境(同22P)

 政府主導の下、経済成長を重視した政策が実行されており、左下のグラフの通り、GDP成長率も8%を超える水準で推移をしている。鋼材の需要も、政府のインフラ投資や民間プロジェクトを中心に堅調に推移をしている。

 需給についても、大手メーカーを筆頭に他社も値上げを打ち出しており、上昇基調にある。また、今年1月、共産党の5ヵ年計画においても、引き続き経済成長路線を維持する方針が示され、今後もこの需要は底堅く推移する見通し。

 しかしながら、中東情勢の影響により、今期下期にかけて電力や諸資材のコスト上昇が懸念される。したがって、同社のベトナム各社においても、後ほど示すが、上期対比では下期利益がやや縮小する計画としている。それでも、通期を通しては前年度の1.7倍程度の利益計画としている。

・ベトナム南部のVKS社(同23P)

 左側の棒グラフにあるように、需要が堅調なプロジェクト向けや輸出の割合を増やすことで出荷量を確保。フル生産の90万トンに近い82万トン、通期営業利益41億円となる見通し。また、ベトナムの電炉工場で初めてスクラップのAI検収設備を導入し、この4月から稼働開始したところ。

・ベトナム北部(同24P)

 北部においては、政府主導の公共投資、工場建設などのプロジェクト、またハウジングにしても非常に需要が強く、2社とも在庫が逼迫している状況が続いている。

 KSVC社:旺盛な需要を確実に補足することで、過去最高を更新した前期を超える水準の出荷量と、利益とを見込む。

 VIS社:北部の主要プロジェクトをほぼすべて抑えるほか、好調なハウジング市場にも参入して、出荷量は前年比46%増の57万トンを見込む。

 資料の25ページの写真で示しているように同グループでは北部に3つの工場を有している。これらの連携を強化することで、北部市場の旺盛な需要の取りこぼしを防ぐとともに、生産効率の向上を図っていく方針。

 具体的な取り組みとしては、KSVCブランドで販売する鉄筋をVISのフンエン工場で製造することで、グループ一体での生産体制を強化していく。また、新設したVISハイフン工場も順調に稼働しており、26年度は30万トン強の生産、そして27年度には50万トンのフル生産体制到達を見込んでいる。

●米国(テキサス州)の事業環境(同26P)

 米国拠点が位置するテキサス州の商業建設支出は、25年時点で年間約900億ドル規模、全米で最大水準であり、他州を大きく凌駕している状況にある。需要の主要分野としては、エネルギー・電力関係やデータセンター、さらには半導体工場などの大型プロジェクトがテキサス州に集積している状況。また、鉄鋼・アルミの輸入品に対して50%の関税が課せられていることから、資料右下のグラフで示している通り、ビントン社の出荷単価も上昇しており、スプレッドも拡大傾向にある。

 そのようなあの環境下、ビントン社の状況は、需要が非常に旺盛な中、設備の老朽化によりその需要を十分に補足できていない状況にあるが、右上のグラフの通り、収益状況は改善しつつある。

 今年度においては、日本人技術者の指導のもと、現行の老朽化した工場をしっかりと動かして、旺盛な需要をできる限り多く取り組むことを目標としている。

 また、500億円規模の大型設備投資を予定通り進めていくことを最重要テーマとして取り組んでいく。

 設備投資計画については、資料17ページの通りだが、27年10月に一貫ラインの稼働を開始し、28年度に商業生産を本格化し、さらには29年度に33万トンのフル生産到達を見込んでいる。

 最後にカナダ、アルタスチール社(同28P)。事業環境は、インフラ需要も多く、堅調に推移している。また、米国関税に対する報復関税により、米国からの鉄筋の輸入が抑えられ、プラスに影響している。

 一方、鉱山向け製品は、東南アジアからの安価な輸入品の流入により、出荷量は減少傾向にある。

 このような中、エキストラ価格付きの細物鉄筋をテコに、鉄筋メインの製品ミックスにより、高水準の利益を維持すべく、収益構造の転換を図っていく。

 

〇環境リサイクル事業(同29P)

 医療廃棄物処理において、競合先との価格競争が続いていることに加えて、排出元のリサイクル意識の変化により廃棄物の受託量そのものが減少しているという厳しい環境にある。

 そのような環境下においてアスペスト、フロンの破壊処理など、同社が得意としている単価の高い難処理廃棄物の処理を引き続き強化していく。

 右上のグラフの通り、フロン等の破壊量は順調に増加をしている。また、エシカルスチールを軸として、鋼材販売部門と連携した営業活動を展開することで新たな顧客からの獲得を目指していく。

 さらには鹿島建設様との協業により、有害物質が付着した金属廃棄物の受け入れを強化し、収益力の向上を図っていく。

 

<成長を支える基盤強化の取り組み>

〇無形資産投資(同31P)

 中計2年目は、こちらのある通り、エンゲージメント向上を図るため各種取り組みを進め、相応の成果があったと評価をしている。

 エシカルスチールのCM放映については、同社の創業の精神や経営理念の改めて共感など、インナーブランディングとしての機能も発揮したと考えている。

 また、左下記載の通り、日本組織内弁護士協会JILAのこの表彰制度、JILAアワードにおいて、ガーディアン機能賞を受賞した。これは、法務部門がただ単に規制側そして取り締まる側としてのとして振る舞うのではなく、知識と共感をコンセプトに、コンプライアンスについて組織文化を醸成する取り組みを行ったことが評価をされ、受賞に至ったもの。

 

〇「100年企業」を目指したESG経営

 資料の32ページを参照

 

〇非財務KPI(同33P)

 24年度のCO2排出量は41万トントン、着実に削減をしている。右下の表の通り、女性総合職及び管理職比率についても、すでに中計目標をクリアしている。

 

〇経営基盤の強化(同34P)

 計画通り進捗中。エンジニア力の強化について、日本人スタッフによる米国の老朽化設備の技術指導や、進めている新設工場建設に関する支援を実施している。

 また、DX推進については、AI技術によるクラップ検収システムの実用化や、電子ミルシート「Mill-Box」の導入を図り、人手不足への対応を進めている。

 

〇資本コストと株価を意識した経営の実現(同35P)

 同社の現在のPBRは、まだ1倍追われており、その改善が重要であると認識をしている。PBRが低水準で推移している理由については、日本の鉄鋼事業全体としてPBRが低いことに加えて、海外鉄鋼事業は足元回復基調にあるものの、国内鉄鋼事業の業績が低調に推移していることも理由かと思われる。しかしながら、ベトナムや北米への事業展開といった世界三極体制こそが同業他社にはない同社の最大の強みであり、成長ドライバーであると認識をしている。

 今後も、海外での成長ストーリーをしっかりと伝え、期待値の向上を図ることでPBRの改善に取り組んでいきたいと考えている。

 

<配当・配当性向の推移>(同36P)

 25年度は、配当方針である配当性向30-35%を超える水準となったが、総合的に判断をし、90円配当とした。

 26年度は、先に示した業績予想に鑑み、年間配当1株当たり70円を予想。配当性向は33.8%。

 

 

(IRuniverse 井上 康)

井上 康

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