実証の全体フロー(三菱総合研究所作成)
~業界横断で消費者受容性・品質・コストを統合検証し、資源循環の構造転換を実証~
協栄産業株式会社(本社:栃木県小山市 代表取締役会長兼社長 古澤栄一)は、6月1日(月)、経済産業省の令和8年度「資源自律経済確立産官学連携加速化事業費(プラスチック容器包装における再生材の利用拡大に向けた実証事業)」に参画すると発表した。同事業では、プラスチック容器包装における再生材利用拡大を阻む構造的課題に対し、業界横断で消費者受容性・品質評価・コスト構造を統合的に検証する。これにより、資源循環の高度化および産業構造転換に資する実装可能な知見の創出を目指す。
1.背景
同社は、1985年の設立以来「分ければ資源、混ぜればゴミ」を理念に掲げ、街から湧き出る使用済みペットボトルを「都市から湧き出る油田=都市油田」と捉え新たな資源として再生してきた。
2011年には使用済みペットボトルを再び新たなペットボトルに生まれ変わらせる、メカニカルリサイクルによる「ボトルtoボトル」技術を日本で初めて確立。独自の技術でバージン材と同等の100%使用済みペットボトルから作られた高品質樹脂「MR-PET®」を製造。国内資源循環の輪の確立によって、持続可能な社会の実現を目指している。
国内のプラスチック需要で大きな割合を占めるプラスチック容器包装は、飲料用PETボトルなどで回収・リサイクルの取り組みが進展している。一方で、再生材の利用は一部製品にとどまり、広く標準的に活用される段階には至っていない。
その背景には、マテリアルリサイクル品は石化由来のバージン材と比較して色調や異物感、物性のばらつきなどが生じやすいという素材特性に加え、品質水準への対応、原料価格の高止まりや製造コストの増加など、再生材利用拡大を難しくする構造的な課題が存在している。また、需要側である消費者の受容水準が十分に可視化されていないことが、外観品質基準の過度な保守化やコスト増加を招いている可能性もある。
こうした課題を踏まえ、経済産業省は再生材利用拡大に向けた調査・検討を進めており、同社もこの実証事業に参画する。
2.実証事業の概要
同実証事業では、日用品・飲料業界のプラスチック容器包装における再生材の利用拡大に向けて、消費者受容性の可視化を行うとともに、動静脈※の事業者が連携して品質基準の見直しの余地や再生材利用量の拡大の余地を定量的に分析する。これにより、産業構造への波及効果や業界としてのガイドライン策定、政策検討に向けた示唆の導出を目指す。
同実証の最大の特徴は、再生材利用拡大を阻む構造的課題の中でも、特に品質基準と容器包装に対する消費者の許容度とのギャップに着目し、その可視化を業界横断で行う点にある。消費者の購買行動や心理、価格許容度を定量的・定性的に把握し、現状の品質要求水準と消費者許容水準の差異の明確化が期待される。
さらに、消費者受容性・品質評価・コスト構造を統合的に検証することで、今後の制度化や業界ガイドラインの策定、他領域への横展開を見据えた実装可能な知見の創出を図るとともに、再生材利用時の品質変化に対する国民の理解醸成に繋げる。
※ 経済活動を血液の循環に例えた表現で、天然資源を加工して製品の製造・流通を担う産業を「動脈産業」、廃棄物の回収・選別・再利用・再生利用および適正処理による社会への再循環を担う産業を「静脈産業」といい、これらが連携して資源を循環させる取り組みを「動静脈連携」と呼ぶ。

再生材の利用拡大を阻む構造例と本事業で目指す転換のイメージ(三菱総合研究所作成)
3.実証実験の参画者
実証事業は株式会社三菱総合研究所を代表者とし、アサヒグループホールディングス株式会社、遠東新世紀日本株式会社、花王株式会社、協栄産業株式会社、一般社団法人全国清涼飲料連合会、タマポリ株式会社、TOPPAN株式会社、株式会社富山環境整備、日本石鹸洗剤工業会、P&Gジャパン合同会社、株式会社吉野工業所、ライオン株式会社が参画。またアイリスオーヤマ株式会社、イオン株式会社、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会、株式会社ファミリーマート、株式会社ローソンがオブザーバーとして参画。有識者として近畿大学経済学部 石村雄一准教授が参画し、技術的助言を受けながら実施していく。(事業者名は五十音順で記載)
(IR universe rr)