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【貿易統計/日本】 2026年4月のフェロクロム輸出入推移統計
為替相場推移 TTS 3か月
(低炭素フェロクロム輸入分析)
■数量では、
4月単月は2,142トンと、前月970トンから大幅増加し前月比221%、前年同月比でも297%と高い伸びを記録した。1~4月累計は6,387トンで前年同期比173%となり、輸入は大幅な拡大基調にある。
主要輸入元では、カザフスタンが1,119トン(前月比11,190%)と急増して再び最大供給源となり、全体を牽引した。トルコは240トン(同80%)、ドイツは160トン(同114%)、中国は127トン(同227%)と底堅く推移し、「その他」は488トンとなった。ロシアは8トンと小口にとどまる。
4月の「その他」488トンの内訳は、米国279トンが過半を占め、インド148トン、英国20トン、ベトナム20トン、オマーン20トン、フィリピン1トンで構成される。米国とインドで約9割を占めており、「その他」は実質的に両国を中心とした調達構成となっている。
■総じてみれば、
4月はカザフスタンからの輸入急増が全体を押し上げた一方、その他地域からの調達も一定規模を維持し、数量は大幅に回復した。累計でも前年を大きく上回っており、供給源の多様化を維持しながら調達拡大が進む展開となった。(表―1、グラフ―1)


■国別数量構成比では、4月はカザフスタンが1%→52%へ急回復し、再び最大供給国となった。一方、トルコは31%→11%へ低下、中国は6%→6%と横ばい、ドイツは14%→7%へ縮小した。「その他」は48%→23%へ大きく低下し、ロシアは小口ながら構成比は0%となった。
総じて4月は、3月の「トルコ+その他」中心の分散構造から、カザフスタン主導の供給構造へ再び回帰し、調達先の切り替わりが引き続き大きい市場となった。
(グラフ―2)。

■金額では、4月単月は12億19百万円と前月(6億61百万円)から増加し、前月比185%。前年同月比でも308%と大幅に拡大した。1~4月累計は36億65百万円となり、前年同期比210%と高水準を維持している。
国別では、カザフスタンが5億97百万円と前月比13,216%で急回復し、金額増加を牽引。トルコは1億43百万円(前月比81%)、ドイツは99百万円(同77%)と減少した一方、中国は65百万円(同258%)へ増加。「その他」は3億11百万円(同95%)と高水準を維持し、ロシアは3百万円と小口にとどまった。
総じて4月は、カザフスタンの急回復が全体を押し上げ、3月の分散型から再びカザフスタン主体の構成へ回帰した。一方で「その他」もなお25%前後を占めており、調達先の分散と月次変動の大きい市場構造は続いている。(表―2、グラフ―3)


■輸入CIF単価では、全体平均は3月681円/kgから4月569円/kgへ低下(前月比84%)した。4月は円安が進行し、カザフスタンは452円/kg→534円/kg、中国も453円/kg→515円/kg、トルコも584円/kg→595円/kgへ上昇した。一方、3月に924円/kgと突出していたドイツが619円/kgへ低下し、さらにカザフスタン品の数量が急増して全体の過半を占めたため、加重平均では押し下げられた。総じて4月は、円安と主要国単価の上昇があったものの、前月の高単価ドイツ品主導からカザフスタン主導へ構成が戻ったことで、全体CIFは高値調整となった。(グラフ―4)。

低炭素フェロクロム(C0.06% Cr65% USD/LB)1年
主要税関別数量・CIF実績 ( )内は前月実績
主要国別税関別数量・CIF実績 ( )内は前月実績
(高炭素フェロクロム輸入分析)
■数量では、
4月単月は5万185トンと、前月3万6,729トンから増加し前月比137%。前年同月比では97%と前年並みの水準となった。1~4月累計は13万8,610トンで、前年同期比84%と依然前年割れが続く。
主要輸入元では、カザフスタンが2万2,424トン(前月比130%)で最大供給源を維持し、南アフリカも2万895トン(同251%)と大幅に増加。インドは2,984トン(同103%)と横ばい圏だった。一方、「その他」は3,882トン(同47%)へ減少した。
総じて4月は、カザフスタンと南アフリカの増加が全体数量を押し上げた一方、累計ではなお前年を下回っており、回復基調ながら力強さを欠く展開が続いている。(表―1、グラフ―1)


■国別数量構成比では、3月→4月で構成が再び変化した。カザフスタンは47%→45%とわずかに低下したものの最大供給国を維持。一方、南アフリカは23%→42%へ大きく回復し、主要供給国としての存在感を取り戻した。これに対し「その他」は23%→8%へ大幅に縮小し、3月にみられた補完ソースへの依存は後退。インドも8%→6%へ低下した。結果として、カザフスタンと南アフリカの合計シェアは70%から87%へ上昇し、4月は分散型から再び主要2国中心の調達構造へ回帰した。(グラフ―2)。

■金額では、4月単月は129億89百万円と、3月(95億09百万円)から増加し前月比137%、前年同月比でも116%となった。カザフスタンは70億14百万円(前月比135%)で最大供給源を維持し、南アフリカも41億69百万円(同253%)と大幅に増加。インドは7億11百万円(同107%)と小幅増となった一方、「その他」は10億95百万円(同55%)へ減少した。1~4月累計は368億62百万円で前年同期比99%とほぼ前年並み。カザフスタンを軸に南アフリカの回復が全体を押し上げ、3月の「その他」依存から主要供給国中心の構成へ回帰した。(表―2、グラフ―3)


■輸入CIF単価は、全体平均で3月、4月とも259円/kgと横ばいで推移した。4月は円安が進行したものの、主要供給国ではカザフスタンが301円→313円/kg、インドが231円→238円/kgと上昇した一方、南アフリカは198円→200円/kgとほぼ横ばいにとどまり、全体への影響は限定的だった。数量構成では南アフリカの比率が23%から42%へ大きく回復し、「その他」は23%から8%へ縮小。円安による押し上げ効果はみられたものの、調達先構成の変化と価格水準の均衡により、全体CIF単価は前月並みで推移した。(グラフ―4)。

高炭素フェロクロム(C6~8% Cr60~63% Si3% max $/LB)1年
国内ステンレス304系冷延薄板(2B/2mm)1年
主要税関別数量・CIF実績 ( )内は前月実績
主要国別税関別数量・CIF実績 ( )内は前月実績
■今後の展望(高炭素フェロクロム輸入)
高炭素フェロクロム輸入は、当面底堅い推移が見込まれるものの、上値は限定的となりそうだ。第2四半期フェロクロム契約価格や円安基調が輸入価格を下支えする一方、日本鉄鋼連盟統計では粗鋼・特殊鋼生産の回復はなお緩やかで、実需の力強い拡大は期待しにくい。4月は輸入数量が5万トンを回復したが、カザフスタンと南アフリカからの調達増による要因が大きく、需要急拡大を示す内容ではない。今後もカザフスタンを軸に南アフリカが補完する調達構造が続く見込みで、価格は円安に支えられつつも、需要の伸び悩みからレンジ相場で推移する公算が大きい。
(IRUNIVERSE S. Aoyama)
本記事は執筆者個人の分析および見解であり、IRuniverseの公式見解を示すものではありません。内容は情報提供を目的としたもので、投資判断の根拠として用いることを意図したものではありません。