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2026年5月 E-SCRAP輸出入統計分析 輸入 高品位原料の流入拡大で輸入額急伸、単価も反発

2026/07/29 14:47
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2026年5月 E-SCRAP輸出入統計分析 輸入 高品位原料の流入拡大で輸入額急伸、単価も反発

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為替相場推移 TTS 3か月

 

■輸入分析(数量)
5月単月は1万5,788トンと、前月(1万6,532トン)から減少し、前月比95%と小幅に反落した。一方、前年同月比では102%と前年並みを維持し、輸入は底堅く推移している。
国別では、オランダが3,272トンと引き続き最大の供給源だったものの、前月比83%、前年同月比77%と減少した。一方、台湾は2,597トン、韓国は885トンとそれぞれ前年を上回り、韓国は前年同月比185%と大幅に増加した。カナダも799トンと前年を大きく上回った一方、米国(2,162トン)やスウェーデン(298トン)は前年を下回った。
総じて、5月は欧州からの調達がやや鈍化した一方、アジア勢がこれを補完する構図となった。累計(1~5月)は8万5,571トン(前年比106%)と前年を上回っており、供給先の分散を伴う緩やかな回復基調が続いている。
(表―1、グラフ―1)。
 


■輸入金額
5月単月の輸入金額は347億22百万円と、前月(281億54百万円)から前月比123%へ増加し、前年同月比でも156%と大幅に伸びた。数量が前月比95%へ減少する中で金額が増えており、高単価品の構成比上昇が全体を押し上げた。
国別では、米国が58億04百万円で最大となり、台湾40億70百万円、インドネシア36億51百万円、韓国36億22百万円が続いた。インドネシアは前月比144%と回復したものの、1~5月累計では前年同期比54%にとどまり、前年からの低迷をなお脱していない。スペインは少量・超高単価品の流入により18億82百万円へ増加した。
「その他」は131億76百万円と引き続き最大カテゴリーを占めた。内訳では、インドが13億94百万円で最大となり、ブラジル11億49百万円、タイ11億30百万円、シンガポール10億50百万円、ベトナム7億59百万円、コロンビア7億09百万円が続いた。東南アジア、南アジア、中南米を中心とする分散調達が全体を下支えしている。
総じて、5月は数量がやや減少した一方、高単価品の増加によって輸入金額が大きく拡大した。主要国に加えて「その他」各国からの調達も広がっており、供給先の多様化と品位・品種構成の変化が金額回復を主導した局面といえる。(表―2、グラフ―2)。



 

■輸入CIF単価(4月→5月)
輸入CIF単価は、全体平均で4月のキロ1,703円から5月は2,199円へ上昇し、前月比129%と反発した。数量が前月比95%へ減少する一方で金額が123%へ増加しており、高単価品の構成比上昇が平均単価を押し上げた。
国別では、韓国が3,047円から4,093円、米国が1,905円から2,685円、オランダが609円から697円、スウェーデンが673円から797円へ上昇した。一方、台湾は1,594円から1,567円、カナダは767円から604円へ低下した。
高単価グループでは、インドネシア品が8,026円から1万2,334円へ上昇し、スペイン品は1,707円から18万8,214円へ急騰した。5月は円高が円建て単価の抑制要因となったものの、スペインをはじめとする少量・超高単価案件や韓国、米国、インドネシアの単価上昇がこれを上回った。総じて、為替よりも品位・品種構成と国別ミックスの変化が単価形成を支配した局面といえる。
(グラフ―3、4)。



 

主要税関別数量・CIF(JPY/Kg)実績 (  )内は前月実績

  主要国別税関別数量・CIF(JPY/Kg)実績 (  )内は前月実績

 

■今後の展望
5月は輸入数量がやや減少した一方、金額とCIF単価は大幅に上昇し、高品位スクラップの流入拡大が鮮明となった。欧州を中心とする数量ベースの調達構造は維持されつつ、米国や韓国、インドネシアなど高付加価値品の比重が高まり、調達の多様化と高級化が同時に進んでいる。
国内では製錬・リサイクル各社の原料確保意欲が引き続き強く、AI関連機器やデータセンター向け電子部材需要の拡大を背景に、高品位E-Scrapへの需要は底堅い。一方で、世界的な資源確保競争の激化や各国の輸出規制強化、さらに円高・円安双方に振れやすい為替環境が調達コストの変動要因となるため、価格は今後も国別ミックスと為替に左右されやすい展開が続こう。
総じて、数量は横ばい圏で推移しつつ、高付加価値原料を中心とした金額・単価は高止まりしやすいとみられる。供給先の分散化は進むものの、良質な電子スクラップを巡る国際競争は一段と強まる可能性が高く、「安定調達と高コスト」が当面の市場テーマとなりそうだ。


■輸出分析(数量)
5月単月の輸出数量は212トンと、前月(134トン)から増加し、前月比158%と2カ月連続で回復した。ただし前年同月比では48%にとどまり、依然として前年水準を大きく下回る。
主力の韓国向けは190トンで前月比143%と増加したものの、前年同月比では56%と低水準だった。一方、その他向けは22トンと前月の1トンから増加したが、全体に占める比率はなお限定的で、韓国一極依存の構図に大きな変化はみられない。
累計(1~5月)は664トン(前年同期比32%)と低迷が続いている。総じて、5月は数量面で持ち直しが続いたものの、その回復は韓国向けに依存しており、輸出全体としては依然として縮小基調から脱していない。
(表―1、グラフ―1)



 

■輸出分析(金額)
5月単月の輸出金額は6億86百万円と、前月(9億63百万円)から減少し、前月比71%と続落した。前年同月比では95%と前年並みの水準となり、前月までのスポット案件による押し上げ効果は一巡した。
国別では、その他向けが3億77百万円で最大となり、韓国向けは2億19百万円と前月比230%へ増加した。一方、英国向けは実績がなく、ドイツ向けも90百万円と前月から減少した。米国向けは引き続き実績がなかった。
累計(1~5月)は46億45百万円(前年同期比139%)と前年を上回るものの、英国やドイツ向けの高額スポット案件の有無が全体金額を大きく左右する構図は変わらない。5月は韓国向けが持ち直した一方、輸出金額全体はスポット案件の減少により落ち着きを取り戻した。(表―2,グラフ―2)



 

■輸出FOB単価(4月→5月)
輸出FOB単価は、韓国向けが4月のキロ716円から5月は1,154円へ上昇した。数量は133トンから190トンへ増加し、単価も回復しており、韓国向け輸出の採算は改善した。
一方、全体平均はキロ7,187円から3,237円へ低下し、前月比45%と大幅に下落した。4月に全体単価を押し上げたドイツ向け超高単価案件(1トン・34万7,072円/kg)が縮小し、英国向けのスポット案件も消失したことが主因である。
5月はその他向けが3億77百万円と増加したものの、4月ほどの超高単価案件は見られず、全体単価は正常化が進んだ。また、5月は円高が円建て価格の押し下げ要因となったが、影響は限定的で、単価形成は引き続き案件構成に大きく左右された。輸出は通常の韓国向けロットと少量・高額スポット案件の組み合わせによって平均単価が大きく変動する構造が続いている。(グラフ―3)


 

主要税関別数量・FOB(JPY/Kg)実績 (  )内は前月実績

主要国別税関別数量・FOB(JPY/Kg)実績 (  )内は前月実績

(IRUNIVERSE S. Aoyama)

 

青山 雫

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