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企業動向シリーズ#217 クリーンロボットのローツェ 20/2上期決算説明会

2019.10.23 08:41

 世界中の半導体、FPD製造工場で使われているローツェ(6323)のクリーンロボット。 同社の20/2上期は10.%増収72%営利増も通期7.6%増収4.4%営利増予想に変更なく増額見通し。

 

 

要 約

 ・クリーンロボットのローツェとして半導体・液晶ガラス基板製造用搬送装置を主力に成長

 ・19/2期は40%減収ながら37.2%営利増と前期低採算特需納入が無くなり利益回復

 ・20/2上期は10.0%増収、72%営利増益と計画比売上未達も利益は増額で着地

 ・上期好調も半導体設備投資減を考慮し20/2期7.6%増収4.4%営利増は変更なく増額期待

 ・半導体装置の回復傾向に加えサムソンのFPD大型投資決定で来期以降の収益上伸期待

 

 

グラフクリーンロボットのローツェとして半導体・液晶ガラス基板製造用搬送装置を主力に成長

 同社は1985年に崎谷文雄氏がステッピングモータドライバを利用した超小型の制御自動化システムの開発を目指し、広島県福山市神辺町にプレハブ小屋を建て、6人で創業。

 

 社名はヒマラヤでエベレストの南にありエベレストに次ぐ高い山(世界では第4位の標高8516m)である「ローツェ(ロー:南、ツェ:峰)」に由来し、業界トップのユーザーに寄り添い、「縁の下の力持ち」として世界にない製品で支える企業との意思が込められている。

 

 とりわけ同社の成長の軸となったのが1987年に発表したウエハ搬送システムで、当時、ウエハ搬送がベルト搬送 で行われ、塵の付着が問題となっていたものに対し、無塵の搬送ロボットシステムを開発、これが国内外から大きな引き合いを獲得、「クリーンロボットのローツェ」の原動力となった。

 

 以来、1993年にはFPD向け大型ガラス基板搬送ロボッ トを発表、1996年には早くもベトナムに工場進出し、その後、半導体・液晶ガラス基板製造用搬送装置を主力に成長、2005年にはアイエステクノロジーを買収しバイオ関連事業にも進出し、業容拡大を続けてきた。

 

 

図

 

 

グラフ19/2期は40%減収ながら37.2%営利増と前期低採算特需納入が無くなり利益回復

 前19/2期の売上高は313.68億円(40.0%減)、営業利益58.12億円(37.2%増)、経常利益59.76億円(35.7%増)、税引利益43.97億円(60.3%増)となっている。18/12期のサムソンベトナムのFPD特注装置のコスト高影響がなくなり、大幅減収ながら利益大幅回復となった。品目別売上構成は半導体関連装置75%、FPD関連装置11%、部品・修理他13%、ライフサイエンス1%となっている。なお営業利益はライフサイエンスが0.84億円、その他0.82億円の赤字で、半導体・液晶他が62.74億円と開示されている。また地域別売上構成は日本15%、台湾16%、米国23%、韓国13%、ベトナム4%等となっている。

  

 

写真20/2上期は10.0%増収、72%営利増益と計画比売上未達も利益は増額で着地

 20/2上期業績は、売上高175.87億円(10.0%増)、営業利益44.14億円(72.0%増)、経常利益42.19億円(51.8%増)、税引利益29.32億円(31.5%増)、と、期初計画に対し、売上高では12.95億円未達成だったものの、営業利益では3.73億円、経常利益で2.13億円上回り着地、但し税引利益は1.5億円未達成となった。

 

 主力品目別売上で半導体関連装置は135.89億円(16.9%増)と高い伸びに。高い自然酸化膜抑制性能と高いクリーン度を同時に満たす「N2パージ対応ウエハーストッカー」が大手メモリメーカー向けに好調に推移、台湾ファンドリ向けウエハソーターも好調に推移し、さらに主要製造装置メーカー向けEFEM(Equipment Front End Module:ウエハを製造装置に供給するまでを担うモジュール)も寄与、Q1に続きQ2も過去最高売上を更新した。ちなみに主要相手先では米国AMATが26.50億円(5.8%減)、台湾TSMCが18.02億円(3.1倍)となっている。

 

 FPD関連装置は21.13億円(7.8%増)と、サムソンの大型投資がなく、前上期に続き低調に推移した。ライフサイエンスは売上高3.26億円(2.0倍)と中国市場で再生医療向け細胞培養システムの販売が拡大した。利益面では付加価値の高い半導体関連装置の販売増、ベトナム工場の生産効率向上などで総利益率が8.8ポイント向上し38.9%となり、増収効果もあり営業利益率も9.0ポイントアップし25.1%となり、営業増益率が高まった。なお税引利益は韓国子会社の過年度法人税計上から減額に。

 

 受注面では上期146.58億円(15.0%減)に止まった。品目別では半導体関連装置が123.09億円(14.2%減)、FPD関連装置が18.62億円(32.2%減)、ライフサイエンスは4.87億円(3.4倍)となった。半期では半導体関連装置が減少も、四半期では前Q4をボトムにQ1がQ4比20.2%増、Q2はQ1比30.3%増となっており、台湾向けなどの寄与でボトムを脱している。

 

 

グラフ

 

 

上期好調も半導体設備投資減を考慮し20/2期7.6%増収4.4%営利増は変更なく増額期待

 20/2期会社計画は売上高337.47億円(7.6%増)、営業利益60.67億円(4.4%増)、経常利益59.97億円(0.4%増)、税引利益46.15億円(4.9%増)と、期初計画を変更しなかった。このため、形式上は期初下期計画に対し、売上増額、営業利益減額を見込む形になる。しかし現状、収益力のある半導体関連装置は高採算の製品群が着実な売上を上げており、受注残高上期末で95.40億円と豊富にあり、通期売上が達成されれば利益増額が見込まれる。さらに受注でも半導体関連ではTSMCの設備増額などがアナウンスされており、ウエハメーカーの投資も維持され、堅調に推移する見通し。一方、FPD向けは来期に大型案件受注の期待が膨らむものの、今期は低迷が続く見通し。

 

 全体的には半導体関連装置の売上達成で利益の増額が見込まれる。

 

 

21/2期は半導体関連装置に加え、FPD関連装置も通常採算での大型受注獲得で収益拡大へ

 同社の半導体関連装置の主力ユーザーとして有価証券報告書に名前が開示されている企業として、製造装置メーカーではAMAT、半導体メーカーではTSMC、サムソンとなっており、これら企業の動向に大きく左右される。またFPDについては増設中の主力工場が韓国であり、特にサムソンのFPD設備投資動向で大変化する。

 

 現状、TSMCについては19/7~9期決算で5G向け半導体の需要増などで5四半期ぶりに営業利益が増益に転じ、先端品の工場がフル操業している。このため設備投資計画も2019年計画の100億㌦~110億㌦億円に対し、計画を大幅に上方修正し130億㌦程度まで積み増す見通しにある。実際、TSMCの製造装置発注も7~9月で過去最高の77億㌦となっており、過去の四半期最高額40億㌦台を遥かに凌ぐ数字となっている。また台湾では8月にマイクロンが最先端プロセスを採用したDRAM新工場2棟の建設計画(総設備投資額1兆3000億円)を打ち出し、1棟は2020年8月竣工予定となっている。このほか、サムスンの西安工場も来期には設備投資に踏み切る見通しにあり、新興中国メモリメーカーも量産投資を目論んでいる。このため、同社の半導体関連装置受注は今後も増勢を高めよう。

 

図 加えて注目できるのが韓国サムソ電子のFPD設備投資である。10/10に韓国中部の工場に「量子ドット」のテレビ向け新型パネル製造設備の導入を決めたとの報道がなされ、設備規模は13.1兆ウォン(1兆2000億円)とした。搭載されるテレビは65インチ以上の最上位テレビに搭載される見通しで、2021年メドに量産を始める計画で、投資期間は2021年~2025年を予定している。同社は既に韓国工場で増産対応のために新築移転工事を実行、建物は85%、クリーンルームも45%以上完成しており、19年11月には工事完成予定となっている。前回のベトナム工場における大型受注は後工程の大型基板搬送装置で、短納期、複雑仕様などで低収益を余儀なくされたのに対し、今回は従来の手慣れた付加価値の取れる前工程の製造設備向けとなる模様で、来期以降、右肩上がりの売上拡大、安定収益確保が見込まれる。半導体では先端分野の設備投資が拡大しており、またFPD関連装置を含め同社主力ユーザーの投資が活発化、21/2期以降、半導体・FPD関連装置の収益拡大が続こう。

 

 一方、売上規模はまだ小さいものの、急速に立ち上がりつつあるのがライフサイエンス部門である。中心となる細胞培養装置はノウハウを有する阪大との協力関係があり、細胞培養のための材料、装置、ノウハウなどを含むソリューションビジネスを中国で展開。中国ではiPS細胞よりもES細胞からMSC(間葉系幹細胞)を製造するビジネスが急拡大しており、中国科学院に細胞培養装置(約3億円)を納入した。今後、中国における細胞培養ソリューションの業界標準を目指す計画で、中国の開発投資の拡大が取り込めれば、将来的に同社の新たな柱に育ってこよう。

 

 いずれにしてもライフサイエンス部門を含め、中長期的な成長が期待できる企業として注目度が増してこよう。

 

 

グラフ

 

 

表とグラフ

 

 

(H.Mirai)

 

 

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