予想レンジ
項目 | 11月予想レンジ | 見方 |
|---|---|---|
LME現物 | 2,900~3,250ドル/t | 10月平均比で横ばい~小幅安 |
スクラップ | ▲5~▲20円/kg | 10月末比で下落、缶・スソ物は弱い |
ドル円 | 155~161円 | 月平均は10月比で横ばい |
■国際概況
10月のLMEアルミ現物セツルメントは月平均3,061.11ドル/トンで、9月の3,276.82ドルから6.6%下落した。15日は2,999ドルと3,000ドルを一時割り込んだが、月末30日は3,114ドルへ回復。月末3か月物公式価格は3,080ドル。LME在庫は9月末24万1,375トンから23万1,200トンへ減少しており、価格調整と在庫減少が同時に進んだ。
11月のLMEアルミは10月平均比で横ばいから小幅安を予想する。取引所在庫の減少が下値を支えるものの、国内では自動車販売と建設需要の弱さが残る。二次合金メーカーの採算改善も遅れ、国内スクラップ買値は下落基調が続くとみる。関西では11月前半の原料買値引き下げや数量制限が伝えられており、メーカーの原料在庫調整が荷動きを抑える見通し。
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート 10月の月中平均TTMは157.98円、月末は157.54円。三菱UFJ銀行公表のTTSとTTBの中間値で算出した。11月は155~161円を想定し、米金融政策と日銀の政策姿勢による円換算価格の変化を注視する。

【国内指標】
【自動車生産】
2026年9月の国内生産は、乗用車メーカー8社合計73万4,353台、前年同月比+1.4%(各社速報合算)。8月48万7,195台から回復した。トヨタ31万9,195台、日産5万4,708台、ホンダ6万2,356台、スズキ8万9,516台、マツダ5万9,110台、SUBARU4万5,157台、三菱3万9,634台、ダイハツ6万4,677台。メーカー間の強弱があり、回復の持続性を見極める。
月 | 7月 | 8月 | 9月 速報 |
|---|---|---|---|
8社生産 | 761,142台 | 487,195台 | 734,353台 |
前年比 | +7.9% | ▲5.9% | +1.4% |

【自動車販売】
2026年10月の国内新車販売は、登録車24万9,180台(前年比+0.5%)、軽自動車13万2,576台(▲10.0%)で、合計38万1,756台(▲3.4%)。全体では7か月ぶりの前年割れとなった。生産回復と販売減速が並行しており、材料需要は販売台数だけで判断せず、部品メーカーの稼働と受注を併せて見る。
月 | 8月 | 9月 実績 | 10月 速報 |
|---|---|---|---|
新車販売 | 307,374台 | 433,683台 | 381,756台 |
前年比 | +2.0% | +1.3% | ▲3.4% |

【住宅着工戸数】
9月の新設住宅着工は6万1,826戸、前年同月比▲2.7%で6か月ぶりに減少した。持家1万7,648戸(▲3.4%)、貸家2万8,046戸(▲1.6%)、分譲1万5,688戸(▲4.5%)。季節調整済年率は71.4万戸、前月比▲5.2%で3か月連続減。建設向け需要は、前年反動だけでは説明しにくい弱さが残る。
【アルミ圧延品 生産と出荷】
9月のアルミ圧延品(板類・押出類合計)は、生産14万899トン(前年比▲0.9%)、出荷14万1,151トン(▲1.6%)。出荷は7か月ぶりに減少した。板類8万9,166トン(▲0.3%)、押出類5万1,985トン(▲3.8%)。押出の建設向けは2万6,292トン(▲11.6%)だが、自動車向けは1万2,702トン(+9.6%)と用途差が大きい。
月 | 7月 | 8月 | 9月 |
|---|---|---|---|
圧延品生産 | 152,254t | 116,183t | 140,899t |
圧延品出荷 | 154,903t | 119,196t | 141,151t |
出荷前年比 | +6.1% | +0.2% | ▲1.6% |

【アルミニウム二次地金 同合金地金等生産実績】
9月のアルミ二次地金・同合金地金等は、生産6万6,659トン(前年比12.5%増)、出荷6万5,696トン(12.0%増)。8月の生産4万9,284トン、出荷5万793トンから回復した。ただし、2025年12月から集計工場数が増えているため、前年比の伸びには集計範囲の拡大も含まれる。生産量は協会の生産欄の合計で、受入の「その他」を含まない。
月 | 7月 | 8月 | 9月 |
|---|---|---|---|
二次地金等生産 | 71,237t | 49,284t | 66,659t |
同 出荷 | 70,024t | 50,793t | 65,696t |

◆貿易関連指標 2026年5~9月実績
財務省貿易統計の統計品別表から全掲載品目を集計。輸出は9月まで確報、輸入は8月まで確報・9月は9桁速報。kgからtへ換算して四捨五入。新地金はHS760110、合金地金はHS760120(二次合金含む。再生塊だけの数量は分離不可)。輸出スクラップは缶を除くHS7602、缶はHS760200100、輸入スクラップはHS7602合計。
【輸出】
品目 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
|---|---|---|---|---|---|
新地金 | 577t | 208t | 69t | 111t | 126t |
合金地金 二次含む | 848t | 729t | 720t | 643t | 704t |
スクラップ 缶除く | 25,210t | 30,492t | 34,001t | 34,334t | 34,078t |
缶スクラップ | 4,317t | 5,390t | 5,471t | 3,358t | 2,217t |


【輸入】
品目 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
|---|---|---|---|---|---|
新地金 | 65,894t | 88,706t | 84,427t | 89,024t | 91,665t |
合金地金 二次含む | 77,962t | 83,906t | 104,624t | 105,206t | 86,216t |
スクラップ合計 | 15,101t | 17,535t | 15,506t | 10,085t | 9,376t |


■国内概況まとめ
10月の国内アルミ市場は、LME月平均が3,061.11ドルへ下落し、10月積み二次合金販価もキロ5~10円安となった。11月初めの関西地区では合金メーカーの原料在庫過多や数量制限、缶プレスの輸出向け荷動き停滞が伝えられている。取引所在庫の減少とは対照的に、国内の一部原料では荷余り感が強まっている。
実需では、9月の8社国内自動車生産が73万4,353台へ回復し、二次地金・合金等の生産も6万6,659トンとなった。一方、10月新車販売は38万1,756台、9月住宅着工は6万1,826戸へ減少。圧延品出荷は14万1,151トンと前年割れで、建設向けの弱さが残る。自動車向けでも板と押出で動きが異なる。
9月のアルミスクラップ輸出は缶を除き3万4,078トン、缶は2,217トン。輸入スクラップは9,376トン、合金地金輸入は8万6,216トンだった。輸入量は8月から減ったものの、11月の国内原料市場は数量制限と缶プレスの荷動き停滞が重なり、メーカー・市中双方の在庫調整が遅れるとみる。
【11月見通し】 実需は前年同月比、在庫は10月末比の予想。原料需給は関西地区を中心とした見方。
【自動車生産】 11月は前年同月並みを予想する。9月の8社国内生産は前年比1.4%増まで回復したが、10月新車販売の減少を受け、増産の勢いは鈍るとみる。自動車向け素材需要は横ばい圏にとどまる見通し。
【自動車販売】 11月は前年同月比で小幅減を予想する。10月に軽自動車が二桁減となった流れが残り、登録車の底堅さだけでは全体の減少を補い切れないとみる。
【住宅着工戸数】 11月は前年同月比減少を予想する。着工の弱さに建設コスト高やサッシの樹脂化が重なり、建材向けアルミ押出品需要は前年割れが続くとみる。
【アルミ圧延品】 11月の出荷は前年同月比で小幅減を予想する。半導体関連の板材と自動車向け押出材は底堅いが、主力の建設向けの減少を補い切れず、板・押出合計では弱含む見通し。
【アルミ二次合金】 11月の公表生産量は集計工場数増の影響もあり前年同月比増を見込むが、集計範囲が同じ場合の生産はおおむね横ばいと予想する。自動車向け需要の伸びは鈍く、メーカーの国内スクラップ購入量は抑制が続くとみる。
【スクラップ景況感】 11月は関西の二次合金メーカーで原料の供給余剰が続くと予想する。メーカー原料在庫は高水準で横ばいとなり、購入数量の制限も残る見通し。市中は発生が低調でも出荷の減少が上回り、缶プレス・スソ物を中心に10月末比で在庫が増加するとみる。展伸材向けの良質な新切・サッシ類は相対的に荷動きを維持し、市中在庫は横ばいを予想する。
【LME・為替・国内買値予想】 LME現物は2,900~3,250ドル/トン、ドル円は155~161円を想定する。LME月平均は10月比で横ばいから小幅安、国内スクラップ買値は10月末比で下落を予想。下げ幅はキロ5~20円を中心に、缶・スソ物ほど下押し圧力が強いとみる。
11月の国内アルミスクラップ市場は、メーカーの原料在庫調整と市中在庫の増加が重なり、荷動き・価格とも弱含む見通しである。缶プレスは輸出向けの停滞を国内需要で吸収しにくく、荷余りが続くとみる。良質材の需給は比較的均衡するものの、相場全体を押し上げるほどの需要増は見込みにくい。