工作機械工業会10月受注速報 10月5.4%減1411億円は20年10月以来、2年ぶり減少
10月受注は1411億円(5.4%減)と2年ぶりにマイナス、内外共に減少
11/10の15時に日本工作機械工業会の2022年10月受注速報が開示された。10月受注は1411億円(5.4%減)と2020年10月以来の同月比減少に。3年前のコロナ前比較で61.4%増、4年前ピーク時同月比でも1.1%増と、水準自体は高い数字を保っている。10月としては2021年の1492億円に次ぐ過去2番目の数字。なお1~10月累計は1兆4849億円(同期比18.2%増)、市場の冷え込みあれば工業会暦年修正予想1兆7500億円未達の懸念も出てきた。
内訳は外需が965億円(2.4%減)と2年ぶりに減少した。10月として2021年10月の989億円に次ぐ高水準とも言えるが、円安寄与もあり実質は高原状況から減速方向に。確報が出ないと国別動向はわからないが、米国や欧州でのインフレ加速、利上げによる景気後退懸念などが影響、中国はスマホやPCの落ち込みなどが影響していると思われる。内需は446億円(11.4%減)と2ヶ月連続で減少、2ケタ減は21年1月の10.8%減以来。補助金効果が一巡、自動車生産回復の遅れなども影響していると思われる。
このような状況で、9月に増額した工業会暦年受注予測1兆7500億円の達成に暗雲も。今後、11/8より開催されているJIMTOF2022での商談が進む期待もあるが、半導体メモリ生産の減速、半導体大型設備投資の見直しなどの影響が及ぶ可能性もあり、景気動向の先行指標とも言える工作機械受注の縮小は、設備投資全体の減速の前触れとなる恐れも。
鍛圧機械10月受注は16.7%減200億円で2ヶ月連続2ケタ減と暦年予想に黄色信号
工作機械と同じ金属加工機械である鍛圧機械の10月受注(11/9発表)は200億円(16.7%減)と2ヶ月連続で2ケタ減少となった。
国内が104億円(17.3%減)、内訳は自動車9.3%増、鉄鋼64.6%増も、金属、一般機械、電気など減少。輸出も96億円(16.1%減)と、韓国・台湾向けが55.1%減、中国42.5%減等が大きく、北米9.2%増などを打ち消す。機種別内訳はプレス機械が102億円(20.6%減)、板金系は99億円(12.3%減)と3ヶ月連続同月比減少に。この結果、1~10月累計で2327億円(14.5%増)、7月に増額修正した暦年2970億円に達しない可能性が高まった。
9月工作機器生産額は3%増198億円と21ヶ月連続増
工作機械に関連する工作機器では、日本工作機器工業会が11/2に発表した22年9月の生産額は198億円(3%増)と21か月連続増加した。主力ボールネジが22ヶ月連続プラスで前年同月比8%増の37.5億円、直動軸受は23ヶ月連続プラスで9%増の68.7億円となった。直動は数量1ケタ増も22ヶ月連続数量増が継続している。工作機械以外で半導体製造装置向け等の増加、用途拡大が寄与している模様。但し、半導体製造蔵置などで受注減退が見られるため、一服感も出てきた。
(H.Mirai)
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