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2026年4月 粗鉛(ブリオン)輸出統計分析 中国向け偏重鮮明 バッテリー原料争奪で高値圏維持

2026/06/19 12:34
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2026年4月 粗鉛(ブリオン)輸出統計分析 中国向け偏重鮮明 バッテリー原料争奪で高値圏維持

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為替レート動向 TTS 3ヶ月物


 

(詳細分析)
(アンチモン含有粗鉛詳細分析)
■数量ベースでは、2026年4月のHS7801.91(アンチモン含有粗鉛)輸出量は3,346トンと、前月(2,473トン)比135%で大幅増加し、2025年4月(3,007トン)比でも111%と前年を上回った。1―4月累計は10,595トン(前年比116%)となり、前年超えを維持している。
仕向け地別では、中国向けが1,487トン(前月比140%)と増加し、全体の44%を占める最大市場を維持した。台湾向けも522トン(同229%)と急増し、前月の落ち込みから大きく回復。インド向けも647トン(同185%)と増加した。一方、韓国向けは690トン(同83%)と減少し、前年同月比でも63%にとどまった。総じて4月は、中国・台湾・インド向けの増加が全体数量を押し上げ、韓国向けの減少を補う構図となった。(表1、グラフ1)。
 



 

■数量構成比では、2026年3月→4月で、中国向けは43%→44%と高水準を維持し、引き続き最大市場となった。一方、韓国向けは34%→21%へ低下したものの、なお主要仕向け地の地位を維持。台湾向けは9%→16%へ回復し、インド向けも14%→19%へ上昇した。総じて4月は、中国向け主導を維持しながら、台湾・インド向けが持ち直し、3月の中国・韓国偏重からやや分散化が進んだ月といえる。
(グラフ-2)。
 



■金額的には、2026年4月単月は997百万円と、前月(727百万円)比137%で大幅増加し、前年同月(872百万円)比でも114%と前年を上回った。1-4月累計は3,169百万円(前年比119%)となり、前年超えを維持している。
内訳では、中国向けが449百万円(前月比144%)と増加し、全体の45%を占める最大市場を維持した。台湾向けも150百万円(同230%)、インド向けも193百万円(同188%)と大幅増加。一方、韓国向けは204百万円(同83%)と減少した。総じて4月は、中国・台湾・インド向けの増加が全体金額を押し上げ、韓国向け減少を補う構図となった。(表2)。
 


 

■FOB推移は、全体平均で3月294円/kg → 4月294円/kgと横ばいで推移した。主要向け先では、中国294円→302円、インド294円→299円と上昇した一方、韓国は295円で横ばい、台湾は285円→287円と小幅上昇にとどまった。
為替は引き続き円安水準で推移しており、本来は円建てFOBの押し上げ要因となる環境にあった。その中で全体平均が横ばいにとどまったことから、価格上昇圧力は限定的だったとみられる。ただ、中国・インド向け単価の持ち直しが全体を下支えしており、3月までの調整局面からは底入れの兆しもうかがえる。

4月は前月と異なり、LME鉛が1,880ドル→1,922.65ドル、ブリオン国際価格も1,787.81ドル→1,824.33ドルへ上昇した。一方で、輸出FOBは全体平均で294円/kgと前月から横ばいにとどまっており、国際価格の反発が円建て輸出価格へ十分には波及していない。為替は引き続き円安基調で推移しており、本来は円建て価格の押し上げ要因だったが、FOBは限定的な上昇にとどまった。これは、国際価格の持ち直しを中国・インド向け単価の上昇が一部反映した一方、韓国向けの伸び悩みや仕向け地構成の変化が全体価格を抑制したためとみられる。総じて4月は、国際価格が反発する中で輸出単価は底固め局面に移行した月と位置付けられる。
(グラフ3)。
 


ブリオン国際価格推移(USD/T)3カ月

 

主要税関別数量とFOB(円/Kg)実績(カッコ内は前月実績)

主要国通関別数量・FOB(JPY/Kg)( ):前月


■今後の展望
アンチモン含有粗鉛(7801.91)輸出は、中国・韓国向けを中心とした高水準推移が続く見通し。4月は中国向けが1,487トンと過去最高水準に達し、韓国向けも依然7百トン前後を維持している。国内では鉛バッテリースクラップ価格が120円台へ上昇するなど原料需給が引き締まっており、海外向け原料需要も底堅い。LME鉛やブリオン国際価格も持ち直し傾向にあり、円安環境が続けばFOBは300円/kg前後を維持する可能性が高い。ただし、中国・韓国向けへの依存度が高まっているため、両国の調達方針や輸入規制動向が最大のリスク要因となろう。


(その他粗鉛7801.99分析)
■数量的には、2026年4月単月は2,805トンと、前月3,343トンから前月比84%で減少し、2カ月連続の減少となった。一方、前年同月(1,923トン)比では146%と大幅増を維持している。1―4月累計では12,518トン、前年同期比128%と高水準で推移した。
仕向け地別では、中国向けが2,290トン(前月比70%、前年同月比158%)と減少したものの、依然として全体の約82%を占める最大市場となった。一方、3月にゼロだったタイ向けが361トンへ急増し、インド向けも142トンと回復。中国一極集中はやや緩和されたが、輸出構造の中心が中国であることに変化はない。
総じて4月は、中国向けの反落で全体数量が減少したものの、タイやインド向けの増加が一部補完する形となった。累計では前年を大きく上回っており、高水準輸出基調は維持されている。(表1、グラフ1)。

 



 

■数量構成比では、3月→4月で中国向けが99%→82%へ低下したものの、依然として圧倒的な主力市場の地位を維持した。一方、3月に実績のなかったタイ向けが13%まで急拡大し、インド向けも5%へ回復したことで、輸出先の集中度はやや緩和された。韓国向けはわずかに発生したが、台湾向けは再びゼロとなった。
総じて4月は、中国一極集中構造が続く中でも、タイ・インド向けの増加によって輸出先の分散化が進んだ月といえる。ただし、中国向け比率はなお8割超を占めており、中国の調達動向が市場全体を左右する構図に大きな変化はみられない。(グラフー2)


 

■金額ベースでは、2026年4月単月は9億37百万円と、前月(10億39百万円)比90%で2カ月連続減少したものの、前年同月(5億58百万円)比では168%と大幅増となった。中国向けは7億13百万円(前月比70%、前年同月比173%)へ減少したが、依然として全体の約76%を占める最大市場。一方、タイ向けが1億64百万円と急増し、インド向けも43百万円へ回復したことで、中国一極集中はやや緩和された。
1-4月累計では39億79百万円と前年同期比140%。中国向け35億9百万円(同263%)が引き続き全体を牽引しているものの、タイ向けの急増も寄与し、金額面では中国偏重から若干の分散化がみられる展開となった。(表2)。
 

 

■FOB推移では、全体平均は3月の311円/kgから4月334円/kgへ上昇し、再び高値圏へ切り上がった。主力の中国向けも309円→311円/kgと小幅上昇し、高水準を維持。インド向けも291円→304円/kgへ反発しており、数量回復とあわせて市況改善がうかがえる。
外部環境では、LME鉛が3月1,880ドルから4月1,922.65ドルへ上昇し、ブリオン国際価格も1,787.81ドルから1,824.33ドルへ持ち直した。加えて円安基調が継続したことで円建て輸出価格の押し上げ要因となり、国際価格上昇と為替効果が同時に作用した格好だ。4月は中国向け高値維持に加え、タイ向け高単価案件の発生も全体平均を押し上げ、FOBは300円台前半から半ばへ水準訂正が進んだ月と位置付けられる。


主要税関別数量とFOB(円/Kg)実績(カッコ内は前月実績)

 主要国通関別数量・FOB(JPY/Kg)( ):前月

 

■今後の展望
その他粗鉛(7801.99)は、中国向けを中心とした高水準輸出が当面続く見通しだ。国内では鉛バッテリースクラップ価格の高騰を背景に原料争奪が激化しており、鉛系スクラップ全般へ需要が波及している。4月はタイ向けなどへの分散もみられたが、中国が依然最大の需要先である構図に変化はない。
価格面では、LME鉛やブリオン国際価格の持ち直しに加え、円安基調も続いており、FOBは300円/kg台を維持する可能性が高い。ただし、中国の調達動向や輸入規制の変更次第で数量変動は大きく、対中依存の高さが引き続き最大のリスク要因となろう。
(IRuniverse/MIRU S. Aoyama)
 

青山 雫

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