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英Carbon Trackerが「石油化学投資へのリスク」報告書を公表

2020.09.23 08:48

 英シンクタンク「Carbon Tracker」が今年9月初旬に公表した報告書「Breaking the Plastic Wave」が世界の耳目を集めているという。世界規模で5年間、4,000億ドル相当の石油化学投資のリスクを評価した結果、投資計画で需要増を見込まれるものの、プラスチック消費量削減の動きが大きなリスクになると分析した。

 

 国際社会で脱炭素化に向けたシフトが急速に進むなか、Carbon Trackerは石油需要がピークを迎えることで、プラスチック産業にも大きな影響を及ぼし、結果として消費量削減の動きにつながるとした。

 

 石油需要見通しについては9月半ば、石油メジャーの英BPが厳しい見方を示した。BPは2050年までの長期予測レポートで、世界の石油需要が「19年に天井を打ち、既にピークを過ぎた可能性がある」と指摘。その上で、再生可能エネルギーのシフトが急速に進み、脱炭素・低炭素化が加速した場合、世界の石油需要が9,980万バレル(2018年)から9,250万バレル(30年)、3,060万バレル(50年)へと減少していくと予測した。

 

 また、The Future’s Not in Plasticsが世界のプラスチック需要は2027年にピークに達すると予測するなど、石油化学投資のリスクが顕在化する可能性について言及している。

 

 今回、「Breaking the Plastic Wave」レポートを作成したCarbon Trackerのエネルギー・ストラテジストであるキングスミル・ボンド氏は「石油化学業界では、歴史的な低水準にあるプラスチック在庫価格によって、投資家が今後5年間で4,000億ドル相当のリスクにさらさられている」と指摘した。

 

 以下のグラフは、1トン当たりのプラスチック外部性の範囲を示したもの(Carbon Trackerのニュースリリースから転載)。

 

 

グラフ

 

 

 石油や石油化学産業に逆風が吹くなか、欧州連合(EU)や中国はプラスチック製造にかかわる規制、課税、リサイクルの推進など、既に新たな取り組みに着手している。EUは昨年、プラスチック容器や包装を2030年までに再生可能な素材に置き換える方針を示し、脱プラスチックに向けた取り組みを強化している。今年7月にはリサイクルされないプラスチック製品に対し、1トン当たり800ユーロの税金を課すことを提案した。中国政府も同様、規制強化に乗り出している。カナダ政府は昨年6月半ば、ストローなどの使い捨てプラスチックを早ければ2021年に禁止すると発表済みだ。

 

 ところで、Carbon Trackerはテクノロジーの大きな進化によってプラスチックのリユース、大規模なリサイクルなどへの転換が行なわれることで70万人規模の新規雇用創出のほか、プラスチック海洋汚染を80%低減させることにもつながると、レポートで付け加えている。

 

 

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写真阿部直哉 (Capitol Intelligence Group 東京支局長)

 1960年、東京生まれ。慶大卒。Bloomberg Newsの記者・エディターなどを経て、2020年7月からCapitol Intelligence Group(ワシントンD.C.)の東京支局長。1990年代に米シカゴに駐在。エネルギーやコモディティの視点から国際政治や世界経済を読み解く。

 著書に『コモディティ戦争―ニクソン・ショックから40年―』(藤原書店)、『ニュースでわかる「世界エネルギー事情」』(リム新書)など。

 首都ワシントンD.C.に本拠を置くCapitol Intelligence Groupは、政治・経済情報を提供するほか、ワシントンから近距離に位置するボルチモア(メリーランド州)への企業誘致に携わっています。米東海岸への企業進出に興味のある方は、IRUNIVERSE(担当:川合):info@iru-miru.com までお問い合わせください。

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