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岐路に立つ工作機器界隈 JIMTOF2022

 11月8日から11月13日までの6日間、東京都江東区の東京ビッグサイトにて一般社団法人 日本工作機械工業会、株式会社 東京ビッグサイト主催による「JIMTOF 2022」が開催された。

 今回の記事では会場全体の動向について紹介する。

 

 

製造業を支えるモノ作りの基盤と属人化の波

 

 日本で古くから言われ続けていた「モノ作り」に拘る姿勢は、古今東西を問わず現代においてもその高い品質の製品を提供する為の必須条件となっている。

もちろん職人制といったシステム面での問題が取り沙汰された事もあるものの、今もなお企業の規模を問わず質の良い製品を生み出す土壌は失われていない。

そんな製造業に欠かせない製品のカテゴリである工作機器、それを取り扱う大規模展示会がJIMTOFである。

 

 JIMTOFは正式には日本国際工作機械見本市 (にほんこくさいこうさくきかいみほんいち)という名称であり、[JIMTOF(Japan International Machine TOol Fair)]の略称とされている。

文字通り世界各国の工作機械メーカーが出展するイベントとなっており、今回は東京ビッグサイトの東ホールに向かう通路に出展国に対応した簡易の商談ブースが設けられるほどの優遇ぶりである。

会場内では大型の製作機器やそれに関連する周辺機器など、工業分野に進出している企業なら垂涎ものの機器が所狭しと並んでいる。

 

 

 

 そういった展示物の大半において目立つのが、IoT化や操作のしやすいコンソール、自動化といったソリューションである。

特に生産工程の自動化は工作機械のほぼすべてにおいて為されているといって良い程に普及しており、関連機器も合わせた施設全体の自動化という方針の展示を行う大型ブースも存在している程である。

 

 この背景事情について、あるブースの担当者から話を伺った所「属人化」が深刻な状況である為にニーズがあるとの事だ。

属人化とは特定の人物に作業のすべてを依存する様になってしまう労働環境由来の現象であり、特に有資格者やベテランの経験者がごく少数しかいない労働環境において発生する。

ここ最近の労働力不足と相まって、換えの効かない属人化という問題がもたらす影響は多くの経営者が考える以上に深刻化している。

そういった問題点を少しでも解消するべく、経験の浅い作業員でも操作が容易であったりあるいは人の手を極力加えないモデルが開発されているという事である。

 

 

 

日本の将来を占う3Dプリンターと工具パーツ

 

 一方別棟の展示会場で話題となっていたのは3Dプリンター等を展示するAdditive manufacturingエリアの展示である。

昨今注目され始めた金属3Dプリンターを始め、通常のUV硬化樹脂などを用いたプリンターや両素材を利用する事が出来る多用途プリンター、またこれらのシステムを絡めた自動化ソリューション等様々なバリエーションを見せていた。

中には成形の過程で生成物に塗料をかけて着色する、フルカラーで成形可能な硬化樹脂プリンターという変わり種の様な機種も登場しており、業界の多様化に期待をしたい所である。

しかしその一方で3Dプリンターとしての画期的なブレイクスルーを見せた展示は見当たらず、あくまで既存の技術を角度を変えて展示しているという側面もまた感じられた。

業界の今後のさらなる研究と発展に期待をしたい所である。

 

 

 また工具パーツを始めとした工作機械を支える様々な部品も所狭しと展示を行っており、特にエンドミル等フライス盤に取り付ける切削工具の展示に関しては数多くのメーカーが名乗りを上げていた。

驚くべきは大手メーカーのみならず、そこまで規模の大きくない中小企業であったとしても製品を開発し売り込みを掛けている所である。

もちろん国内のみならず海外のメーカーであってもこういった工具の出展にブースを出している所をみると、日本における工具の市場はまだまだ伸び代があると見て良いのではないだろうか。

 

 

 工業は国を支える基幹の一つであり、そしてそれに対する取り組みを様々な側面から見せつけるJIMTOF2022。4年ぶりの開催となった同展示会が今後どういった影響を工業界に与えていくのか、注目が集まっている。 

 

 

IRuniverse Ryuji Ichimura

 

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