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2026年5月 鉛くず輸出統計分析 タイ向け一服も輸出先分散続く 価格は調整色強まる

2026/07/27 07:44
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2026年5月 鉛くず輸出統計分析 タイ向け一服も輸出先分散続く 価格は調整色強まる

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【貿易統計/日本】 2026年5月の鉛くず輸出入推移一覧表


為替相場推移 TTS 3か月

 

(詳細分析)
(概況)
数量は前月から減少した。2026年5月は769トンと前月1,075トン比で前月比72%となり、2カ月ぶりの減少。一方、前年同月(674トン)比では前年同月比114%と前年水準を上回った。主力のインド向けは238トン(前月比92%)と小幅減少し、その他向けも430トン(同53%)へ減少したことから、4月の急増局面は一服した。ただし、マレーシア向けが101トンと再開し、輸出先の分散傾向は維持された。全体としては700トン台へ減少したものの、前年を上回る水準を確保している。
「その他」向け430トンの内訳では、タイ向け262トン(約61%)が引き続き最大で、米国向け152トン(約35%)、中国向け16トンが続いた。4月に比べタイ向けは減少したものの依然として中心的な仕向け先であり、タイ向け単価は217円/kgと全体平均211円/kgをやや上回る水準となった。一方、マレーシア向け輸出が再開されたことで、従来のインド中心構造から複数市場へ分散する動きが継続している。(表―1、グラフ―1)。
 


 

 


■数量構成比では、4月→5月で変化がみられた。

インド:24% → 31%へ上昇
マレーシア:0% → 13%と輸出再開
カンボジア・パキスタン・ラオス:引き続き実績なし
「その他」:76% → 56%へ低下

■補足的整理

5月は「その他」向けが430トンへ減少した一方、インド向けは238トンと構成比を31%まで回復し、マレーシア向けも101トンと再開した。その他の中心は引き続きタイ向け(262トン)だったが、4月ほどの偏重はみられず、インド・マレーシア・タイへ分散した輸出構造となった。ただし、仕向け地構成は依然として月ごとの変動が大きく、スポット案件に左右されやすい不安定な輸出構造が続いている。(グラフ―2)。



 

■金額的には、2026年5月単月は1億62百万円と、前月の2億36百万円比で前月比69%と減少し、前年同月(1億62百万円)比では前年同月比100%と前年並みとなった。主力のインド向けは70百万円(前月比95%、前年同月比81%)と小幅減少した一方、その他向けは79百万円(前月比49%)へ減少し、4月の急増は一服した。マレーシア向けは12百万円と輸出が再開し、金額面でも仕向け先の分散が進んだ。

1-5月累計は9億34百万円で、前年同期比72%。インド向けは5億31百万円(同119%)と前年を上回ったものの、マレーシア向け(同48%)やその他向け(同49%)の低迷が響き、累計では依然として前年水準を下回っている。(表―2、グラフ―3)。



 

■FOB推移は、全体平均で220円/kg→211円/kgとさらに低下した。主要仕向け地では、インド向けが288円/kg→296円/kgへ上昇した一方、マレーシア向けは122円/kgと大幅な低水準となった。また、「その他」の中心となったタイ向けも217円/kgと全体平均をやや上回る程度にとどまり、低価格案件の増加が平均単価を押し下げた。
外部環境では、LME鉛が4月1,923ドルから5月1,991ドルへ上昇した一方、5月は円高方向へ振れたことで円建てFOBには下押し圧力がかかった。それにもかかわらずインド向け単価は上昇したが、タイ・マレーシア向けなど比較的低単価案件の構成比が高まったことから、LME上昇による押し上げ効果を円高と仕向け地構成の変化が相殺し、全体FOBは211円/kgまで低下したとみられる。
総括すると、5月は国際鉛価格が上昇したにもかかわらず、円高進行と輸出先構成の変化が重なり、輸出単価は一段と軟化した月と位置付けられる。数量は前年を上回ったものの、価格面では調整色が鮮明となった。(グラフ―4)。


LME鉛相場推移(USD/T)6カ月

粗鉛(ブリオン)国際相場動向(USD/T)3カ月

主要税関数量・FOB実績 ( )内は前月実績

 主要国別税関別数量・FOB実績 ( )内は前月実績

 


■今後の展望
インド向けは引き続き最大市場の一つであるものの、5月はタイや米国、マレーシア向けなど複数市場への輸出が続き、仕向け先の分散傾向が維持された。LME鉛は上昇基調にある一方、円高進行や低価格案件の増加を背景にFOBは211円/kgまで低下しており、当面は200円/kg台前半を中心とした推移が見込まれる。

今後の輸出動向は、インド需要に加え、タイや米国向けなどスポット案件の発生や為替動向に左右される展開が続こう。

→ 総じて、「インドを主力としつつ、スポット案件による仕向け先の分散が進む変動型市場」が当面の基本シナリオとみられる。


(IRUNIVERSE S. Aoyama)

 

青山 雫

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