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LME Weekly 2026年6月15日-19日 銅14,000ドル持ち越し アルミ供給不安後退で急落、ドル高が非鉄圧迫

2026/06/22 11:02
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【概況】
6月15~19日のLME非鉄相場は、週前半のリスクオン相場から週後半はドル高を嫌気した調整局面へ移行した。銅は一時13,893ドルまで上昇したものの、FOMC後のドル高進行を受けて週末は13,595ドルへ反落。アルミは米・イラン停戦合意による供給不安後退から3,357ドルまで急落した後、3,400ドル近辺へ持ち直した。ニッケルも18,185ドルまで上昇後、週末には17,580ドルまで反落し4月以来の安値圏となった。
亜鉛は3,638ドルまで上昇後に反落したものの3,500ドル台を維持。錫は55,344ドルまで上昇した後、53,293ドルへ反落した。ドル円はFOMCを受けて一時161.81円まで上昇し、国内非鉄建値の下支え要因となった。市場全体では中東情勢の沈静化と米金融政策を巡る思惑が交錯し、品種ごとの強弱感が鮮明となった。

(為替概況)ドル高加速で161円台後半へ FOMCタカ派姿勢が円安促進(NY外為)
6月15~19日のドル円は、160円台前半から161円台後半へ上昇した。週前半は米・イラン停戦合意によるリスクオンや米株高を背景に160円台前半で底堅く推移したが、16日の米小売売上高や中古住宅関連指標が市場予想を上回り、米景気の底堅さが改めて意識された。
さらに17日のFOMCでは政策金利据え置きが決定されたものの、声明から緩和バイアスが削除され、年内利上げ見通しが示されるなど市場の想定以上にタカ派的な内容となった。これを受けて米長期金利が上昇し、ドル買いが加速。ドル円は18日に一時161.81円まで上昇し、約3カ月ぶりの高値圏を記録した。 
週後半は日本当局による為替介入への警戒感から上値を抑えられる場面もあったものの、日米金利差の大きさを背景に円売り基調は維持された。19日は米国市場休場で動意薄となったが、ドル円は161円前後の高水準を維持して推移。総じてみると、FOMC後のドル高進行が相場を主導し、円安進行は非鉄金属の国内建値を強力に下支えする展開となった。


 東京外為市場
6月19日(金)
東京TTS(基準値)
1ドル=162.17円

前週末
6月12日(金)
東京TTS(基準値)
1ドル=161.18円
に対して99銭のドル高円安に。


 

【LME概況】
(カッパー)続伸後に反落 14,000ドル回復はなお持ち越し
6月19日、3Mは13,595.0ドルが終値。前週末(6月12日)終値13,698.0ドルに対して103.0ドル安と反落した。週前半は米・イラン停戦合意を受けたリスクオンや原油安によるインフレ懸念後退を背景に買いが優勢となり、17日には一時13,844.5ドルまで上昇した。しかし週後半はドル高進行や商品市場全般の軟調地合いが重石となり、18日以降は反落。19日には13,523.0ドルまで下落し、14,000ドル台回復は再び持ち越しとなった。
COMEX銅先物は14,000ドル台維持 NYプレミアムは乱高下
6月15~19日のCOMEX銅先物は14,000ドル台前半の高値圏を維持したものの、週後半は伸び悩んだ。NYプレミアムは週前半600ドル前後の高水準で推移した後、17日に200ドル台まで急縮小。その後は18~19日にかけて400ドル前後へ持ち直すなど乱高下した。COMEX在庫は65万598トンから65万2,197トンへ増加した一方、LME在庫は36万1,600トンから35万2,150トンへ減少。LME在庫の継続的な取り崩しと米国市場への現物流入という構図に大きな変化はなく、高水準のNYプレミアムは引き続き銅相場の下支え要因となっている。
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LMEカッパー相場推移(オフィシャルUSD/T)1カ月

 

キャンセルワラント比率は前週38-39%からほぼ横ばい、6週連続で需給引き締まり観測が強まった。


 

国内銅建値は、6月11日の2,250円から16日に40円引き上げの2,290円へ改定された。LME銅が米・イラン停戦合意を受けたリスクオンやLME在庫減少を背景に13,800ドル近辺まで上昇したことに加え、ドル円が161円台へ円安進行したことが要因。その後LME銅は反落したものの高値圏を維持しており、国内建値も再び過去最高圏へ切り上がる展開となった。


LMEカッパーVS国内建値推移 1カ月

 

(アルミ)急落後に下げ渋り 逆ザヤ解消で需給逼迫感は大幅後退
6月19日3Mは3,396.5ドルが終値。前週末(6月12日)終値3,535.0ドルに対して138.5ドル安と続落した。週前半は米・イラン停戦合意を受けて中東供給不安が後退し、15日には一時3,357.0ドルまで急落、3月27日以来の安値を付けた。その後は原油安によるインフレ懸念後退や株式市場の持ち直しを背景に17日まで反発したものの、週後半はドル高や商品市況全般の軟化が重石となり、3,400ドル近辺での推移となった。
一方、LME在庫は31万9,500トンから31万5,300トンへ減少し、取り崩し基調は継続した。しかし市場構造は大きく変化した。前週まで解消寸前だった現先バックワーデーションは、15日に20ドル超のコンタンゴへ転換。その後も16ドルコンタンゴからほぼフラットを経て、週末は3ドル程度のバックワーデーションに戻したものの、5月後半に見られた100ドル超の逆ザヤは完全に消滅した。現物需給の逼迫感は大幅に後退しており、相場は需給主導からマクロ要因主導の局面へ移行しつつある。

LMEアルミ(CASH/3M  USD/T)1カ月


キャンセルワラント比率は前週22-23%から21-22%へ2週連続で小幅低下、需給引き締まり観測も小幅後退。

NSPは前週末692円から15日に693円と小幅高で始まったが、LMEアルミが米・イラン停戦合意による供給不安後退を受けて急落したことから、16日には659円まで大幅下落した。その後はLMEアルミの持ち直しやドル円161円台への円安進行を受けて17日に666円、18日に670円、19日673円へ反発したものの、依然として6月初旬の高値圏を大きく下回る水準で推移した。現先バックワーデーションの解消も重石となり、国内価格は調整局面が続いた。


LMEアルミVS NSP推移 1カ月

 

(ニッケル)反発一服し再び下落 供給懸念なお下支え
6月19日3Mは17,580ドルが終値。前週末(6月12日)終値17,830ドルに対して250ドル安と続落した。週前半は米・イラン停戦合意によるリスクオンや原油安を背景に買い戻しが優勢となり、17日には一時18,185ドルまで上昇した。しかし週後半はドル高進行や商品市況全般の軟化を受けて再び売りが強まり、19日には17,520ドルまで下落して4月以来の安値圏へ押し戻された。
背景には、中国でのニッケル塩取引の低迷や高水準の在庫があり、短期的な需要減速懸念が引き続き重石となっている。一方で、インドネシアではWeda Bay Nickelの採掘枠問題や鉱業規制強化への警戒感が続いており、供給面の不透明感は依然として根強い。LME在庫は27万4,938トンから27万6,216トンへ増加したものの、インドネシアの供給制約観測が下値を支える構図に大きな変化はなく、市場は需要不安と供給懸念の綱引きが続く展開となった。
LME在庫は週を通じて27万4千トン前後で推移し高水準を維持。需給緩和を映して相場は調整局面入りしたものの、インドネシア要因を背景に下値も限定される展開となった。

LMEニッケル(CASH/3M、USD/T)1カ月

 

キャンセルワラント比率は前週4%から4%へ横ばい、現物需給の逼迫感後退が継続。

 


(鉛・亜鉛・錫)
―鉛3M は反発一服し再び軟化 2,000ドル回復ならず
―鉛3Mは前週末(6月12日)終値1,966.0ドルに対し、6月19日終値は1,954.0ドルと12.0ドル安。週前半は原油安や株高を背景に買い戻しが入り、18日には1,984.0ドルまで上昇したものの、心理的節目の2,000ドル回復には届かなかった。週後半はドル高や非鉄市場全般の軟調地合いに押され、19日には1,954.0ドルまで反落。在庫増加が続く中で上値の重い展開となり、依然として2,000ドルを下回る水準での推移が続いている。

LME鉛価格推移(オフィシャル,USD/T) 1カ月

 

在庫は前週30万トン後半から前半へ減少、2週連続でのネット流出となった(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週8%から7%へ下落、現物需給の逼迫感は小幅後退。 


国内鉛建値
国内鉛建値は、前週末390円から15日に6円引き下げの384円、さらに19日には3円引き下げの381円へ改定された。LME鉛は一時1,984ドルまで持ち直したものの、2,000ドル回復には至らず軟調な推移が継続。ドル円は161円台の円安水準を維持したが、LME鉛の上値の重さが勝り、国内建値も月初高値から調整色を強める展開となった。

LME鉛(USD/T)VS国内建値(JPY/Kg)推移 1カ月

 


―亜鉛3M は高値圏維持も週末反落 3,600ドル台定着は持ち越し
―亜鉛3Mは前週末(6月12日)終値3,584.0ドルに対し、6月19日終値は3,556.5ドルと27.5ドル安。週前半は原油安によるインフレ懸念後退や非鉄市場全般の堅調地合いを背景に買いが優勢となり、18日には一時3,638.0ドルまで上昇して5月以来の高値を更新した。しかし週後半はドル高進行や商品市況の軟化を受けて利益確定売りが強まり、19日は81.5ドル安と大幅反落した。それでも3,500ドル台半ばを維持しており、LME・SHFE在庫の低位推移を背景とした需給引き締まり観測は引き続き相場の支援材料となっている。


LME亜鉛(オフィシャル,USD/T) 1カ月

 

在庫は前週11万トン直上から11万トン割れへ減少し2週連続で調整局面となった(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週16%から15%へ低下し、需給引き締まり観測は後退続く。

 

国内亜鉛建値は、前週末631円から15日に9円引き上げの640円、18日にはさらに6円引き上げの646円へ改定された。LME亜鉛が一時3,638ドルまで上昇するなど高値圏を維持したことに加え、ドル円が161円台へ円安進行したことが支援材料となった。国内建値は5月高値を更新し、上昇基調を強める展開となった。

LME亜鉛(USD/T)VS国内建値(JPY/Kg)推移 1カ月

―錫3M は上昇一服 5万5,000ドル台回復後に反落
―錫3Mは前週末(6月12日)終値53,752ドルに対し、6月19日終値53,293ドルと459ドル安。週前半は米・イラン停戦合意を受けたリスクオンや供給不安を背景に買いが優勢となり、17日には55,344ドルまで上昇、15日には55,301ドルを付けるなど5万5,000ドル台を回復した。しかし週後半はドル高進行や商品市況全般の軟化を受けて利益確定売りが強まり、18日は1,691ドル安と急落。19日も続落し、週末は5万3,000ドル台前半で引けた。もっとも、東南アジアにおける供給不透明感やAI・電子材料向け需要期待は依然根強く、相場は高値圏を維持している。

LME錫価格推移(セツル,USD/T) 1カ月

 

在庫は前週9000トン直上から8000トン後半へ減少し、4週ぶりの流出となった(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週8%から11%で上昇、現物需給の逼迫感が強まった。 
 

 

(マクロ経済・重要イベント)

―(マクロ経済結果)

【米国】
6月16日(火)
米小売売上高(5月)
住宅着工件数・建設許可件数(5月)
→ 小売売上高は底堅さを示し、米景気の減速懸念が後退。ドル円は160円台後半へ上昇した。一方、米・イラン停戦合意による原油安や株高を背景にリスクオンの流れが強まり、LME銅やニッケルは続伸した。
6月17日(水)
FOMC・政策金利発表
→ FRBは政策金利を据え置いたものの、声明や経済見通しは市場予想以上にタカ派的な内容となった。年内利下げ観測が後退し、米長期金利とドルが上昇。ドル円は161円台へ上伸したが、LME非鉄は原油安によるインフレ懸念後退が支援材料となり、銅やニッケルは堅調を維持した。
6月18日(木)
新規失業保険申請件数
フィラデルフィア連銀製造業景況指数
→ 米景気の底堅さが改めて意識される一方、FOMC後のドル高進行が商品市場の重石となった。ドル円は一時161.8円台まで上昇し、LME銅やニッケルは反落。アルミも上値の重い展開となった。
6月19日(金)
米国市場休場(奴隷解放記念日)
→ 米国市場休場で材料難となる中、ドル円は161円前後の高水準を維持。LME市場ではドル高や欧州株安、商品市況全般の軟化を背景に銅、ニッケル、亜鉛、錫が下落し、週末にかけて利益確定売りが優勢となった。

総じて、今週の市場はFOMC後のドル高進行と中東情勢の沈静化が主材料となった。ドル円は160円台後半から161円台へ上昇し、国内非鉄建値を強力に下支えした一方、LME非鉄市場では週前半のリスクオン相場から週後半はドル高主導の調整局面へ移行する展開となった。

【中国】
6月16日(火曜日)
小売売上高(5月)
鉱工業生産(5月)
固定資産投資・不動産開発投資(1~5月累計)
•    小売売上高は2022年12月以来、約3年5カ月ぶりの前年割れとなった。
•    不動産開発投資は前年比16.2%減、固定資産投資も4.1%減と低迷が続いた。
•    新車販売も振るわず、景況感指数(PMI)は製造業・サービス業ともに50近辺にとどまった。
•    一方、輸出入はともに2桁増を維持し、特に対米貿易の回復が下支え要因となった。
•    6月10日発表のCPIは前年比1.2%上昇と横ばいだったが、原油高による燃料価格上昇が主因であり、自動車価格など耐久消費財は下落が続いた。
総合評価
•    「投資不振が消費にも波及」する構図が鮮明化。
•    不動産不況→投資低迷→消費減速という流れに改善の兆しは乏しい。
•    CPIプラス維持も、実態は原油高によるコストプッシュ要因が中心で、内需主導の物価上昇ではない。
•    一方で輸出は引き続き堅調で、外需が中国経済を支える構図が継続。
•    今後の焦点は、米中関係改善や外需拡大による恩恵を、個人消費や民間投資の回復へ結び付けられるかにある。
                             
-今週の重要イベント
【中国】
6月27日(土曜日)
• 工業利益(5月、国家統計局)
→ 中国では5月の工業利益が最大の注目材料。16日発表の主要経済指標では、小売売上高が約3年5カ月ぶりの前年割れとなり、不動産開発投資も前年比16.2%減へ悪化するなど、投資不振が消費へ波及していることが鮮明となった。一方で輸出入は引き続き2桁増を維持しており、外需が景気を支える構図は継続している。
工業利益が改善すれば、輸出主導による企業収益回復が確認され、銅・アルミ・亜鉛など非鉄需要への安心材料となる。一方、収益悪化が続けば、中国製造業の設備投資や原材料需要への懸念が改めて意識される可能性がある。市場の関心は引き続き「外需の強さが内需低迷を補えるか」に向かっている。
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【米国】
6月24日(水曜日)
• 新築住宅販売(5月、商務省)
• 経常収支(1-3月期、商務省)
6月25日(木曜日)
• GDP確報値(1-3月期、商務省)
• 個人所得・支出(5月、商務省)
• 耐久財受注(5月速報値、商務省)
• 新規失業保険申請件数
6月26日(金曜日)
• ミシガン大学消費者信頼感指数(6月確報値)
• 卸売在庫速報値(5月、商務省)
→ 米国では25日のGDP確報値、個人所得・支出、耐久財受注が最大の注目材料。前週のFOMCではFRBが市場予想以上にタカ派姿勢を示し、ドル円は161円台後半まで上昇した。市場の焦点は「米景気の底堅さがどこまで維持されるか」と「利下げ開始時期の後ずれが続くか」に移っている。
耐久財受注や個人消費が強い結果となれば、AI・電力インフラ投資に加え実体経済の底堅さも確認され、銅やアルミの需要期待を支える可能性がある。一方、景気減速を示す内容となれば、利下げ期待が高まりドル安要因となる反面、需要見通しにはマイナスとなりやすい。
全体として今週は、
「米景気の持続力」と「中国経済の内需低迷の深刻度」
がLME非鉄相場の方向性を左右する重要な材料となりそうだ。

 


(IRuniverse/MIRU S. Aoyama)

本記事は執筆者個人の分析および見解であり、IRuniverseの公式見解を示すものではありません。内容は情報提供を目的としたもので、投資判断の根拠として用いることを意
図したものではありません。

 

青山 雫

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