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DRAMニュース キオクシアHDの時価総額が45兆円越え

2026/07/03 13:54
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キオクシアホールディングスの時価総額が2026年6月3日の取引時間中に45兆円を超え、トヨタ自動車を一時上回った。時事通信は、株価が8万3140円まで上昇し、時価総額が45兆4226億円に達したと報じている。日経平均株価も初めて6万8000円台を超え、AI関連銘柄への資金流入が日本株全体を押し上げた。

この出来事は、単なる半導体株の急騰ではない。日本市場の代表企業が、自動車、通信、金融から、AIインフラを支える半導体・メモリー企業へ広がっていることを示している。特にキオクシアはNAND型フラッシュメモリーを主力とし、AI推論時代のデータ保存と高速アクセス需要を取り込む銘柄として評価されている。

ただし、時価総額の急拡大は将来利益への期待を先取りしたものであることは論を待たない。メモリー産業はもともと市況の循環性が強く、需要が急増した局面では価格も利益も跳ね上がるが、供給増や顧客の在庫調整が始まると逆回転しやすい特徴がある。評価すべき点と警戒すべき点を分けて見る必要がある。
 

キオクシア急騰を支えるNAND需給と決算実力
 

キオクシアの株価を押し上げた最大の要因は、AI推論の拡大によるストレージ需要の変化です。AIは大規模モデルの学習だけでなく、日常的に多くのユーザーへ応答する推論の段階に入った。推論では、生成結果、検索対象データ、長い文脈、エージェントの作業履歴などを高速に読み書きする必要がある。


AI推論が変えたストレージの位置付け


キオクシアは6月2日のInvestor Dayで、AI活用が学習から推論へ移り、エージェント型AIやフィジカルAIへ広がることで、推論処理が飛躍的に増えると説明した。次世代AIシステムでは、SSDをGPUの拡張メモリーのように使う動きが進み、フラッシュメモリーとSSDがAIインフラの中核部品になるという見立てである。この見方は市場調査会社TrendForceの分析とも重なる。同社は、北米クラウド事業者がAI推論基盤を拡大し、エンタープライズSSD需要が強いまま推移していると指摘している。2026年にはNANDフラッシュの契約価格が大幅に上昇し、意味のある能力増強は2027年後半から2028年まで限定的と見込まれている。AIインフラではHBMやGPUが注目されがちであるが、推論では高容量かつ低消費電力のストレージも重要である。モデルが大きくなり、文脈長が伸び、データを近くに置く必要が高まるほど、SSDは単なる保存装置ではなく、計算資源を止めないための補助記憶として扱われる。キオクシアの強みは、この需要増が主力事業に直結する点にある。業績面でも、株価上昇を支える材料は明確である。2026年3月期の決算短信では、売上収益が2兆3376億円、営業利益が8704億円、親会社所有者に帰属する当期利益が5545億円となった。会社は、生成AI用途を中心としたデータセンター向け顧客の力強い需要により、平均販売単価と出荷量が増えたと説明している。
メモリー企業では、売上の伸び以上に利益率の改善が重要である。固定費が大きい半導体製造では、価格上昇と稼働率改善が同時に起こると、営業利益は大きく膨らむ傾向にある。キオクシアの決算は、AI需要が単なる期待ではなく、販売単価と利益に反映され始めたことを示した。TrendForceは2026年第1四半期のNAND上位5ブランド合計売上が前期比83.7%増となったと分析し、キオクシアの売上も前期比80%増の59.6億ドルで3位を維持したとしている。業界全体で供給が絞られ、クラウド需要が強い環境では、価格交渉力が供給側に移る。この需給の力学が、株式市場の強気シナリオを支えている。(ソース:Research by nicoxd)


Kioxia四半期ごとの売上推移(PMDIA)


 

 

椿 匡之

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