5月14日10時、東海カーボンは前日16時半に発表した26/12期1Q決算を受けて説明会を開催した。説明会に使われた資料はこちら。
<26/12期1Q実績>
〇1Q概要
・売上高:817億円(前年同期比1.7%増収)。ファインカーボンセグメントでのメモリー半導体向け需要の回復や、スメルティング&ライニングセグメントでのライセンス収入の計上が主な増収要因。
・営業利益:63億円(同8.9%減益)。黒鉛電極事業の構造改革効果などはあったが、カーボンブラック新工場稼働に伴う減価償却費の増加や、パワー半導体向け製品の需要低迷などが響いた。
・EBITDA:前期比5.6%増益に転じ、EBITDAマージンは18.8%に上昇した。
・フリーキャッシュフロー:大型設備投資が一巡したため、前年同期比で62億円改善し、27億円の収入超過となった。
・財務面:純有利子負債はわずかに増加したものの、ネットD/Eレシオは0.21倍を維持し、健全な財務状態を保っている。
図表1、26/12期1Q実績(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇セグメント別
・カーボンブラック:0.5%減収、28.4%減益。タイヤメーカーの生産調整による販売数量の減少と、新工場稼働による固定費増加により減収減益となった。
・ファインカーボン:13.6%増収、19.8%減益。メモリー半導体向けフォーカスリングは好調で増収となったが、前期にあったSiCパワー半導体向けの受注残がなくなったことなどで減益となった。
・スメルティング&ライニング:9.5%増収、営業利益は約5億円改善し6億5,800万円の黒字。次世代カソード製品のライセンス収入が寄与した。また、中東情勢を背景にカソードの需要が急増しており、顧客支援のためフル生産体制へ移行する。
・黒鉛電極:16.4%減収、営業利益は約10億円改善し2億5,000万円の黒字。市況の低迷やドイツ子会社の売却により減収となったが、国内生産の集約や赤字拠点売却といった構造改革の効果により、営業黒字を達成した。
・工業炉及び関連製品:11.1%減収、30.5%減益。リチウムイオンバッテリー設備投資の停滞や、大型案件の仕様変更に伴う工事費計上などにより減収減益となった。
<26/12期通期見通し>
事業環境の好転(半導体市況の回復、中東でのカソード特需など)を踏まえ、26/12期の通期業績予想を全体的に上方修正した。
・売上高:期初予想から230億円上方修正し、3,700億円(同14.6%増収)を見込む。
・営業利益:従来予想から20億円上方修正し、280億円(同8.3%増益)を見込む。
・当期理経:120億円に上方修正した。
図表2、26/12期業績見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
<株主還元の強化と資本政策>
業績見通しの改善と、長年の課題であった黒鉛電極事業の黒字化、スメルティング&ライニング事業の特需といった環境変化を機に、PBR1倍超の実現に向けた株主還元強化を打ち出した。
・配当の増額: 当中間期から配当予想を上方修正。
・自己株式の取得: 政策保有株式の売却を加速させ、その売却益を自己株式取得に振り向ける。
・ROEの向上: 今後は投下資本に対する収益性も重視し、効率的な稼ぐ力(ROE)の向上を目指す。
<参考>
図表3、四半期別業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康)