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小型家電リサイクル法への疑問 その2~続・認定事業者の質的な問題について~

2014.03.17 08:30

(その1の続き)

大手非鉄製錬メーカーのリサイクル担当の次の言葉が小型家電リサイクル(の認定事業者)に期待していないということを如実に示している。

「小型家電リサイクルで取引証明の申請はかなり増えたが、そこからのスクラップはほとんど入ってきていない」と言う。非鉄製錬メーカーは最近では小型家電リサイクルで取引申請してくる業者に一種の疑問をもっているようで実際申請してくる業者がどういう業者なのか、そのPROFILEを念入りに調べているという。これが、前回(その1)報じた、国(環境省、経産省)がじっくり3カ月もかけて審査した小型家電リサイクル認定事業者の「信頼性」なのである。

 

要するに認定を申請する事業者は取引申請で当該非鉄製錬メーカーに小型家電を処理した破砕品(金銀滓)または基板等を送る、というリサイクルフローを書いているのだが、その実、受け手である製錬メーカーにスクラップは入ってきていないのが現実。ではどこへ?というとやはり雑品輸出ルートに流れている可能性が大といわざる得ない。

 

この点、前回でも述べたが、国は認定事業者が雑品輸出などに向かう訳がない、という前提で考えているようだが「知らぬは亭主ばかりなり」ということわざにもあるように、一度全ての認定事業者の小型家電リサイクルのフローをトレースしてみることをお勧めする。良きトレース方法も後述している。

 

よくよく聞くことだが、自治体で出てくる小型家電。このなかにはこたつなども混在しており、スクラップ価値としてはなかなか値段をつけるのが難しいものが多い。かつては埋め立て処分に向かっていたようなものも家電スクラップでひとくくりにされている。このかつては埋め立てていたものは2000年以降の中国向け雑品輸出ブームで埋めたて処理が激減したことは業界ではつとに有名な話である。

 

言いきってしまうと、そういった雑品まがいの、小型家電とは言い難い、単なる不燃物ゴミの集まりにキロ10円~15円、甚だしい場合には50円以上の落札価格がついているのだが、これは国内循環&適正処理を前提としたリサイクルではまず採算的に合わない。もしも、赤字覚悟でボランティアでやっているのだというなら別だが、その可能性はゼロに近いが「実績作り」として赤字価格で落札を続けている関東圏の認定事業者は2社で取り合いをやっているので赤字覚悟は事実であろう。重量ベースで物があればいいという考え方、

しかし

そもそも「実績作り」で赤字落札というのは廃掃法の理念からも、小型家電リサイクル法の理念からも逸脱しているのではないか?

 

実際、こうした小型家電混じりの自治体排出物では認定事業者が入札の優先順位に不用品、廃棄物を上に持ってきているという。雑品輸出用のネタ確保か?と訝る。

 

実績作りでも、まだ中国向け雑品輸出市場が動いていれば格好もつくだろうが、現在のように雑品輸出が止まっている状態ではそう無理もできまい。今後は無理な入札価格は急減していくと思われる。

それこそが一番のシグナルである。雑品輸出が止まったから無理な入札価格は出せない、という。

 

昨年の3月14日に愛知県一宮市での小型家電スクラップの落札価格は春日商会という会社がキロ21円で落とした。2位のアビヅとは10円以上の開きがあった。今年は「認定事業者限定」の入札となったのだが結果が待ち遠しいところ。

 

ハッキリ言って玉石混合という言葉がふさわしい35社の認定事業者。じっくり時間をかけて審査したお役所の方々もどこをどう見て選んでいるのかその目の節穴ぶりには驚かされる。認定事業者は正しい業者、環境省が止めようとしている雑品輸出などによもや放り込んでいるはずはない、という過信、誤信がある。無論、まじめに取り組んでいる認定事業者の方々がほとんどであろう。しかし、各地から寄せられる現場情報からは、国が認めた業者にはふさわしくない行動が見え隠れする。

 

中古家電、家電雑品の輸出を本気で止めるのなら有効な手段がある。

古紙の抜き取りで自治体の歳入が落ちたときに出てきたアイデアだが、対象物(この場合では廃家電)にICタグ、QRコード、無線マーカー、赤外線マーカーをつけるというもので、こういったユビキタス技術を小型家電リサイクルフローのトレースに用いることをお勧めする。

 

市町村ごとで引き取った小型家電から得られた金属回収量は環境省に報告する義務はあり、携帯、スマホ、パソコンは個別台数を報告しなければならないが、これは自主申告に過ぎず、第3者の客観的な証明は必要ない。具体的にいうと非鉄製錬所等のリサイクル処理の証明を提出する義務はない。

国のお役所仕事ではよくあることだが、最初の入り口は慎重に見ているのだが、あとは知らぬ存ぜぬ。

輸出されようが不法投棄されようがお咎めなし。排出事業者の方々はこの点、よくよく見極めて委託処理業者を決めたほうが良い。

 

(IRUNIV棚町裕次)

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