YKK APは9月29日、元経営幹部らによる不正経費申請に関する特別調査委員会の調査報告書を発表した。それによると、2021年4月1日から26年4月30日までの調査対象期間中において、不正経費申請と認定された事案は計402件、約1億3,000万円になる。同社ではこれを受け、ガバナンス強化へ一連の再発防止策を講じるとともに、不正に申請された経費については返還請求するとしている。
YKK APでは、複数の経営幹部による交際費などの不適切な経費処理の疑義を巡り、5月22日に外部有識者で構成する「特別調査委員会」を設置し、真相解明を進めてきていた。
以下が同社発表による調査結果概要と再発防止策などになる。
【特別調査委員会による調査の概要】
・調査対象期間: 2021年4月1日から2026年4月30日までの5年間
・調査方法: 外部専門家(弁護士・公認会計士等)の主導による、関係資料及び会計データの精査、関係者(経営幹部及び従業員)へのヒアリング、デジタルフォレンジック調査、アンケート調査、情報提供窓口の設置など
・ヒアリング対象者・回数: 計44名、91回
・アンケート調査対象者: YKK AP及びそのグループ会社の現・旧経営幹部 計228名
【調査結果及び認定された事実の概要】
特別調査委員会による調査の結果、会社規則に違反した不正経費申請、及びこれに関連する不適切な対応(管理情報の不実記載や、調査に関連する不誠実な調整行為等)が確認されました。
・不正経費申請と認定した事案: 計402件、金額 約1億3300万円
【関係役職員の関与と今後の対応・処分】
本件の不正経費申請を主導、あるいは実行していた関係者に対する処分及び対応は以下の通りです。
・前回5月22日にお知らせした元取締役3名について:
元YKK AP代表取締役会長・元YKK取締役 堀秀充氏、元YKK AP取締役副社長 阿部浩司氏、元YKK AP取締役副社長 海老原功一氏の3名については、2026年6月の両社定時株主総会をもって取締役を退任し、YKKグループにおける一切の職を退いております。
・その他の経営幹部について:
元YKK AP取締役副会長 山地慎一郎氏は、2026年8月31日付で取締役副会長を退任いたしました。
その他の経営幹部に関しては、社内規程に基づき、順次懲戒処分を行ってまいります。
なお、不正に申請された経費につきましては、返還請求を進めてまいります。
【再発防止策】
特別調査委員会の提言を厳粛に受け止め、以下の再発防止策を講じ、ガバナンスの強化を図ってまいります。
YKKグループ全体においては、YKK代表取締役会長である大谷裕明がYKK APの取締役会議長を兼務するなどグループ全体の経営管理体制を強化するとともに、YKK APにおいては、「企業風土の改善(経営幹部及び次世代リーダーによる組織変革・意識改革と、それに基づく全社対話の実施など)」「経営幹部へのけん制機能強化(承認権限の限定と承認者教育の実施など)」「接待交際のあり方の見直し(接待・社内飲食のルール再整備など)」を行います。
【経営陣の責任】
ここまでの事態に至ってしまったことを極めて重く受け止め、取締役として自らを律し、全社的な改革・改善活動を率先して推進する決意を示すため、YKK AP経営陣の代表取締役社長 魚津彰、代表取締役副社長 岩渕公祐、取締役 大谷裕明などは、役員報酬の一部を自主返上いたします。