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IRRSG2019新春記念「LIB SUMMIT2019」 リチウムイオン電池、第二ステージへ飛躍

2019.02.01 12:45

 昨年に引き続き、リチウムイオン電池の生みの親で旭化成株式会社名誉フォローの吉野彰氏の基調講演から講演会がスタートし、吉野氏を加えた7名が登壇した。冒頭、吉野氏は「今、興味があるのは、新しい元号に向けて日本がどう変わるのかだ」語った。

 

 1月31日午後、都内学士会館において、IRRSG2019新春記念講演会「LIB SUMMIT2019」が開催された。

 

 

 

 

【1】平成から次の元号に変わるとともに、LiBの第二の人生

写真 吉野氏自身の研究開発テーマとして掲げたLiBが、昭和から平成に切り替わるタイミングで世の中に普及し始めた。これがLiBの最初の人生だと吉野氏は言う。そして、平成から新しい元号に切り替わるタイミングで、LiBの第二の人生(第二ステージ)が始まると言う。

 

 吉野氏は、世の中が高度な情報社会に進む先駆けとなる1995年ウインドウズ95発売とともに、LiB市場が急速に拡大したと言う。そして、今、第四次産業革命に突入する中でも、LiBが活躍するだろうと言う。ただ、平成が終わるとともに、LiBの役目がこれまでと変わると同氏は言う。

 

 過去の産業革命は、社会を良くする反面、負の遺産として様々な問題、特に環境問題が発生した。第四次産業革命においては、新しい技術が人工知能(AI)や更に高度な情報収集機能IoT(Internet of Things)だけでなく、環境を良くすることが必要である。環境を良くする役割にLiBは活躍するだろうと言う。

 

 吉野氏は、これからLiBが活躍できる場とLiBの第二の人生の位置付けを7分程度の動画にして一般公開している(下記のURL)。この動画が吉野氏の思い描く、LiBとそれを活用した社会だ。

 

 ●http://www.kri-inc.jp/index_e.html

または

 ●http://www.kri-inc.jp/aboutkri/video/AIEV/player_kri-AIEV_PV_e2.html

 

 

【2】自動車新時代に向けた日本の戦略

写真 続いて、経済産業省 製造産業局自動車課 電池・次世代技術室長の石川浩氏が、自動車新時代の到来に向けて、単に自動車業界の革新面だけでなく、エネルギー政策の視点やモビリティーの視点から、日本の自動車産業の期待するところ、目指すところを語った。

 

 日本の自動車保有台数は頭打ちだが、これからも新興国を中心に世界の保有台数が増え続けて行く。ただ、何もしなければ、自動車保有台数が増えるだけCO2増加する。そしてCOP21の目標からも、何か行う必要がある。自動車のEV化に伴い、使用する電気を発電する際の環境負荷も低減しなければならない。また、LiBに必要な資源確保、全固体電池などLiBの技術革新も求められる。電池のリサイクル、リユースの取り組みも必要だ。こうした動きに対して、経済産業省や日本政府は、日本国内だけでなく、世界各国と、これからも議論・協議を重ねて行くと言う。

 

 

【3】これからのクルマ社会

写真 日産自動車株式会社 渉外部担当部長兼グローバル技術渉外部 技術企画部主管 吉田誠氏が、これからのクルマ社会に向けて日産の取り組みを語った。吉田氏は、冒頭、「2025年の予想」として、日産が描く近未来のEVと社会の在り方を紹介した。そして、今後、EVを利用する上で求められるのが、パーソナルな充電、クルマに搭載された電池をクルマ以外の電源に活用、カーシェアの普及に伴い近距離移動の利用と電池の小型化を挙げた。ここから、多様なEVが求められるだろうと、吉田氏は言う。

 

 日本を中心にCHAdeMOの急速充電規格を広めて行く。そこには、EV市場が急拡大する中国だけでなく、EVの普及が進む欧州やアジア諸国など多くの国々にも参加を呼び掛けていると、吉田氏は言う。また、日産関連会社の4Rエナジーを中心にLiBの回収、再利用も進めている。ただ、回収率の低いところが悩みだと言う。そして、再利用時のLiBの性能保証規格が、まだ国内でも整っていない点も、LiBの高い回収率や中古EV市場の発展に対しての課題だと言う。

 

 

【4】クルマ使用時のCO2排出を減らす

写真 本田技研工業株式会社 標準化推進部 技師 野口実氏は、CO2削減のためのクルマのEV化と、EVに充電する元の電力発電における「Well to Wheelで考えたCO2排出」の面から、CO2削減を訴えた。そして、LiBの安定供給のため、LiBの原材料となる資源確保の必要性、稼働率1割以下のEVの活用(カーシェア)、中古EVの残価値を上げるための工夫が必要だと言う。そして、日本国内におけるxEVを含めた自動車のリサイクル、リユースの回収率を高める方法について、業界を跨いで議論して行きたいと提案された。

 

 ホンダが考えるxEVの在り方は、都市内の短距離移動と都市間の長距離移動、または乗用車や輸送、公共機関など、様々なケースでxEVやFCVを使い分けるべきだと言う。また、中国だけでなく、EVの輸出先を全方位で取り組んで行くと語った。

 

 

【5】車載用リチウムイオン電池の危険物輸送規則の改正状況

写真 株式会社エーワイイー 代表取締役 朝倉吉隆氏は、LiBの回収も含めてLiBの安全性について、LiBが危険物輸送規則になった経緯と、LiBを搭載した車両の輸送規則について講演した。

 

 LiBが原因の発火・火災事故が問題となっている。2008年の電気用品安全施行令では、LiBを搭載した自動車などの扱いが不十分だったが、国連機関を通じて電動車両と電池の輸送に関する安全基準の制定を進めた。そして、LiBと、LiBを搭載した車両にもUN番号と品名(PSN)を付けた。また、FCVも引火性高圧ガスを燃料とするため、同様のUN番号、品名(PSN)を付けた。そして、品質管理システムに基づいて生産したLiBであることを前提に、荷主責任のもとでLiBを輸送することになる。

 

 

【6】国内外のHV、EV中古車輸出動向

写真 山口大学 国際総合科学部准教授の阿部新氏は、日本や海外からの中古HEVやEVの輸出状況を中心に、一部、本公演直前に入手した昨年末の最新データまで加えて報告した。

 

 前回、2017年までの統計データから阿部氏は日本からのHEVの中古車がアジアやニュージーランド、ロシアなどに輸出されていることを語った。2018年の日本からのHEV輸出先は、2017年と同様にモンゴルやスリランカ、ロシア、ニュージーランドなどが挙げられた。今回、日本以外の国からの中古HEVやEVの輸出を見ると、欧州からは欧州内に留まる傾向や、米国から中東やアフリカ向けが多いこと、韓国の中古HEVの輸出がないことなどがわかってきた。中古HEV、EVについて、国による違いが改めて浮き彫りになった。

 

 

【7】中国のEV市場動向とLiB用正極材

写真 最後に、Pulead Japan代表取締役社長の野見山芳正氏が、中国のEV市場の動向を中心に語った。まず冒頭に、クルマの消費は中国が米国より大きく、また、2018年の自動車生産台数も中国が米国より多いことを述べた。そして、中国が海外からの自動車の輸入台数が少ない。また、中国は、環境問題の面からも国策として、内燃機関(ICE)車の製造販売中止を目論み、EV化を積極的に導入していると野見山氏は言う。また、EVに対する補助金制度も国と地方政府の両面から見直しを進めているが、最終的に中国EVメーカーは2021年までに補助金ゼロに向けて、企業の生き残りをかけて様々な検討が進められていると言う。

 

 また、講演後半は、Pulead社が中国において原料から電池材料、EVバックまで垂直統合したLiBの生産、特に正極材を中心に語った。

 

 

【講演終了後】サプライズ

 講演終了後、サプライズ企画として、前日、誕生日を迎えられた吉野彰氏に対して、花束贈呈を行った。その後、吉野先生による乾杯となった。この日は、東京地方も夜、雨から雪に変わる天気予報のため、雪が強くなると交通機関の混乱などもあり得たが、多くの方が懇親会会場に残り、親睦を深めた。

 

 

写真

 

 

(K.AKIYAMA)

 

 

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