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ポスコグループ、鉄鋼の海外投資を拡大 リチウムやエネルギー事業も強化へ

2026/07/11 14:05
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ポスコグループ、鉄鋼の海外投資を拡大 リチウムやエネルギー事業も強化へ

世界有数の鉄鋼大手である韓国ポスコグループは7月2日、投資家向け説明会「CEO Investor Day」を開催し、鉄鋼(産業資源)、リチウム・正極材/負極材・レアアースなど(戦略資源)、LNG・再生可能エネルギー(エネルギー資源)による事業ポートフォリオ戦略「トリプルコア」を発表した。

サプライチェーンの不安定化や脱炭素シフトの加速により外部の不確実性が高まる中、事業ポートフォリオの革新を通じて新たな成長機会を創出し、鉄鋼・素材から資源へと事業領域を広げることで国家の産業安全保障とサプライチェーン強化を主導する方針を示した。2035年までに連結売上高187兆ウォン、営業利益13.1兆ウォンを目指すとしている。

2026〜2028年の3年間で成長投資として16.7兆ウォンを投じる計画で、内訳は産業資源(鉄鋼)7.6兆ウォン、戦略資源(リチウムなど)4.1兆ウォン、エネルギー資源3.7兆ウォン、新規事業1.3兆ウォンとなっている。

鉄鋼:海外投資計画

説明資料によると、鉄鋼事業では、インド・米国・インドネシアなど高成長市場への投資により、2031年までに海外粗鋼生産能力を1,000万トンに拡大する方針を示した。海外鉄鋼投資には7.6兆ウォンのうち6.7兆ウォンが充てられ、残る0.9兆ウォンが国内鉄鋼向けとされている。

このうち特に注目されるのが、インドネシアにおける動きだ。同国では、既存の一貫製鉄所であるPT Krakatau Posco(PT.KP、ポスコとインドネシア国営クラカタウ・スチールが50%ずつ出資、2013年末稼働、年産300万トン)の拡張と、新たなステンレス鋼(STS)半製品生産拠点の建設を計画している。説明資料によると、普通鋼については、まずインドネシア政府との合意形成を経たうえでPT.KPフェーズ2(300万トン増強)の実施計画を策定し、製品範囲を熱延・厚板からユーザー需要の伸びる冷延・めっき製品まで広げるとしている。ステンレス鋼については、現地で産出する高品位鉱石を活用した連続工程により低コストの半製品を生産する拠点を新設し、2028年の稼働を目指すとしている。資料内のスケジュール図では、ステンレス拠点は2026年着工・2028年稼働と示される一方、普通鋼のPT.KPフェーズ2については「合弁パートナーとスケジュールを協議中」との注記があり、着工・稼働時期はやや後ろ倒しの2027年ごろ・2029年ごろとして描かれている。

なお、韓国メディアKED Globalが2025年9月26日に報じたところによると、ポスコは中国の青山控股集団(Tsingshan)との合弁で、インドネシア・スラウェシ島モロワリ工業団地に年産200万トン規模のステンレス製鉄所を新設する計画に合意しており、青山系のPT Makmur International Investmentから合弁会社「PT Xinheng Metal Indonesia」の株式44.12%を取得するとされる。

既存のPT.KPの経営状況について、クラカタウ・スチール社が2026年3月31日に開示した2025年12月期連結財務諸表によると、持分法適用会社であるPT.KPの2025年売上高は100%ベースで18.477億ドル、純損失は3,980万ドルとなり、2024年の純損失1.246億ドルから縮小した。

インドネシアはすでに世界第2位のステンレス鋼生産国であり、生産量の9割超を輸出に振り向ける輸出依存型市場となっている(インドネシア税関データを引用したMysteel Globalの報道、2025年通年の輸出量は約472万トン)。英SteelOrbis(BigMintデータ引用)によると、2025年1〜9月のインドネシア産ステンレス「フラット製品」の輸出量は239万トン(前年同期比7%増)。仕向け先別では中国76万トン(同2%増)が最大で、台湾57万トン(同2%増)、ベトナム51万トン(同15%増)、マレーシア20万トン(同103%増)、韓国7.49万トン(同1%減)と続く。

インドネシアのほか、インドと米国でも海外鉄鋼投資の計画が進められている。

インドでは、ポスコとインド最大手JSWスチールが2026年4月20日、合弁契約に正式署名した。ポスコ公式発表によると、両社は折半出資でオディシャ州に高炉一貫製鉄所を新設し、粗鋼生産能力600万トン、2031年の完成を目指す。用地はJSWの子会社Saffron Resourcesを通じてすでに確保されている。2004年以降インド上流鉄鋼事業への参入を4度試みたが、合弁パートナーの選定や用地確保の難航により実現しなかった経緯を明らかにした。

米国では、ポスコが現代製鉄(50%)、現代自動車グループ(15%)、起亜(15%)とともに20%出資するルイジアナ州のEAF(電炉)一貫製鉄所プロジェクトが進行中で、総投資額は58億ドル、ポスコの出資額は約5.82億ドル。2029年の稼働開始を目指し、生産能力270万トン(うち自動車用鋼板180万トン)。2026年に入り、イタリアDanieli社が電炉2基・厚スラブ連続鋳造機2基・スラブ再加熱炉2基の供給元に選定されたほか、Tenova・Danieli連合のENERGIRONコンソーシアムが年産250万トンの直接還元鉄(DRI)プラントの供給元に選定されている。

国主要鉄鋼メーカー3年平均営業利益率
インド10〜14%
米国12〜18%
インドネシア7〜15%
韓国4〜5%

国別鉄鋼業収益率

リチウム:新規投資計画

戦略資源の柱であるリチウム事業については、2033年までに年産能力173,000トン、2035年までに営業利益1.8兆ウォン超を目指す方針が示された。

塩湖リチウムを手がけるポスコ・アルゼンチンは2026年3月に営業黒字に転換した。アルゼンチン政府の大型投資奨励制度(RIGI)の承認も得ており、資料によれば法人税率が35%から25%に、輸出関税が4.5%からゼロに引き下げられるなどの優遇措置が適用される。既に稼働中のフェーズ1(2024年第4四半期商業生産開始、水酸化リチウム年産2.5万トン)、フェーズ2(2026年第4四半期稼働予定、同2.5万トン)に続き、フェーズ3(2027年承認・2030年稼働予定、炭酸リチウム年産2.5万トン)、フェーズ4(2030年承認・2033年稼働予定、同2.5万トン)への投資を進め、2033年までにブライン由来のリチウム生産能力を年産10万トンに引き上げる計画だ。

鉱石リチウムについては、オーストラリアのミネラル・リソーシズ(MinRes)との合弁を通じてリチウム精鉱を年18.7万トン超確保し、持分法適用による安定収益として年間約2,000億ウォンを見込むとしている。出資先はWodgina鉱山とMt. Marion鉱山で、いずれも出資比率は50%。Wodgina鉱山は埋蔵量620万トン、鉱石品位5.5%、生産能力は年75万トン、Mt. Marion鉱山は埋蔵量220万トン、鉱石品位3〜5%、生産能力は年41.4万トンとなっている。精錬能力については、2024年11月に完工しポスコの出資比率が82%のPOSCO Pilbara Lithium Solutionによる既存43,000トンに加え、顧客企業との提携による30,000トンの追加プロジェクトを2027年に承認、2029年の稼働を目指しており、合計73,000トン体制とする計画である。

新技術としては、低品位資源の活用に向けた直接リチウム抽出(DLE)技術の実証を米国ユタ州で計画しており、Anson Resourcesとの提携により2027年着工、2028年の商業級検証を目指すとしている。対象はリチウム濃度500ppm未満・不純物の多い低品位ブライン資源で、探索対象地域は米国・カナダ・アルゼンチン・チリなど米大陸としている。

エネルギー:LNGと再生可能エネルギー

エネルギー資源分野では、LNGバリューチェーンの拡大と再生可能エネルギー事業への参入により、2031年までに営業利益1.4兆ウォン超(売上高9.0兆ウォン)を目指すとしている。上流ではミャンマー・オーストラリアの既存ガス田に加え、2025年にアラスカLNGプロジェクトへの出資を行った。中流ではLNGトレーディング取扱量を2031年までに634.7万トンまで拡大する計画(2025年時点182.2万トン)で、光陽ターミナルのタンク増設なども進める。下流では仁川発電所3・4号機の水素混焼への転換、光陽での地域熱供給事業、東南アジアなど海外での発電事業拡大を計画している。再生可能エネルギーでは、国内の洋上風力発電を2029年までに300MW、2034年までに追加600MW(計900MW超、持分ベース)に拡大する計画に加え、北米を中心とした海外の太陽光発電・蓄電池(BESS)事業にも参入する。

Keikoo

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