新着情報

2024/05/11   MARKET TA...
2024/05/10   大同特殊鋼:24/...
2024/05/10   新日本電工:24/...
2024/05/10   レゾナック エマル...
2024/05/10   日本製鋼所:24/...
2024/05/10   銅鉱石TC価格は過...
2024/05/10   日本カーボン:24...
2024/05/10   加First Qu...
2024/05/10   MIRUウェビナー...
2024/05/10   UBCの狂騰相場は...
2024/05/10   大平洋金属:24/...
2024/05/10   阪和興業:24/3...
2024/05/10   プラチナ、24年は...
2024/05/10   集積回路輸出Rep...
2024/05/10   FPD製造装置輸出...
2024/05/10   東海カーボン:24...
2024/05/10   銅スクラップ輸出入...
2024/05/10   銅スクラップ輸出入...
2024/05/10   半導体製造装置輸出...
2024/05/10   酸化スズ輸入Rep...

山一電機(6941) 23/3Q2取材メモ 上期増額もクアルコム偏重影響で下期大幅減額

23/3Q2上振れもQ3収益激減見通しで期初計画増額も下期厳しく24/3期も利益横ばい圏

 

株価1915円(11/24) 時価総額 447億円 発行済株23,329千株

PER(23/3期DO予6.0X)PBR(1.09X) 配当(23/3DO予)90円  配当利回り:4.8%

 

要約

 

 

23/3Q2はTS大幅伸長で44.7%増収83.8%営利増と四半期営利最高益更新

 

 23/3Q2決算が11/4に開示され、同日WEB説明会を実施、改めて電話取材した。23/3Q2は売上高139.79億円(8/5増額修正予想比1.34億円未達、44.7%増)、営業利益34.35億円(同3.17億円増額、78.8%増)、経常利益36.58億円(同4.87億円増額、98.7%増)、税引利益25.89億円(同4.44億円増額、79.1%増)と、四半期で売上、各利益ともに過去最高を更新した。

 

 事業別にテストソリューション事業(TS)は売上高81.43億円(61.7%増)、営利28.78億円(85.0%増)に。テスト用ソケットがスマホ向けでハイエンドに加えミドルレンジにも拡大、加えて自動車、PC・サーバー向けにも順調に推移し、6割近い伸びとなり全体を牽引した。バーンインソケット同様に6割近い伸びに。メモリ向けがNANDはQ1から大幅反落も、DRAM向けは新製品等が寄与し4倍増と伸長、ロジック用はインテル向け不振も車載向けは4割増と伸長した。利益面ではテストソケットの伸長、MIX良化も寄与し、営業利益率が4.5ポイント上昇し35.3%に高まった。

 

 コネクタソリューション事業(CS)は売上高53.92億円(27.9%増)ながら営利2.37億円(31.3%減)に。FA関連がシーメンスを中心にCNC装置向けやPLC向けなどインダストリアル4.0の拡大に伴う重要増が継続し3割増、テレコムは米国向け堅調な中でファーウェイ向けも先方の在庫調整一巡で持ち直し5割弱の伸び、車載も2割増となったが、利益面では原料高、輸送費増等嵩み、MIX悪化もあり減益に。

 

 全体を通じ増収効果(為替分19.7億円を除いても24%増収)、MIX良化に加え、円安(24.17円円安の133.97円)による営業利益寄与11.9億円もあり(実質は5%営利増)、社内計画を大きく上回る収益となった。

 

23/3期予想は8/5の開示中止前の期初計画を上回る予想も、下期では大幅利益減額予想

 

 同社はQ1発表時に環境不透明として23/3期予想を一旦白紙としたが、今回、改めて予想を開示した。修正予想は売上高457.5億円(期初計画比54.5億円増額、15.6%増)、営利80億円(同6億円増額、4.5%減)、経常利益86億円(同12億円増額、1.7%減)、税引利益60億円(同6億円増額、11.4%減)予想と、期初計画に対しては増額修正となった。但し、昨今の半導体市場の環境悪化、コネクタ事業も設備投資抑制、米中摩擦激化などを懸念、下期だけでは売上高185.84億円(期初計画比5.16億円増額、前年同期比11.6%減)は円安で増額も、営業利益13.33億円(同17.17億円減額、前年同期比71.6%減)、経常利益13.14億円(同17.36億円減額、同73.6%減)、税引利益7.56億円(同14.94億円減額、同80.1%減)予想とした。

 

 TS事業は売上高、最大ユーザーのクアルコムのQ3売上がほとんど無くなる状況で、収益性の最も高いとみられるテストソケットの収益が激減、バーンインソケットも新製品DDR5対応DRAM向けの一巡、NAND向けもリピート品の急減などで急減、Q3での収益が大きく落ち込む見通しとなったことが影響する。なおTS事業はQ4では2023年モデル向け新製品向け発注があるとみられ、一応、Q3がボトムとなる見通しに。コネクタ事業についても通信向けでファーウェイ向けが再度落ち込むことに加え、欧州中心のFA事業が急反落、車載関連は堅調も、全体として売上低迷の中で原価高影響もあり、こちらも収益悪化を見ている。

 

 現状、TS事業ではバーンインソケットで車載向けの増額は見込めるが、その他では苦戦が続く見通しのほか、コネクタ事業も在庫調整による原価高など、会社想定並みの動きとなろう。全体として売上は会社予想を多少上回る程度で、利益面では設備増強が多少期ずれすると見られ、償却負担の後ずれなどから、辛うじて経常増益を確保するに止まろう

 

24/3期サーバー需要拡大、5G普及加速等で投資負担増でも緩やかな収益拡大確保へ

 

 24/3期はTS部門では先端半導体投資の拡大、またテスト項目の増加、多ピン化などで、上期はまだ厳しさが残るとみられるが、下期挽回で売上維持が見込める。現在、高シェアのバーンインテストでは、自動車業界の「CASE」技術革新にともない高性能な半導体の開発が進められ、車載向け半導体不良は大事故につながるため、全量バーンインテストされる。ソケットは高耐久性が求められ、安全性確保などでテスト需要拡大も加速見通し。同社は需要拡大に対し増床を計画、2022年10月には増床が完了、テストソケットの生産能力は21年度比倍増となり、24/3期は能力増強が寄与しよう。また佐倉事業所内に新棟建設を決議、TS,CS両事業の能力増強を図る。2023年2月に着工、2024年4月より生産開始を目指し24/3期以降、TS事業の更なる先進化、CS事業の多用化するニーズに合わせた能力増強を行う。このため24/3期は投資負担増が見込まれ、TSでは営利減が見込まれるが高水準の収益確保、CSは通信向けの拡大で収益性の維持が見込まれ、全体として経常微増が見込まれる。

 

 

 

(H.Mirai)                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

関連記事

関連記事をもっと見る