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新広島資源循環プロジェクト、自動車リサイクルのエコアールを見学―資源循環推進と経済性の両立で議論も

2026/06/22 13:46
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新広島資源循環プロジェクト、自動車リサイクルのエコアールを見学―資源循環推進と経済性の両立で議論も

新広島資源循環プロジェクトの研修ツアーが18~19日にかけて北関東圏で開催された。1日目は自動車リサイクル業を展開するエコアールを訪問。事業説明や工場見学を通じて、同分野の最新動向を学んだ。また、質疑応答の場では活発な議論が展開された。

栃木県足利市に拠点を置くエコアールは、1964年の創業から60周年を迎えた自動車リサイクルの大手企業である。同社の敷地面積は約5万7700平方メートルに及び、東京ドームの約1.5倍という広大な規模を誇っている。創業当時は「石井自動車解体」としてスタートしたが、時代の変遷とともに機械化や工業化を推し進め、現在は全天候型の処理施設を備えるなど、環境負荷低減と効率化を両立させた一大拠点へと成長を遂げている。

同社の事業は大きく3つの柱で構成されている。1つ目は、鉄やアルミニウムなどの素材を分別・回収するマテリアルリサイクル事業である。2つ目は、自動車から取り外した中古部品を国内外で販売するリユース事業。そして3つ目が、一般ユーザーや法人向けにメンテナンスや車検整備、中古タイヤ販売などを行う「エコアールDS館」に代表されるリペア事業である。売上比率としてはリユース事業が全体の55パーセントと過半を占め、次いでリサイクルが30パーセント、リペアが15パーセントという構成になっている。

近年、自動車の入庫台数が減少傾向にある中で、エコアールは「1台あたりの価値の最大化」を戦略の核に据えている。以前は1日150台から200台の入庫があったが、現在は80台前後まで落ち着いており、その分、1台ずつの車両に対してどのような処理を施せば付加価値が最大化されるかを事前に入念に見極めた上で、生産計画を立てる体制を徹底している。特に、コロナ禍を契機に海外市場の不安定さが露呈したことから、国内販売向けの生産点数を従来の倍以上に増やすなど、安定した収益基盤の構築に力を入れているという。

また、同社はグローバル展開にも積極的だ。マレーシアに現地法人を設立して解体処理のライセンスを取得したほか、タンザニアでは日本からの良質な中古車を直接エンドユーザーに販売する体制を整えている。さらに、未来に向けた新たな取り組みとして、就労支援、ものづくり、リサイクルを掛け合わせた循環拠点であり、知的・身体障害を持つ人々が精密な分解作業に従事することで、より高度なリサイクルを実現すると同時に、社会貢献と持続可能な事業運営の両立を目指す。

 

エコアールの石井代表

 

また、最新トピックスとして、自衛隊の車両が海外、特にロシアなどでそのまま転売されて走行している事案が社会問題となった背景から、防衛省による自衛隊車両の入札条件が厳格化されたことも報告された。具体的には、直近3年間で100台以上の処理実績がある事業者でなければ入札に参加できないという条件が課されるようになったという。エコアールは現在入札資格を申請中とのこと。質疑応答では、同件に興味を持つ参加者がおり、タイヤの処理方法について質問が挙がった。石井浩道代表が「落札したタイヤはおそらく再利用禁止のため、当社のニブラ重機で傷をつけてから回収業者に卸すことになると思う」と回答すると、「タイヤチップの燃料化事業も展開しているため、ぜひ卸してほしい」と申し出る場面もあった。

 

銅の残存率のさらなる削減が議論に

 

質疑応答ではこのほかにも多岐にわたる質問が挙がり、自動車メーカーが注力している「Car to Car」の実現可能性についても、鉄スクラップに含まれる銅の含有量(残存率)について議論が行われた。これを0.3パーセント以下に抑えることが一つの目安とされているが、エコアールでは、徹底的な解体と高度な分別技術により、0.2パーセントを切る品質で卸しているという。参加者から「プレスではなくシュレッター処理の割合を増やせば、残存率0.1を下回ることができ、Car to Carを推進することができるのではないか」という提案があがると、「そこまですると時間が足らなくなる」「コストが高くなり収益が減ってしまう」などの懸念の声が上がり、資源循環と経済性の両立について意見が交わされた。

外国車のリサイクルに関する質問では、日本車は国内メーカーの設計段階での配慮(Design for Recycling)によりリサイクルがしやすく、全部利用に適していることが再認識された。さらに、プラスチックのリサイクルにおける洗浄技術についても議論が及んだ。破砕したプラスチックにはガソリンや油分が付着していることが多く、高品質な再生材を作るためには洗浄が不可欠である。今回の研修ツアーを主催したエコメビウスの木原忠志代表は中国製機械では摩擦洗浄などの効率的な手法が普及していることに言及し、参加者でもある機械メーカーに早期に開発するよう助言を送った。

Kota Kuribara

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