メタル・カテゴリー閉じる

新着情報  - News -

2020/08/15   米大統領選挙-バイ...
2020/08/15   欧州からの風#10...
2020/08/15   MARKET TA...
2020/08/15   13日の中国鋼材ス...
2020/08/14   豪Iluka社 ミ...
2020/08/14   《Metal Pr...
2020/08/14   《Metal Pr...
2020/08/14   《Metal Pr...
2020/08/14   《Metal Pr...
2020/08/14   2020年前半の半...
2020/08/14   2020年6月カド...
2020/08/14   電子部品輸出Rep...
2020/08/14   電池、 ステンレス...
2020/08/14   Teck reso...
2020/08/14   鉄鉱石関係者には完...
2020/08/14   RSテクノロジーズ...
2020/08/14   MARKET TA...
2020/08/14   工作機械工業会7月...
2020/08/14   欧州からの風#10...
2020/08/14   13日の中国鋼材ス...

企業動向#273 技研製作所 コロナ直撃で大幅減額も世界の防災インフラ革命の目標変わらず

2020.07.13 10:17

 独自のインプラント工法で有名な技研製作所(6289)の20/8Q3決算メモ。20/8期コロナ影響で大幅再減額も長期シナリオ変わらず。20/8期コロナウイルス影響直撃で再度大幅減額も目標は世界の防災インフラ革命。

 

 

要 約

 ・20/8Q3[は入札不調と海外不振で2.1%増収22.4%営利減と期初比営利5.4億円減額で着地

 ・20/8期はコロナ直撃で売上高85億円、営利37億円減額し24.5%減収67.1%営利減予想

 ・21/8期中計の売上高400億円、営利87億円予想はコロナ影響から見直し必至

 

 

グラフ20/8Q3は4.8%減収、24.3%営利減と主力の建機販売不振で収益低迷

 7/10に20/8Q3決算が公表された。20/8Q3累計では売上高190.91億円(4.8%減)、営利24.04億円(24.3%減)となり、Q3だけを取り出すと売上高46.2億円(前年同期比21.6%減)営業損失0.87億円(0.52億円悪化)と、厳しい決算となった。

 

 具体的には建機事業が売上高114.84億円(17.4%減)、営利26.8億円(33.8%減)に。売上面では主力サイレントパイラーの新モデル「SX1」を4月より本格販売も、コロナなどで先行き不安から販売が振るわなかった。Q3だけでは前年同期比24.1%減収、営利91.7%減となっている。一方、圧入工事は売上高76.07億円(23.6%増)、営利13.69億円(2.6倍増)と、国内は防災対策として大型圧入機によるインプラント工法の受注が堅調、コロナ影響も軽微で順調に推移した。なお、金額は小さいとみら れるがセネガルの岩壁改修工事はコロナ影響で工事再開が出来ずにいる。

 

 なおQ3だけでは17.8%減収、営利3.64億円(3.79億円改善)と黒字転換しているが、これは前Q3に海外での基盤整備などで販管費が急増した事が通常に戻った事が大きい。

 

 

グラフ

 

 

グラフ20/8期はコロナ直撃で売上高85億円、営利37億円減額し24.5%減収67.1%営利減予想

 Q3実績を踏まえ、会社側ではQ4もコロナウイルス影響をもろに被るとして、4/10に公表した減額修正予想に対し、更に売上高で85億円、営利で37億円減額し、20/8期予想を売上高245億円(期初比115億円減額、24.5%減)、営業利益22億円(同47億円減額、67.1%減)、経常利益24.5億円(同35.5億円減額、63.8%減)、税引利益13.5億円(同33.5億円減額、70.5%減)とし、当方の減額している予想をも大幅に下回る見通しに。

 

 部門別予想開示は開示されていないが、現在も建機中心に海外案件などの中止、延期が影響している。国内も工期延期やオリンピック後の建設需要についてアフタコロナでの統合型リゾート整備(IR)の遅延、またリニア新幹線も計画遅延件など、新規設備意欲減退するような事象が相次いでいる。公共投資は予算で見ても堅調であり、圧入工事はインプラント工法採用の拡大で堅調な伸びを確保するとみられるが、足元の上寄与は厳しく、会社予想並みの収益を余儀なくされよう。ちなみにQ4だけでは売上高54億円(前年同期比56.3%減)、営業損失2億円(37億円悪化し赤字転落)予想となっている。同社はQ4の売上構成が高いこと、限界利益率が高いだけに、売上減が利益大幅減額となった要因と言える。また利益面で元々今期は海外シフト強化で人件費増、「高知第3工場」のコスト増などで、利益の伸びを低く見積もっていたが、売上減額でもこれら費用は削減余地がないことも影響している。

 

 

写真21/8期中計の売上高400億円、営利87億円予想はコロナ影響から見直し必至

 同社は昨年、21/8期までの中期経営計画を策定、21/8期売上高400億円、営業利益87億円、海外売上高116億円を数値目標とした。増収の要因としては昨年の大規模河川氾濫対策の寄与。具体的には昨年の台風19号の被害額は3960億円となり、令和2年度予算で防災・減災等強化推進費300億円が新規計上された。

 

 しかし現在、コロナウイルスの影響から20/8期が大幅減額となり、国内も建設投資意欲の減退、海外は工事延期、商談も滞る中で、21/8期海外売上増が見込めない中で、海外は横ばい程度に止まる懸念がある。国内も既に7/4未明から熊本中心に「令和2年7月豪雨」が発生、球磨川水系や飛騨川で河川が決壊氾濫、大規模河川氾濫対策の積み増しがあるとみられるものの、全体として見直し必至の状況で、中計達成は2年程度遅れよう。

 

 長期事業イメージは建機事業と圧入工事の融合により、トータルパッケージ展開を進展させ、グローバルに事業展開が加速する見通し。実際、5月にはオランダの世界遺産である運河護岸改修(運河600km以上の中で200kmについて緊急対策が必要)において、「ジャイロプレス工法」、「GRBシステム:自走システム」が評価され、21年5月までに護岸構造設計や機械開発を行い、22年12月まで実証施工を実施する計画となった。年間最大1km(予算規模20億円)が見込めるとのこと。その後、商業化フェーズに入り、23年1月より4年間の護岸改修工事契約締結の予定。オランダ以外でもアメリカで地元有力コンサルタントなどと協働契約を締結、構造物設計から材料調達、維持管理まで含めたパッケージ提案で売上拡大を加速させ、海外売上高比率70%を目指す。

 

 国内は新時代の国土防災を提唱、東日本震災後に東北中心にインプラント工法適用が増加、2018年度には167件、累計で940件と早晩1000件突破が期待される。最近も岩手県大船渡市で堤防整備工事、高知県の海岸堤防工事などで採用が進み、スーパー堤防などでも、低コストで頑強なインプラント堤防が勝るとしている。6月4には「ジャイロプレス工法」で圧入した鋼管杭が支持杭としての性能が認められ、道路橋梁の基礎部などへも活用拡大が期待される。

 

 このようにインプラント工法で世界の建設を変える「工法革命」推進が着実に成果として結び付き、引続きグローバル展開の拡大で注目を浴びる企業と言えよう。

 

 

表とグラフ

 

 

(H.Mirai)

 

 

関連記事