5月27日15時15分、大阪チタニウムテクノロジーズは14日発表した26/3期の決算及び中期経営計画 「OTC2030」について説明会を開催した。説明に使われた資料はこちら。説明は川福社長が行った。
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<25年度実績>

〇実績
民間航空機サプライチェーンは成長軌道へ移行しているものの、足元ではサプライチェーン内での在庫調整が一時的に発生した。また、一般産業向けも中国経済減速による在庫調整の影響を受け低調に推移した。
●業績
売上高469億円(前年同期比50億円減)、営業利益55億円(同46億円減)、経常利益64億円(同27億円減)、当期利益25億円(同46億円減)となった。
●チタン事業
輸出向け売上高は前年同期比1.5%増加したが、国内向けは42.8%減少した。価格フォーミュラに適用しているチタン鉱石のインデックス価格下落などによる販売価格の見直しや数量減の影響により、営業利益は前年同期比48.1%減(46億円)となった。
●高機能材料事業
半導体関連の調整局面が継続し、前年度にあったスポット受注がなくなった影響などから、売上高は前年同期比2.5%減(65億円)、営業利益は同22.8%減(9億円)となった。
<26年度見通し>
航空機向けスポンジチタンの在庫調整は26年度いっぱいまで継続し、27年度から本来の需要に戻ると見込む。
●業績見通し
売上高480億円(同11億円増)、営業利益34億円(同21億円減)、経常利益30億円(同34億円減)、当期利益18億円(同7億円減)を想定(前提為替レート:1ドル150円)。
●チタン事業
航空機向け・一般産業向けともに在庫調整が継続し、輸出向けの販売価格低下やインフレ・人件費増加を見込み、売上高410億円(前年比6億円増)、営業利益24億円(同22億円減)を見込む。スポンジチタン工場の稼働率は前年度に引き続き約8割を維持。
●高機能材料事業
半導体市場の本格的な需要回復は27年以降と推測だが、高品質戦略製品によるシェア拡大などに努め、売上高70億円(前年比5億円増)、営業利益10億円(同1億円増)を見込む。
●配当
25年度は業績上振れを勘案し年間18円。26年度は現在の業績見通しに基づき、中間配当を見送り期末配当13円(年間13円)を予想。
<中期経営計画「OTC 2030」>
26〜28年度を「種まき期間」、29年度以降を「収穫期間」と位置づけ、30年度に売上高1,000億円、営業利益率(ROS)20%、自己資本利益率(ROE)20%を達成し、時価総額1,500億円の評価を得ることを目指す。なお、ROS20%は過去にも経験があり、決して難しい数値ではない。
〇事業戦略
●チタン事業の持続的成長
日本政府の支援も受け、28年度にスポンジチタン新工場を稼働させ、生産能力を年産4万トンから5万トンに増強。グローバルリーダーの地位を盤石にし、30年度にチタン事業単体で売上高850億円、ROS20%の達成を目指す。
●事業ポートフォリオの変革
航空機産業への依存度を改善するため、基幹事業の収益を高機能材料事業へ重点的に投入する。半導体向け高純度チタンや航空分野向け合金TILOP、電池材料(SiO負極材)などの育成事業の早期収益化を図り、30年度に高機能材料事業で売上高150億円、ROS30%以上の達成を目指す。
〇サステナビリティ戦略
●GXの推進
コークス代替技術等による製造プロセスの脱炭素化(CO2削減量13年度比46%減目標)、航空機の燃費向上への貢献、コア技術を応用したリサイクル事業などの環境分野での事業創出を進める。
●人的資本経営の推進
「採用・育成・活躍」を三位一体で進め、次世代の経営人材を計画的に確保するとともに、従業員のエンゲージメントスコア向上を図る。
●DXの推進
全社データの一元管理(ワンストップ型)によるスマートファクトリー化や、業務プロセス改革による労働生産性10%向上を目指す。
〇財務戦略
●キャッシュアロケーション
前半の「種まき期間」にチタン増産のための投資(350億円等)や230億円の資金調達(具体的な手法は未定)を実施する。新工場が本格稼働する「収穫期間」には営業キャッシュフローを約2倍に増加させ、創出した資金で有利子負債の縮減や株主還元の拡充(年間30億円から開始)を行う。
●資本コストや株価を意識した経営
スポンジチタンの販売価格の適正化や増産投資の価格への反映などによりROE/ROICを改善(20%目標)する。また、ESGマテリアリティの実現により株主資本コストを低減させ、将来性重視の開発投資により期待成長率を向上させることで、高いPBRの安定的な維持・向上を目指す。
※高機能材料事業において30年度にROS(営業利益率)30%以上について
〇既存事業の収益力強化
すでに単体でROS20%を超えている製品群もある既存事業に対して、営業力の強化や生産性の向上にリソースを投入し、より高収益な体制を目指す。
●高純度チタン(半導体向け)・・・既にROS30以上を達成(IRU推測)
戦略製品を武器とした更なる高品質化を進め、売上とシェアを拡大。
●高純度四塩化チタン(MLCC:積層セラミックコンデンサー向け)・・・25年度よりチタン事業から高機能材料事業になったため、ROSの詳細は不明だが、利益が出ている模様。
高い品質と供給能力を強みに需要を着実に捕捉し、生産性向上による拡販を通じて最大シェアの獲得を目指す。
●純チタン粉末(TILOP)・・・安定的な黒字化が課題か(IRU推測)
既存の収益基盤として、引き続き拡販に努める。
〇育成事業の早期収益化(開発の加速)
半導体分野・環境分野・航空宇宙分野といった成長市場につながる育成事業に対して、全社の開発リソースを重点的に集中投入し、早期の収益化を図る。
●チタン合金粉末(合金TILOP)・・・安定的な黒字化が課題か(IRU推測)。
競争が激化している医療分野ではなく、高付加価値市場である航空・宇宙・防衛分野へ参入。基幹のチタン事業で培ったノウハウや品質プレゼンスを活かし、安定需要の獲得と拡販を進める。
●電池材料(SiO負極材)・・・水面下とIRU推測
リチウムイオン電池などに向けたSiO負極材の商業生産体制の確立を急ぐ。
●新規事業の創出・・・研究開発はコスト(人件費)がかかるため、量産化されるまで赤字。
新事業共創プロジェクト(teotl)などによるオープンイノベーションを推進し、さらなる新規事業の創出と育成(萌芽)に継続して取り組む。
(IRuniverse 井上 康)