東レ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:大矢 光雄」)は、10月15日、原糸に占めるリサイクル由来原料比率93%以上(※1)を達成したポリエステル・ナイロン複合繊維を開発したと発表した。開発繊維は、東レのリサイクル繊維ブランド「&+®(アンドプラス)」で培ってきたリサイクル原料活用技術を基盤に、ポリエステルとナイロン双方にリサイクル由来原料を適用した複合繊維になる。
一般的に複合繊維は、機能性の付与に加え、高感性な風合いや繊細な表情を生み出せる一方で、異なるポリマーを合成する構造上、品質の安定性を保ちながらリサイクル由来原料を高比率で適用することが容易ではない。今回東レは、長年培ってきたポリマー設計技術および複合紡糸技術を活用することで、原糸中のリサイクル由来原料比率93%以上を実現。今後は量産化に向けた検証を進めるとともに、将来的には100%リサイクル由来原料による複合繊維の実現を目指す。
近年、ファッション市場では環境配慮型素材の採用が標準的な要件となりつつある一方で、高価格帯・ラグジュアリー領域では、原料由来に関する要請だけでなく、素材そのものの美しさ、仕立て映え、風合い、耐久性といった感性価値を高い次元で満たすことが求められている。
東レは、同開発繊維を活用した新しいテキスタイル「ARTIROSA® CX(アーティローザ シーエックス)」を提案。「ARTIROSA® CX」は、リサイクル由来原料を高比率で採用していることに加え、東レが長年培ってきた複合紡糸技術と、日本の繊維産地が有する織り、編み、染色、仕上げのノウハウを掛け合わせることで、高感性・高機能を両立したテキスタイルだ。高密度で緻密な表面感と、シャープで洗練された風合いを特長としている。また、生地設計や後加工との組み合わせによって、防水性、耐久撥水性、防風性などの実用性を付与することが可能。従来の機能素材特有の表情を前面に打ち出すのではなく、上質で洗練された美しい質感と、コンパクトで都会的な表情を実現する。
今後、東レは「ARTIROSA® CX」を、メンズ・レディスのアウター、都市型アウトドア、プレミアムカジュアルなど幅広い分野に向けて提案していく。ナイロン交織や天然繊維との複合、各種後加工との組み合わせにより、日本ならではの精緻なものづくりに根ざした高感性テキスタイルの開発をさらに推進していく。
<ARTIROSA® CX(アーティローザ シーエックス)の詳細について>
1.特長:
- リサイクル由来原料を高比率で用いた複合繊維を使用
- PFASに該当する物質を撥水加工剤として意図的に使用せず、素材・設計・加工に応じて優れた撥水性や耐久撥水性を付与可能
- 高密度で緻密な表面感と、シャープで洗練された風合いを実現
- メンズ・レディス用アウターやアウトドア用途に適した、感性価値と実用性能を両立
2.技術概要:
- 東レが培ってきた独自のポリマー設計技術、複合紡糸技術により、ポリエステル・ナイロン複合繊維で双方にリサイクル由来原料を適用し、原糸中のリサイクル由来比率93%以上を達成
- 日本の繊維産地が有する高密度織物設計、染色、後加工、仕上げのノウハウを掛け合わせることで、「ARTIROSA® CX」ならではの高感性な質感と機能性を実現
- 素材や生地設計、後加工の組み合わせにより、防水性、耐久撥水性、防風性などの機能付与に対応
3.発売時期:2027年秋冬シーズン向けより販売開始予定
4.販売計画:
- 数量: 初年度 20万m
- 展開用途:メンズ・レディス用アウター、都市型アウトドア、プレミアムカジュアル等
<用語説明>
※1 リサイクル由来原料比率93%以上
本開発繊維のリサイクル材含有率は、原糸総重量を分母とした質量基準で93%以上の割合である。

開発した複合繊維 断面(加工前)

ARTIROSA® CX 表面(加工後)

ARTIROSA® CX 断面(加工後)

「東レ100周年繊維総合展」でのサンプル展示
(IR universe rr)