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為替相場推移 TTS 3か月
(詳細分析)
■輸出数量では、4月は63トンと、3月(19トン)から大幅増加し前月比332%。前年同月比でも394%と大きく前年を上回った。輸出は中国向け60トンがほぼ全量を占め、米国向け3トンが続いた。3月にみられた英国向けやドイツ向け(その他)の出荷はなく、中国向け大型案件への集中が鮮明となった。
1~4月累計は145トン(前年比128%)と前年を上回ったものの、その大半は1月のシンガポール向け57トンと4月の中国向け60トンによるスポット案件で占められる。総じて、コバルトスクラップ輸出は特定国向け大型案件に左右される傾向が強く、月次変動の大きい不安定な輸出構造が続いている。(表―1、グラフ―1)。


■数量構成では、3月から4月にかけて、中国向けが0%→95%へ急拡大し、輸出の大半を占めた。一方、英国は26%→0%、「その他」は63%→0%へ低下し、3月の欧州向け中心の分散型から、中国向け大型案件への集中型へ再び転換した。米国向けは11%→5%へ低下したものの、少量ながら出荷を維持した。
総じて4月は、中国向けスポット案件が数量を大きく押し上げた一方、輸出先の偏りが再び強まった。コバルトスクラップ輸出は依然として大型スポット案件に左右されやすく、月次変動の大きい市場構造が続いている。(グラフ―2)。

■金額面では、4月単月は86百万円と、3月(29百万円)から大幅増加し前月比298%。前年同月比でも489%と大きく前年を上回った。中国向けが80百万円と全体の大半を占め、米国向け7百万円が続いた一方、3月にみられた英国向けや「その他」の出荷は途絶えた。
1~4月累計は251百万円(前年比188%)と前年を大きく上回ったが、その大部分は1月のシンガポール向け125百万円と4月の中国向け80百万円による大型スポット案件で占められる。総じて4月は、中国向け大口案件が金額を押し上げたものの、引き続き特定仕向け先へのスポット案件に左右される変動の大きい輸出構造が続いている。(表―2、グラフ―3)。


■輸出FOB単価では、全体平均は3月の1,522円/kgから4月は1,370円/kgへ低下した。4月は円安基調が続き、LMEコバルト価格も55,858ドル/トン前後で高値圏を維持したものの、中国向け大型案件(1,328円/kg)が全体の大半を占めたことで、3月の米国向け(2,602円/kg)や英国向け(1,895円/kg)といった高単価案件の反動が表れ、平均単価は低下した。
一方、LMEコバルトは3月55,848ドル/トンから4月55,858ドル/トンとほぼ横ばいで、市況変化は限定的だった。総じて4月のFOB単価は、円安による押し上げ効果はあったものの、仕向け地構成(ミックス)の変化がそれを上回り、平均単価はやや調整した。依然として価格形成はスポット案件や輸出先構成に大きく左右される状況が続いている。(グラフ―4)。

税関別実績数量・FOB(JPY/Kg)カッコ内は前月
■今後の展望
コバルトスクラップ輸出は、引き続き大型スポット案件に左右される不安定な展開が続く見通し。4月は中国向け大口案件で数量・金額とも急増したものの、継続的な需要回復を示す動きとは言い難く、月次変動の大きい市場構造に大きな変化はない。
価格面では、DRコンゴの輸出規制を背景にLMEコバルトは高値圏で横ばいを維持し、LGコバルトも2022年以来の高水準で底堅く推移している。一方、HGコバルトや硫酸コバルトは調整基調が続き、EV・電池向け需要の停滞や下流メーカーの在庫積み上がり、低価格リサイクル材の流通が価格の上値を抑えている。円安は円建てFOBの下支え要因となるものの、実需の弱さから輸出数量の本格回復は期待しにくい。総じて、「数量はスポット案件主導で変動、価格は高止まり、最終需要は低調」という構図が当面続く公算が大きい。
(IRUNIVERSE S. Aoyama)