カナダとサウジアラビアは7月9日、鉱業分野などでの協力を盛り込んだ共同声明を発表した。カーニー首相がカナダ首相として26年ぶりにサウジアラビアのジェッダを訪問し、サウジのムハンマド皇太子と会談した。カナダにとっては米中への経済依存からの脱却に、サウジにとっては原油依存型経済からの脱却にそれぞれつながる。(見出し写真はカナダ首相のX投稿から)
■探査や資金調達などで協力
両国は医療技術、鉱業、インフラ、防衛にまたがる13件の新たな商業協定および覚書に署名した。協力規模は約10億ドル(約1600億円)超。このうち鉱業分野では、探査、資金調達、加工技術などでの協力を強化する。カナダ企業はサウジ内の産業・鉱物資源省発行の鉱山探査ライセンスの上限を引き上げ、2国間貿易の拡大につなげる。
両国は1月に協力覚書にエネルギー・鉱業分野での覚書を交わしていた。カーニー氏は今回の訪問で、原油の世界的大手であるサウジアラムコのアミン・ナッサー最高経営責任者(CEO)とも会談した。
■カナダは日本とも協力強化、サウジは鉱業フォーラムを毎年開催
米トランプ政権は7月1日、米国とメキシコ、カナダによる北米3カ国の自由貿易協定(USMCA)を延長しない方針を正式に表明した。3カ国は今後は毎年協議を続け、合意に至らなければ2036年に協定は失効する。トランプ氏は1月にもカナダに100%の関税をかけると脅すなど、カナダは米国から経済的威圧を受けてきた。このため、カナダはこれまでの米依存経済の見直しを迫られ、6月には日本へ貿易団を派遣するなど貿易相手の多角化を急いでいた。
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一方のサウジは、原油依存型経済からの脱却が急務で、鉱業は有望分野の1つだ。首都リヤドでは毎年1月に国際フォーラム「鉱物資源未来フォーラム(FMF)」を開催している。米イスラエルによるイラン攻撃を受け、中東地域全体への投資減退も懸念されていたところだった。
