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LME Weekly 2026年7月27日-31日 銅が高値圏維持 供給逼迫と在庫減少で買い優勢

2026/08/03 10:59
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LME Weekly 2026年7月27日-31日 銅が高値圏維持 供給逼迫と在庫減少で買い優勢

【概況】
7月27~31日のLME非鉄相場は、米FOMCの政策金利据え置きやドル安を支えに総じて堅調に推移したものの、週半ばには世界的な半導体関連株の調整や中国景況感への警戒から利益確定売りが入り、品種ごとに明暗が分かれる展開となった。銅は中国の銅スクラップ不足や精製銅需要の底堅さに加え、LME在庫の大幅減少と40ドル前後まで拡大したバックワーデーションを背景に、一時1万3,800ドル台まで上昇し高値圏を維持した。アルミもLME在庫の減少が続き、中東情勢による供給不安や中国の生産上限政策を背景にバックワーデーションが一段と拡大し、3,200ドル近辺まで上伸した。ニッケルはインドネシアの輸出手続き遅延や供給規制強化への懸念を受け17,000ドル台を維持したものの、高水準の在庫や供給余剰見通しが上値を抑えた。亜鉛は主要製錬所の操業障害やLME・SHFE在庫の低下を背景に約4年ぶりの高値圏を維持し、錫もインドネシアの輸出規制や違法採掘取り締まりの強化を支えに5万5,000ドル近辺まで上昇した。全体としては、供給制約や在庫減少が相場を下支えする一方、中国景気やハイテク株の動向が投資家心理を左右し、品種ごとのファンダメンタルズの違いが一段と鮮明となる一週間となった。
(為替概況)日米協調介入観測で157円台へ急落 週前半の円安から流れ一変(NY外為)
7月27~31日のドル円は、週前半の163円台後半から、週後半に157円台まで急落した。27~28日はFOMCと日銀会合を控えて売買が手控えられるなか、日米金利差や押し目買いを背景に163円台後半で底堅く推移。日本当局が介入を見送っているとの見方から、164円を試す円安地合いが続いた。 
29日はFOMCが政策金利を据え置き、追加利上げを明確に示さなかったことでドル売りが優勢となり、163円台前半へ下落した。さらに30日は、米GDPの下振れやPCEの伸び鈍化に加え、円買い介入とみられる急激な円高が進み、ドル円は一時157円98銭、終値付近でも159円49銭まで急落した。 
31日も戻り売りが続き、ドル円は157円63銭まで一段安となった。分析サイト筋は、日銀が公表した当座預金増減要因と短資会社予想との差から、30日のNY時間に約8兆4,500億円規模の介入が実施された可能性を指摘。さらにNY連銀が米大手銀行にユーロ円のレートチェックを行ったとの報道から、日米協調の追加介入観測が強まり、160円が新たな介入警戒水準として意識されたとしている。
総じて、週前半は金利差を背景とする円安基調が続いたものの、週後半は大規模な円買い介入とみられる動きや日米協調介入への警戒によって流れが一変した。ドル円は約6円下落し、国内非鉄建値に対する為替の押し上げ効果も急速に縮小した。ただし、日銀が追加利上げを急ぐ姿勢を示さず、日米金利差も大きいことから、分析サイト筋は介入効果の持続性には慎重な見方が残るとしている。

 

    
東京外為市場
7月31日(金)
東京TTS(基準値)
1ドル=161.72円


前週末
7月24日(金)
東京TTS(基準値)
1ドル=165.01円


に対して3円29銭のドル安円高に。


 

【LME概況】
(カッパー)需給逼迫で13,700ドル台へ上昇 在庫急減とドル安が支え
7月31日の3Mは13,791.0ドルで終了し、前週末(7月24日)の13,645.0ドルに対して146.0ドル高と続伸した。週初は中東情勢の緊張緩和期待や半導体関連株高を背景に13,700ドル台へ上昇。その後は世界的な半導体株安や米・イラン情勢の再緊迫化を受け、29日に13,567.5ドルまで下落したが、30日はFOMCの政策金利据え置きとドル急落、米株の持ち直しを受けて大幅反発した。週末は中国の7月製造業PMIが49.2と予想を下回ったことから小反落したものの、一時13,883ドルまで上昇し、13,700ドル台の高値圏を維持した。
LME在庫は27万6,775トンから24万9,850トンへ約2万7,000トン減少し、現物需給の逼迫感が一段と強まった。現先スプレッドも前週末の8ドル台から一時40ドル台のバックワーデーションへ急拡大し、現物の引き取り需要の強さを映した。一方、COMEX在庫は70万6,328トンから71万6,175トンへ増加し、NYプレミアムも週末には600ドル台へ拡大。米国向け輸入の前倒しや在庫積み増しが続く構図となった。
中国では政治局が大規模な追加刺激策より既存政策の活用を重視する姿勢を示し、週末のPMIも50を割り込んだため需要面への警戒は残った。ただ、LME在庫の急減とバックワーデーション拡大が示す足元の供給逼迫に加え、AIデータセンターや脱炭素投資を背景とする中長期需要期待が下値を支えた。週後半にはドル円が157円台まで急落するなどドル安も追い風となり、銅相場はマクロ面の不安をこなしながら歴史的高値圏を維持した。

LMEカッパー相場推移(オフィシャルUSD/T)3カ月

 


キャンセルワラント比率は前週59%から59%へ、横ばい。需給引き締まり感が継続。


 

 

国内銅建値は、7月15日に20円引き上げの2,290円へ改定された後、中国の精製銅輸入急増や主要鉱山の供給不安、LME在庫の減少を背景に銅相場が急伸し、ドル円も163~165円台の円安水準で推移したことから、21日に20円引き上げの2,310円、22日にはさらに60円引き上げの2,370円と過去最高値を更新した。その後は、LME銅が欧米株安や利益確定売りを受けて調整したことから、24日には50円引き下げの2,320円へ修正された。
しかし週明け28日には、中国の堅調な銅需要やLME在庫の継続的な減少に加え、中東情勢を背景とした供給不安からLME銅が再び1万3,700ドル台へ持ち直したことを受け、国内建値も40円引き上げの2,360円へ再度改定された。現先市場ではバックワーデーションが40ドル前後まで拡大し、COMEXプレミアムも高水準を維持するなど、現物需給の逼迫が価格を支える構図に大きな変化はみられなかった。7月建値は最終的に2,360円で確定し、国内銅価格は引き続き歴史的高値圏を維持して月末を迎えた。

LMEカッパーVS国内建値推移 3カ月

 

(アルミ)3,200ドル台を一時回復 中東供給不安と在庫減少で逆ざや拡大
7月31日の3Mは3,184.0ドルで終了し、前週末(7月24日)の3,159.5ドルに対して24.5ドル高と続伸した。週初は中東情勢の緊張緩和期待から湾岸地域の供給不安がやや後退し、上値の重い場面もみられた。28日は世界的な半導体関連株安を受けて一時3,130.5ドルまで下落したが、29日以降は米・イランの攻撃再開により中東湾岸からの供給懸念が再燃し、買い戻しが優勢となった。30日は半導体株高とドル安も支援材料となり、一時3,211.5ドルと1週間ぶりの高値を付けた。週末は中国製造業PMIの50割れを受けて小反落したものの、3,100ドル台後半を維持した。
LME在庫は27万2,775トンから26万4,400トンへ8,375トン減少し、2022年以来の低水準を更新した。現先市場ではバックワーデーションが前週末の11ドル台から、29日に36ドル台へ急拡大。その後も週末まで32ドル台の逆ざやを維持し、足元の現物需給の引き締まりを鮮明にした。SHFE在庫も減少基調にあり、中国の年間4,500万トンの生産上限が供給余力を抑えるとの見方も相場を支えた。
供給面では、ホルムズ海峡の航行停滞により、世界供給の約9%を占めるペルシャ湾岸地域からの出荷正常化が見通しにくい状況が続いた。一方、Emirates Global AluminiumのAl Taweelahアルミナ製油所が約3カ月半ぶりに再稼働したことは供給不安を幾分和らげる材料となった。ただ、LME・SHFE在庫の減少とバックワーデーションの拡大が示す短期的な供給逼迫感は強く、株式市場や中国景気への警戒に振られながらも、アルミ相場は3,200ドル近辺の高値圏を維持する展開となった。

LMEアルミ(CASH/3M  USD/T)3カ月


 

キャンセルワラント比率は前週12%から10%へ8週連続で低下、需給引き締まり観測の後退が定着した。

 

NSPは前週末(24日)の659円から、27日に655円、28日に654円、29日に653円と小幅に調整したものの、30日にはLMEアルミの上昇と円安進行を背景に665円まで急伸し、月間最高値を更新した。その後、31日は654円へ反落したものの、高値圏を維持して7月を終えた。

背景には、LMEアルミが3,200ドル近辺まで上昇し、LME指定倉庫在庫が26万トン台前半まで減少を続けたことに加え、現先市場のバックワーデーションが一時36ドル台まで拡大するなど、現物需給の逼迫感が一段と強まったことがある。一方、月末は中国製造業PMIの50割れを受けてLME相場がやや反落したものの、在庫減少や逆ざやの継続、ドル円の円安基調が下支えとなり、国内価格も月末まで高値圏を維持する展開となった。
 

LMEアルミVS NSP推移 3カ月

 

(ニッケル)17,000ドル台を維持 インドネシア供給不安で底堅さ
7月31日の3Mは17,249ドルで終了し、前週末(7月24日)の17,379ドルに対して130ドル安と小幅反落した。週初は中東情勢の緊張緩和期待を背景に軟調なスタートとなったが、インドネシアで供給不安が強まったことから押し目買いが入り、30日には一時17,335ドルまで上昇した。その後は、中国の7月製造業PMIが50を下回ったことや利益確定売りを受けて週末は小反落したものの、17,000ドル台を維持して取引を終えた。
LME在庫は26万7,342トンから26万6,172トンへ約1,200トン減少したものの、依然として高水準にあり、需給構造を大きく変えるまでには至っていない。一方、インドネシアでは世界最大のニッケル生産企業である青山控股(Tsingshan Holding Group)系製錬所が、輸出貨物に含まれる希土類成分を巡る当局の検査強化を受け、混合水酸化物沈殿物(MHP)や一部ニッケル製品の積み出しを一時停止したと伝えられた。このため世界最大のニッケル供給国からの輸出停滞への警戒感が強まり、相場を下支えした。
もっとも、インドネシア政府は業界団体や関係省庁との調整を進め、輸出手続きの正常化を急ぐ姿勢を示しており、供給混乱が長期化するとの見方は限定的である。また、2026年のRKAB(鉱石採掘計画)は一部製錬所向けの限定的な追加承認にとどまるとの見方が維持される一方、HPAL設備の増設や下流投資の拡大、高止まりする硫黄コストなどを巡る思惑も交錯している。このため短期的には供給不安が価格を支えるものの、中長期的な供給余剰見通しはなお払拭されておらず、17,000ドル台では戻り売りも入りやすい展開が続いている。


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LMEニッケル(CASH/3M、USD/T)3カ月

 

キャンセルワラント比率は前週6%から4%へ3週ぶりに低下。

 


(鉛・亜鉛・錫)
―鉛3Mは小幅反落 LME在庫は高水準も出庫の動きが下支え
鉛3Mは前週末(7月24日)終値1,887.0ドルに対し、7月31日終値は1,877.5ドルと9.5ドル安となった。週前半はTrafiguraによるシンガポールLME指定倉庫への大量納入を背景とした供給余剰懸念が引き続き相場の重石となったものの、29日には1,899.5ドルまで持ち直し、一時は1,900ドル回復をうかがう場面もみられた。その後は中国の7月製造業PMIが50を下回ったことによる景気減速懸念や利益確定売りから反落し、週末は1,880ドル前後で取引を終えた。
LME市場では、Trafiguraが7月上旬にシンガポール倉庫へ16万トン超の鉛を搬入したことで在庫は1970年以来の高水準へ膨らんだ一方、その後はGlencoreが約3万トン、Hartree Partnersも倉荷証券(ワラント)の取り消しを進めるなど、出庫の動きが目立ち始めた。ただし、これらは必ずしも最終需要家向けの実需を反映するものではなく、倉庫間移動やファイナンス取引の一環との見方も強い。

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このため、可視在庫は依然として高水準で推移しており、自動車用鉛蓄電池需要の伸び悩みもあって2,000ドル回復にはなお距離がある。一方、1,850~1,900ドルでは実需筋の押し目買いが下値を支えており、供給余剰感と出庫増加への期待が交錯するなか、相場は引き続き1,900ドル近辺を中心としたレンジ相場が続いている。


LME鉛価格推移(オフィシャル,USD/T) 3カ月

 

在庫は前週45万トン台から44万トン後半まで減少、前週の大幅ネット流入から調整様相(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前11%から18%へ2週連続で大幅上昇。 


 

国内鉛建値
国内鉛建値は、7月17日に前回比9円引き下げの357円へ改定された。LME鉛相場はTrafiguraによるシンガポールLME指定倉庫への約8万トン規模の大量納入を受け、一時1,880ドル割れまで軟化し、需給緩和への警戒感が建値引き下げの要因となった。しかし、その後は大量納入の影響を市場が徐々に織り込むなか、実需筋の押し目買いに加え、ドル円が164円台まで円安方向へ推移したことから、国内建値は24日に15円引き上げの372円へ改定された。
LME鉛は1,900ドル近辺では戻り売りに上値を抑えられたものの、1,850ドル台では下値の堅さを示し、レンジ相場を維持した。Trafiguraの大量納入による供給緩和懸念は依然残る一方、急速な需給悪化にはつながらず、円安基調も国内価格を支えた。7月建値は最終的に372円で確定し、今後はLME在庫の動向や鉛蓄電池向け実需の回復が相場の方向性を左右する見通しだ。

LME鉛(USD/T)VS国内建値(JPY/Kg)推移 3カ月

 


―亜鉛3Mは3,600ドル台を回復 供給引き締まり観測が相場を下支え
亜鉛3Mは前週末(7月24日)終値3,592.0ドルに対し、7月31日終値は3,643.0ドルと51.0ドル上昇した。週前半は世界的な株高や半導体関連株の上昇を背景に買いが優勢となり、27日には3,611.5ドルまで上昇した。その後は欧米株式市場の調整や利益確定売りから一時3,569.5ドルまで軟化したものの、30日はFOMCの政策金利据え置きを受けたドル安を背景に反発し、週末も中国製造業PMIの50割れによる景気懸念をこなしながら3,643.0ドルと約4年ぶりの高値圏を維持して取引を終えた。
供給面では、韓国製錬所の硫酸設備火災に加え、カザフスタンのKazzinc製錬所の操業制約、ペルーNexa Cajamarquilla製錬所の段階的な復旧、スウェーデンBoliden Garpenberg鉱山の生産不透明感が引き続き意識された。さらに、中国華中地区の製錬所では8月に定期修繕が予定され、1,000~1,500トン程度の減産が見込まれることから、短期的な供給引き締まり観測が一段と強まった。こうした状況を背景に、ILZSGが示す2026年の世界精錬亜鉛市場1万9,000トン供給不足との見方も引き続き相場を支えている。
一方、LME在庫は5月以来の低水準を維持し、上海先物取引所(SHFE)在庫も前週比0.8%減少するなど、現物需給は引き締まり方向を示した。米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を据え置いたことでドル安が進み、ドル建て商品の割安感も買いを誘った。ただ、中国では精錬能力の拡大基調が続いており、中長期的な供給増加観測はなお残ることから、高値圏では利益確定売りも入りやすい。当面は供給引き締まりと増産期待が交錯するなか、3,600ドル前後を中心とした高値圏での推移が続くとみられる。

LME亜鉛(オフィシャル,USD/T) 3カ月

 

在庫は前週11万トン直下からから10万トン前半まで2週連続減少(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週22%から19%へ2週連続低下、ややひっ迫感緩和。

 

国内亜鉛建値は、7月15日に12円引き下げの646円へ改定された後、21日にはさらに9円引き下げの637円へ調整された。しかしその後は、LME亜鉛が米FOMC後のドル安や主要製錬所の供給障害を背景に再び3,600ドル台へ上昇したことに加え、ドル円も164円前後の円安水準を維持したことから、28日には54円引き上げの691円へ改定され、7月建値は同水準で確定した。
韓国製錬所の硫酸設備火災やカザフスタンのKazzinc、ペルーのNexa Cajamarquilla製錬所の操業制約に加え、中国中部製錬所の定期修理やLME・SHFE在庫の減少など供給引き締まり観測が相場を下支えした。一方、中国の精錬亜鉛生産は高水準を維持しており、供給改善期待は依然として残るものの、短期的には供給障害への警戒が優勢となった。国内建値は月後半に急反発し、691円で7月を終える展開となった。

LME亜鉛(USD/T)VS国内建値(JPY/Kg)推移 3カ月

 

―錫3Mは5万5,000ドル台へ上伸 AI需要への期待と供給制約が相場を支える
錫3Mは前週末(7月24日)終値53,781ドルに対し、7月31日終値55,268ドルと1,487ドル上昇した。週前半は世界的な半導体関連株の調整を背景に利益確定売りが先行し、28日には53,583ドルまで下落したものの、その後は米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利据え置きによるドル安や半導体関連株の持ち直しを受けて買い戻しが強まり、30日には54,978ドルまで急伸した。週末は中国の7月製造業PMIが50を下回ったことから上値を抑えられたものの、一時55,000ドル台を回復し、約2カ月ぶりの高値圏で取引を終えた。
市場では、AI関連企業やデータセンター事業者による設備投資が従来予想ほど急拡大しないのではないかとの見方から、短期的にはAIインフラ投資への過熱感を警戒する動きが続いた。一方、AIサーバー向けはんだ需要は2030年までに現在の約3倍へ拡大するとの中長期見通しに大きな変化はなく、押し目では実需を見込んだ買いが入りやすい地合いが維持された。
供給面では、世界最大の輸出国インドネシアで輸出許可手続きの停滞が続き、5月の精製錫輸出は前年同月比40%超減の3,246トンに落ち込んだ。さらに政府は違法採掘の取り締まりを強化し、無許可鉱山から約500トンの錫を押収するなど供給規制を継続している。加えて、鉱山・製錬許認可の厳格化も続いており、世界的な供給制約への警戒感は根強い。
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このため、中国景気の減速懸念やAI関連株の値動きが短期的な相場変動要因となる一方、インドネシアの供給制約とAI・電力インフラ向けの中長期需要期待が相場を下支えしており、錫市場は需給の引き締まりを背景に5万5,000ドル前後の高値圏で推移する展開となった。

LME錫価格推移(セツル,USD/T) 3カ月

 

在庫は前週7000トン台央から6000トン台後半まで2週連続減少(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週20%から20%に横ばい。

 

(マクロ経済結果)
【米国】
7月27日(月)
耐久財受注(6月)
→ 耐久財受注は市場予想を下回ったものの、設備投資関連は底堅さを維持。中東情勢の緊張緩和期待も加わり、銅・アルミは堅調に推移した。
7月28日(火)
消費者信頼感指数(7月)
→ 消費者信頼感は予想を下回り、世界的な半導体株安も重なってLME非鉄は総じて軟調となった。
7月29日(水)
FOMC
→ FRBは政策金利を据え置き。追加利上げ観測が後退しドルは軟化したが、中東情勢の緊迫化から銅は続落。一方、アルミとニッケルは供給不安を背景に反発した。
7月30日(木)
GDP・PCE・新規失業保険申請件数
→ GDPは減速したもののPCEインフレも鈍化し、ドル安が進行。半導体株高も追い風となり、LME非鉄は全面高となった。
7月31日(金)
雇用コスト指数・シカゴPMI・ミシガン大指数
→ 米景気の底堅さが確認された一方、中国PMIが50割れとなり中国需要への懸念が浮上。銅、アルミ、ニッケルは小反落した。
総合評価
今週はFOMC据え置きとPCE鈍化を受けたドル安が非鉄相場を支えた一方、中国PMIの悪化や中東情勢が上値を抑えた。銅は供給逼迫観測、アルミは在庫減少、ニッケルはインドネシアの供給動向など、マクロ要因に加え品種ごとの需給環境が相場を左右する展開となった。
________________________________________
【中国】
7月27日(月)
1~6月工業企業利益
→ 工業企業利益は前年同期比で減少し、製造業全体では依然として利益環境の厳しさが続いた。一方、非鉄金属やハイテク製造業は比較的底堅さを維持し、市場では企業収益よりも銅需給の逼迫が引き続き材料視された。
7月28~30日
→ 中国共産党政治局会議では、大規模な景気刺激策は打ち出されず、既存の財政・金融政策を最大限活用し、需要拡大と供給構造改善を進める方針が示された。市場では追加刺激策への期待がやや後退したものの、政策の継続性は確認されたとの受け止めが優勢だった。
7月31日(金)
製造業・非製造業PMI(7月)
→ 製造業PMIは49台へ低下し景況判断の節目である50を再び下回った。不動産不振や内需の弱さが引き続き重石となる一方、非製造業PMIは拡大基調を維持した。PMIの悪化を受け、LMEでは銅、アルミ、ニッケルに利益確定売りが入ったものの、供給逼迫を背景に下値は限定的だった。
総合評価
今週の中国市場では、政治局会議と7月PMIが最大の材料となった。政治局会議では大規模な景気刺激策は見送られたものの、既存政策の継続による需要下支え方針が確認された。一方、7月の製造業PMIは再び50を下回り、中国景気の力強さにはなお欠けることを示した。
もっとも、非鉄市場では景気指標以上に現物需給が重視された。LME銅は上海在庫の低下やヤンシャン・プレミアムの高止まり、スクラップ不足を背景とした精製銅需要の強さから高値圏を維持し、アルミも在庫減少が相場を支えた。AI・電力インフラ向け需要は引き続き中長期的な支援材料となる一方、不動産市場や個人消費は低迷が続いており、中国経済は「先端製造業・輸出が牽引する一方、内需はなお弱い」という構図に大きな変化はみられなかった。


(マクロ経済イベント)
【米国】
8月3日(月曜日)
・ISM製造業景況指数(7月)
・建設支出(6月)
8月4日(火曜日)
・貿易収支(6月)
・製造業受注(6月)
・耐久財受注(6月確報)
8月5日(水曜日)
・ADP雇用統計(7月)
・ISM非製造業景況指数(7月)
・住宅ローン申請指数(MBA)
8月6日(木曜日)
・新規失業保険申請件数
・卸売在庫(6月確報)
8月7日(金曜日)
・雇用統計(7月)
・消費者信用残高(6月)
→ 今週最大の焦点は7日の米雇用統計となる。FOMCでは政策金利が据え置かれた一方、FRBは依然としてインフレへの警戒姿勢を崩しておらず、市場では9月会合に向けた利下げ・据え置き観測を左右する重要な材料として注目される。
週前半はISM製造業・非製造業景況指数が米景気の底堅さを確認できるかが焦点となる。景況感や雇用指標が市場予想を上回れば、景気敏感金属である銅やアルミには実需期待が追い風となる一方、米金利上昇やドル高を通じて上値を抑える可能性もある。逆に雇用や景況感が弱ければドル安が非鉄相場を支える半面、世界景気への懸念から買いは限定されやすい。
足元ではLME銅が供給逼迫やバックワーデーション拡大を背景に歴史的高値圏を維持しているだけに、米雇用統計を受けたドル相場と長期金利の動向が非鉄市場全体の方向性を左右する一週間となりそうだ。
________________________________________
【中国】
8月3日(月曜日)
・RatingDog製造業PMI(7月)
8月5日(水曜日)
・RatingDogサービス業PMI(7月)
8月9日(日曜日)
・消費者物価指数(CPI、7月)
・生産者物価指数(PPI、7月)
→ 中国では、民間PMIに加え、週末公表予定の7月CPI・PPIが最大の注目材料となる。国家統計局PMIは7月に再び50を下回っており、市場では民間PMIが製造業活動の底堅さを確認できるかが焦点となる。
また、CPIでは個人消費の回復度合い、PPIでは非鉄金属や素材価格の動向を反映した企業物価の改善が注目される。PPIが改善すれば製造業の収益環境改善への期待が高まり、銅やアルミなど景気敏感金属の支援材料となる可能性がある。
一方、中国共産党政治局会議では既存の景気対策を着実に実施する方針が示されたものの、大規模な追加刺激策は打ち出されなかった。このため市場の関心は政策期待から実際の需要動向へ移りつつあり、上海在庫やヤンシャン・プレミアムなど現物需給指標と合わせ、中国需要の持続性を見極める展開となりそうだ。
(IRuniverse/MIRU S. Aoyama)

本記事は執筆者個人の分析および見解であり、IRuniverseの公式見解を示すものではありません。内容は情報提供を目的としたもので、投資判断の根拠として用いることを意
図したものではありません。

 

青山 雫

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