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2026年5月 アルミスクラップ輸出統計分析 数量調整進む一方、輸出構造は変化――品目別で異なる需要動向

2026/07/19 16:28
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2026年5月 アルミスクラップ輸出統計分析 数量調整進む一方、輸出構造は変化――品目別で異なる需要動向

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為替相場推移 TTS 3か月

(アルミ合金スクラップ輸出分析)
■数量動向
2026年5月の輸出数量は1万8,515トンと、前月比89%、前年同月比89%となり、2カ月連続で前年水準を下回った。1-5月累計は10万2,912トン(前年同期比92%)と、前年割れが続いている。
仕向地別では、中国向けが5,692トンと最大の輸出先を維持したものの、前月比70%、前年同月比65%と減少した。一方、タイ向けは6,029トン(前月比88%、前年同月比124%)と中国を上回る数量を記録し、堅調な需要を維持している。韓国向けは601トン(前月比117%、前年同月比132%)と回復したものの、輸出全体に占める比率は依然低い。マレーシア向けは3,211トン(前年同月比110%)と持ち直し、ベトナム向けも564トン(同313%)と大幅に増加した。
■総括
5月は輸出数量が再び1万8,000トン台へ減少したが、中国向けの落ち込みをタイ向けやマレーシア向け、ベトナム向けの回復が一定程度補う構図となった。ただ、累計では中国向けのみ前年比105%と前年を上回る一方、韓国、マレーシア、ベトナムは6割前後の水準にとどまり、全体では前年同期比92%と低調な推移が続いている。輸出構造は依然として中国・タイの二極化が鮮明であり、市場の裾野拡大は限定的な状況にある。(表―1、グラフ―1)。




■数量構成比では、2026年4月→5月で、中国向けは39%→31%へ大きく低下したものの、引き続き主要輸出先の一つとなった。一方、タイ向けは33%で横ばいとなり、中国を上回る数量を維持し、最大の輸出先としての存在感を強めた。マレーシア向けは12%→17%へ上昇し、韓国向けも2%→3%へ小幅に拡大した。
この結果、中国・マレーシア・タイの3市場合計は84%→81%へやや低下したものの、輸出の大半を占める構図に変化はない。中国向け比率の低下をマレーシア向けの回復が補う一方、タイ向けは3割超のシェアを維持しており、中国・タイを二本柱とする市場構造が一段と鮮明になっている。その他向けは11%→12%とわずかに上昇し、輸出先の分散は小幅ながら改善した。(グラフ―2)。


 

■金額動向
2026年5月単月の輸出金額は58億39百万円と、前月比93%となったものの、前年同月比116%と前年を上回った。中国向けは21億57百万円(前月比71%、前年同月比85%)と減少し、全体を押し下げた一方、タイ向けは12億97百万円(前月比114%、前年同月比177%)と増加し、中国との差を縮めた。マレーシア向けも6億83百万円(前年同月比170%)、ベトナム向けは2億96百万円(同481%)と大幅に伸長した。
1~5月累計金額は312億94百万円(前年同期比119%)と前年を大きく上回って推移した。中国向けが156億70百万円(前年比128%)と最大の輸出先を維持する一方、タイ向けも56億18百万円(同119%)と堅調で、その他向けも前年比142%と伸びを示した。
■総括
5月は輸出金額が前月からやや減少したものの、前年同月比では二桁増を維持した。中国向けは数量・金額とも調整局面に入った一方、タイ向けやマレーシア向け、ベトナム向けの増加が全体を下支えしている。累計では中国が引き続き最大市場であるものの、タイ向けの存在感が高まっており、中国一極集中から複数市場へ広がる輸出構造が徐々に形成されつつある。(表―2、グラフ―3)。
 


■FOB価格動向
2026年5月は全体平均が300円/kg→315円/kgと前月比で上昇し、前年同月比でも131%と高水準を維持した。LMEアルミ価格は3,601ドル→3,670ドルへ上昇、中国ADC12も3,276ドル→3,450ドルへ値を切り上げた。一方、5月は円高方向への修正が進んだものの、国際相場の上昇がこれを吸収し、輸出FOB価格は総じて堅調に推移した。
主要仕向地では、中国向けが376円→379円/kg、韓国向けが364円→374円/kgと小幅に上昇した。ベトナム向けは444円→525円/kgと大幅に上昇し、インド向けも329円→415円/kgへ急伸した。一方、タイ向けは165円→215円/kgと反発し、マレーシア向けも201円→213円/kgと持ち直した。
■総括
5月は円高が輸出採算の重石となったものの、LMEアルミ価格と中国ADC12価格の上昇を背景に、FOB価格は全体として上昇基調を維持した。中国向けは引き続き高水準を維持し、ベトナムやインド向けでは価格上昇が際立つ一方、タイ向けも反発するなど、4月までの調整局面から再び強含みへ転じる動きがみられた。もっとも、仕向地ごとの価格差は依然大きく、市場ごとの需給環境や品位構成の違いがFOB価格に反映される展開が続いている。(グラフ―4,5)。



 

■今後の展望(アルミ合金・スクラップ市場)
今後数カ月のアルミ合金・スクラップ市場は、在庫調整による下押し圧力が続く一方、供給面の制約から下値も限定される展開が予想される。ホルムズリスクプレミアムの剥落を受けてLMEアルミ相場は一時3,060ドル台まで下落し、国内スクラップや国産ADC12も調整局面に入った。しかし、その後は中東情勢の再緊迫化を背景にLME相場が持ち直し、6月以降の円安再進行も輸入コストを押し上げており、国内相場の下支え要因は依然として残っている。
一方、中国国内需要の低迷を背景に、中国産ADCやゾルバなど海外原料は引き続き軟調で、国内メーカーの買い手姿勢は強まっている。ただ、猛暑による解体工事の遅れなどからスクラップ発生量は低水準が続く見込みで、需給が一気に緩和する状況にはない。高値在庫の整理が一巡すれば、需給は再び引き締まりやすい。
総じて、市場は「戦争プレミアム相場」から「実需・在庫調整相場」へ移行したものの、円安、中東情勢、国内発生薄という三つの下支え要因はなお健在である。当面は国産ADC12で550~570円/kg、UBCで380~400円/kg近辺が一つの下値の目安となりそうだが、中東情勢が再び悪化すればLME相場を通じて「戻りホルムズリスクプレミアム」が意識され、国内相場が反転する可能性も残されている。市場の焦点は、在庫調整の進展と中東情勢の行方、さらに円相場の動向へと移りつつある。


主要税関数量・FOB実績 ( )内は前月実績

主要国別税関別数量・FOB実績 ( )内は前月実績

 


(アルミサッシスクラップ詳細分析・2026年5月時点アップデート)
■数量動向
2026年5月単月の輸出数量は4,285トンと、前月比91%、前年同月比98%となり、前月からやや減少したものの、前年並みの水準を維持した。
仕向地別では、ベトナム向けが2,109トンと最大の輸出先となり、前月比107%と増加した。一方、中国向けは423トンと前月比30%、前年同月比50%まで大きく減少した。韓国向けも91トン(前月比42%、前年同月比22%)と低迷が続いた。一方、その他向けは1,662トン(前月比146%、前年同月比170%)と大幅に増加し、中国向け減少分を補う形となった。
1-5月累計は2万5,978トン(前年同期比131%)と前年を大きく上回って推移した。中国向けは前年比171%と引き続き高水準を維持し、その他向けも同317%と大幅な伸びを示した。一方、ベトナム向けは同83%、韓国向けは同32%にとどまり、輸出先ごとの明暗が鮮明となっている。
総じて、5月は中国向けが急減する一方で、ベトナム向けが再び最大の輸出先となり、その他向けも大幅に増加した。累計では依然として前年を上回る拡大基調を維持しているものの、その牽引役は中国一極ではなく、複数市場へ分散する構造へと変化しつつある。
(表-1,グラフ―1)


■数量構成比では、2026年4月→5月で、ベトナム向けは42%→49%へ上昇し、最大の輸出先としての地位をさらに強めた。一方、中国向けは30%→10%へ大幅に低下し、存在感が急速に縮小した。その他向けは24%→39%へ大きく上昇し、韓国向けは5%→2%へ低下した。
この結果、中国+ベトナムの合計比率は72%→59%へ低下した一方、ベトナム+その他は66%→88%へ上昇し、輸出構成は大きく変化した。従来の「中国・ベトナム中心」から、「ベトナム主導+その他向け拡大」へとシフトしており、中国向け比率の急低下をその他市場向けの増加が補う構図が鮮明になっている。韓国向けは引き続き限定的なシェアにとどまっている。(グラフー2)

■金額動向
2026年5月単月の輸出金額は19億65百万円と、前月比99%でほぼ横ばいとなった一方、前年同月比では153%と大幅に増加した。
輸出先別では、ベトナム向けが10億10百万円(前月比115%、前年同月比157%)と増加し、引き続き最大の輸出市場となった。一方、中国向けは1億11百万円(前月比22%、前年同月比46%)と大幅に減少し、存在感が急速に低下した。その他向けは7億93百万円(前月比156%、前年同月比278%)と大きく増加し、全体を下支えした。韓国向けは51百万円(前月比52%)と低水準が続いている。
1-5月累計金額は106億45百万円(前年同期比171%)と前年を大きく上回った。中国向けは前年比214%と依然高い伸びを維持したほか、その他向けは同425%と大幅に増加した。ベトナム向けも同112%と前年を上回り、輸出市場の多角化が進展している。
■総括
5月は総額こそ前月並みとなったものの、中国向けの急減をベトナム向けとその他向けの増加が補う構図となった。累計では中国向けが依然高い伸びを維持する一方、ベトナム向けとその他向けの存在感が一段と高まっており、アルミサッシスクラップ輸出は特定市場への依存を徐々に弱めながら、輸出先の多様化が進む局面に入っている。(表-2,グラフ―3)


■FOB価格動向
2026年5月の平均FOB価格は421円/kg→459円/kgへ上昇し、前年同月の295円/kgを大きく上回る高水準となった。5月は円高方向への修正が進んだものの、国内アルミスクラップ需給の逼迫や高値圏の国際市況を背景に、輸出価格は引き続き上昇基調を維持した。
仕向地別では、韓国向けが452円→556円/kgと大幅に上昇し、数量は少ないものの最も高い単価となった。ベトナム向けも447円→479円/kg、その他向けも448円→477円/kgへ続伸し、高値圏を維持した。一方、中国向けは356円→263円/kgへ大幅に下落し、数量の急減とあわせて価格面でも調整色が鮮明となった。
5月はLMEアルミ価格が3,601ドルから3,670ドルへ上昇した一方、円高が輸出採算の一部を圧迫したものの、国内スクラップ価格の高止まりがFOB価格を押し上げた。中国向けは価格・数量ともに大きく後退した一方、ベトナム向けやその他向けでは高付加価値取引が続いており、輸出価格は市場ごとの需給や品位構成の違いを反映した二極化が一段と鮮明になっている。(グラフー4)


 

主要税関数量・FOB実績 ( )内は前月実績

 


(切削くず・打ち抜きくず 詳細分析 2026年5月時点アップデート)

■数量動向
2026年5月単月の輸出数量は2,407トンと、前月比65%で大きく減少したものの、前年同月比では174%と高水準を維持した。
中国向けは2,337トンと輸出全体の約97%を占める最大市場で、前月比65%、前年同月比168%となった。4月から数量は減少したものの、中国向けへの高い依存構造に変化はみられない。一方、その他向けは70トン(前月比91%)と小幅減少し、全体に占める割合は引き続き限定的である。
1-5月累計は1万3,453トン(前年同期比194%)と前年を大きく上回って推移した。中国向けは1万3,163トン(前年比209%)と大幅な伸びを維持する一方、その他向けは290トン(同47%)と減少しており、輸出拡大のほぼすべてを中国向けが牽引している。
総じて、5月は前月から数量調整がみられたものの、中国向け需要の強さを背景に前年を大幅に上回る水準を維持した。輸出市場は依然として中国への集中度が極めて高く、中国の需要動向が今後の輸出全体を左右する構図に変化はない。
(表―1、グラフ―1)


■金額動向
2026年5月単月の輸出金額は7億39百万円と、前月比60%で大きく減少したものの、前年同月比では184%と前年を大きく上回った。
中国向けは7億18百万円と輸出金額の大半を占め、前月比60%、前年同月比179%となった。数量の減少を受けて金額も前月から縮小したが、中国向けが輸出全体を牽引する構図に変化はない。一方、その他向けは21百万円(前月比116%)と小幅に増加したものの、全体に占める割合は依然として限定的である。
1-5月累計金額は44億98百万円(前年同期比221%)と前年を大幅に上回って推移した。中国向けは44億20百万円(前年比233%)と著しい伸びを示し、輸出金額のほぼすべてを占める。一方、その他向けは78百万円(同60%)と低水準にとどまっている。
総じて、5月は数量減少に伴い輸出金額も前月から調整したものの、前年同月比では大幅な増加基調を維持した。累計では中国向けが圧倒的な伸びを示しており、切削くず・打ち抜きくず輸出は中国市場への依存度が一段と高まる状況が続いている。(表-2,グラフ―2)
 

■FOB価格動向
FOB価格は、全体平均で2026年4月の332円/kgから5月は307円/kgへ低下した。中国向けも334円→307円/kgと下落し、5月は円高方向への修正が進んだことに加え、中国向け数量の減少や国際市況の調整が価格を押し下げる要因となった。
一方、その他向けは232円→294円/kgへ上昇したものの、数量が少ないため全体への影響は限定的だった。LMEアルミ価格は上昇基調を維持したものの、円高の進行により輸出採算はやや圧迫され、全体のFOB価格は調整色を強めた。
もっとも、中国向けが依然として輸出数量・金額の大半を占めていることから、FOB価格形成は引き続き中国市場の需給動向に左右される構図に変化はない。国際相場は高水準を維持しており、円高が一巡すればFOB価格も再び下支えされる可能性があるが、当面は中国市場の需要動向と為替相場が価格形成の最大の焦点となりそうだ。(グラフー3)


 

主要税関数量・FOB実績 ( )内は前月実績

 

(IRUNIVERSE  S. Aoyama)

 

 

青山 雫

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