主要7カ国(G7)首脳会議は6月17日、フランスのエビアンで終了した。包括的な共同声明はなく、個別に9件の声明を出した。このうち重要鉱物に関しては、産業や資金調達など6分野で協力することで合意した。協力実現のために「G7重要鉱物レジリエンス・生産同盟」を設立する。

(出所:G7フランスホームページ)
プレスリリース: G7 leaders' declaration on securing supply chains for critical minerals. | G7 Évian 2026
6分野は①産業構造②資金調達③市場構造④透明性⑤備蓄⑥リサイクル-―の6分野。声明は重要鉱物の現状について中国を念頭に、「恣意的な輸出制限や重要鉱物および関連する二重用途品に対する報復措置の利用について深刻な懸念を表明し、これらはすべて経済の安全保障と回復力を損なう」と指摘。そのうえで、「パートナー国と協力して重要な依存関係を減らし、経済的依存を武器化しようとする試みや脅威が失敗するよう努める」とし、①の産業構造についても「G7およびパートナー国以外の単一の供給者への希土類および永久磁石への依存度を大幅に削減し、2030年までに60%未満に抑え、できるだけ早く50%に到達することを目指す」とした。
資金調達を巡っては多国間開発銀行(MDB)の活用を進める。市場の透明性確保については、経済協力開発機構(OECD)および国際エネルギー機関(IEA)との協力方針を示した。また、IEAの重要鉱物安全保障プログラムや、日本金属・エネルギー安全保障機構(JOGMEC)などの関連機関やイニシアチブの専門知識を活用し、備蓄システムを確立するとも述べた。
リサイクルを巡っても述べられた。声明は「G7は循環型経済と代替が、重要鉱物の需要増加に対応し、供給を確保するために鍵であると認識している」と説明した。2030年末までにG7加盟国の年間消費のかなりの割合を生産できる集合リサイクル能力を増強するとした。
今回のG7の重要鉱物に関する声明は高市早苗首相が持ち込んだ日本の主張がかなり反映されたとの報道がある。中国によるタングステンの輸出規制が韓国の半導体産業に影響しているように、重要鉱物を扱う日本製品が不足すれば、世界に影響が波及しかねない。G7としても、重要鉱物の中国依存は危機を共有しやすいと言える。