国際リサイクル貿易協会BIR(Bureau of International Recycling)は10月26日、スペイン・マラガで第157回世界リサイクル大会を開幕した。同地での開催はBIR史上初となる。58カ国663社から1,501人が登録し、10月開催の大会としては過去最大規模となった。開幕プレナリーでは業界の将来を担う人材育成が主要テーマに据えられ、BIR会長スージー・バレッジが2日間のプログラムの基調を示した。
バレッジは開会挨拶で、業界が直面する課題を率直に述べた。貿易規制の強化、規制の複雑化、経済の先行き不透明感がいずれも増している。それでも、リサイクルがこれほど重要視される時代はなかったとし、次世代に業界を引き継ぐ人材の確保は、原料・市場・技術へのアクセスと並ぶ戦略的課題だと訴えた。人材の獲得・定着は単なる人事部門の問題ではなく、長期的な競争力に直結すると強調した。
基調講演はユース研究者でリーダーシップコーチのシモン・シュネッツァーが担当し、リサイクル業界で働く若手専門家を対象に事前実施したアンケートとインタビューの結果を発表した。業界に「偶然入った」という人が圧倒的に多いという事実が中心的なテーマとなり、バレッジが参加者に挙手を求めたところ、会場の大多数が手を挙げる場面もあった。シュネッツァーはZ世代に関わる三つのテーマを論じた。Z世代の主要な動機としての「経済的安定」、30歳未満に高まっているメンタル負荷、そしてAIが若者の学び方・信頼の仕方・思考方法に与える影響だ。その後、若手BIR会員3名がシュネッツァーとともに登壇し、業界に入った経緯や定着の理由を語るとともに、業界をより見える形で発信するための具体的な提言を行った。
「フューチャー・リサイクラーズ」イニシアティブを発足
バレッジは開幕セッションの締めくくりとして、新イニシアティブ「フューチャー・リサイクラーズ(Future Recyclers)」の発足を発表した。今年初めにインドのジャイプール市内の大学を訪問し、800人の女子学生を前に講演したことが着想の原点だったと明かした。同イニシアティブはまず大学生を対象に、工学・理学・会計・物流・テクノロジーなど幅広い専攻がリサイクル業界でのキャリアにつながることを伝えていく。大会の展示エリアに専用ブースが設けられ、会員各社からアイデアや社内のイノベーション事例の提供を呼びかけた。バレッジは、次世代の人材に「この業界で活躍できる」と感じてもらうための取り組みに全員が参加するよう求めた。
午後のプログラムでは各部門セッションが続いた。各セッションの詳細は別途報告する。
出所:BIR第157回世界リサイクル大会(マラガ)、開幕セッション、2026年10月