豪投資銀行マッコーリー銀行が公表した商品市場レポートによると、足元の銅価格は強気な投資家心理に支えられている一方、実需は追い付いておらず、「相場が現実を先行している」と分析している。
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レポートでは、世界の銅市場は依然として供給不足ではなく、2026年も26万2,000トン、2027~2028年には年平均70万トンを超える供給過剰が続くと予測。2025年初め以降、LME、COMEXを合わせた、取引所が公表する在庫(顕正在庫)は約87万トン増加し、さらに米国内には取引所外で約55万トンの在庫が積み上がっていると推計した。
今年春以降の銅価格急騰については、需給逼迫よりも米国の銅関税観測を背景としたCOMEX-LME間の裁定取引や投機筋の買い戻しが主因と指摘。関税を巡る不透明感が続くことで銅が米国へ滞留し、世界市場では供給不足感が演出されているとの見方を示した。

一方、中国では高値を受けて需要家の買い控えがみられ、季節的な在庫取り崩しも早期に止まったという。海外市場でも現物プレミアムは低迷しており、実需の勢いは限定的と分析している。
供給面では、カモア・カクラ鉱山やグラスバーグ鉱山の復旧遅れにより大手17鉱山の生産見通しは約20万トン下方修正されたものの、市場全体の余剰見通しを覆すほどではないとしている。また、AI関連需要についても、データセンター建設の遅れや送電網制約、光通信の普及などから、市場が期待するほど短期的な銅需要増にはつながらない可能性があると慎重な見方を示した。
もっとも、電化やエネルギー転換を背景とする長期需要には引き続き強気で、2030年に向けて新規鉱山開発はなお必要になると指摘。その上で2026年の平均銅価格予想は従来の1トン当たり1万2,310ドルから1万3,165ドルへ引き上げた一方、2027年第3四半期には1万1,000ドル程度まで調整する可能性があるとしている。
(IRUNIVERSE S. Aoyama)