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工作機械工業会10月受注確報 10 月5.5%減1411 億円は24ヶ月ぶりに同月比減少

10月受注は1411億円(5.5%減)と24ヶ月ぶりに同月比減少も10月では2021年に次ぐ

 

 11/24の15時に日本工作機械工業会の10月工作機械受注確報が開示された。10月受注は前年同月比5.5%減の1411億円と24ヶ月ぶりに同月比減少に転じた。またコロナ前の3年前の2019年同月比は61.3%増、4年前のピーク時比較で1.0%増、10月として昨年2021年(1492億円)に次ぐ過去2番目の額で、1000億円超は21ヶ月連続となった。1~10月累計では1兆4849億円(18.1%増)。

 

 

外需は同月比2.5%減965億円ながら10月として過去2番目、単月でも過去12番目

 

 外需は965億円(2.5%減)と24ヶ月ぶりに前年同月比減となったが、10月として2021年(989億円)に次ぎ、単月でも過去12番目水準。主要4業種で同月比では自動車と電機・精密が増加。一般機械は280億円(10.6%減)ながら4ヶ月ぶりに280億円超。自動車は4ヶ月ぶり250億円超の253億円(7.0%増)となったが23ヶ月ぶりに1ケタの伸びに。EV投資活発で、超大型門形MCなどの受注が継続、自動車生産不振とは違う動きに。電機精密は167億円(40.3%増)と2ヶ月連続で160億円超に。航空・造船・輸送用機械は全体ではで57億円(2.7%減)と17ヶ月ぶりに同月比減少も北米は高水準の受注が継続。

 

 主要3極別では北米向けが300億円(1.3%減)で20カ月ぶりに同月比減も2ヶ月連続300億円と高水準。北米の業種別では自動車が46.6%減も、電気・精密63.9%増、一般機械が7.9%増で、航空・造船・輸送機械は航空機大型受注継続で17.8%増。アジアは447億円(8.4%増)と5ヶ月連続同月比増加、主要4業種は自動車と電気・精密が同月比増加。中でも中国が311億円(28.8%増)と上海ロックダウン明けで動きが活発化し2ヶ月連続300億円超に。中国の業種では自動車125億円(78.6%増)とEV投資や大型バス投資が継続、電機精密も86.8億円(89.7%増)に。その他では韓国34.6%増など。一方、インドは34億円(31.5%減)も5ヶ月連続30億円超と堅調。欧州は192億円(24.6%減)と5ヶ月連続マイナスながら190億円超と高水準を確保。なおトルコが25.3億円(59%増)と過去最高額、ドイツが42億円(5.7%減)ながら40億円台をキープし高水準など、意外と健闘している。業種別で電気・精密が20億円(0.9%増)と同月比プラス。自動車はトルコ寄与で35億円(2.5%減)と5ヶ月ぶりに35億円超。一般機械は61億円(27.4%減)と6ヶ月ぶりに60億円超と同月比大幅減も前月比では多くの国でプラスに。

 

 

内需は同月比11.4%減の446億円は5ヶ月ぶり500億円割れと工作機械展前の買い控えも

 

 内需は446億円(11.4%減)と2ヶ月連続で前年同月比減、5ヶ月ぶりの500億円割れとなった。今年は一部メーカーの値上げ表明で8月に駆け込み需要が発生した反動減、補助金交付額が大幅減となった等の要因に加え、4年ぶり開催の工作機械展(JIMTOF)前の買い控えも影響している模様。主要4業種は同月比で自動車のみ増加、前月比では航空・造船・輸送用機械のみプラス。自動車は105億円(8.4%増)と半導体不足が言われる中で8ヶ月連続100億円超えと設備投資増が継続。一般機械は175億円(12.1%減)と補助金効果が反動減となり2ヶ月連続2ケタマイナス、8ヶ月ぶりの180億円割れで、半期末効果の反動、工作機開展前の買い控えなどが影響している模様。電気・精密も56億円(27.0%減)と2ヶ月連続減少、6ヶ月ぶり60億円割れと半導体関連一服が影響している。

 

 

 10月販売は6.3%増1093億円と9月の反動減で受注残高が9201億円と8月抜き最高額

 

 10月販売は1093億円(6.3%増)と、上期末の9月販売額1631億円の反動減で4月以来の1100億円割れとなり、伸び率も今年最低の伸び。BBレシオが受注減少でも1.29となり、受注残高は9201億円(同期比44.3%増)と2022年8月の9001億円を抜いて過去最大の受注残高に膨れ上がる。依然として高水準の受注の中でサプライチェーン混乱による納期の期ずれなどの影響が継続している模様のほか、円安での見かけ上の膨張もあるとみられる。全体として今後の受注動向は、国際工作機械展後の成約増を期待する一方、半導体産業の2022年下方修正、2023年の減少予測、金利上昇、景気減退、さらに中国でのロックダウン拡大など、受注は内外ともに不透明要素が多く、今後受注減の可能性がある。但しEVの継続的な設備投資、環境対応、労働力不足対応等で新規工作機械需要も根強く、受注の急激な落ち込みは避けられるとみられるが、当面、中国の動きが最大ポイントに。

 

 

主要7社10月受注は450億円(25.5%増)と22ヶ月連続増、米中好調で工業会と乖離

 

 日刊工業新聞がまとめる主要工作機械7社の10月受注実績は450億円(25.5%増)と23ヶ月連続プラスとなり、工業会とは異なる動きに。内訳は輸出299億円(36.4%増)と米中向けが好調、国内も151億円(8.3%増)と堅調で、9ヶ月連続で400億円超となった。工業会と比較し内外ともにプラスで、内需がプラスとなっており、7社中4社が内外ともに増加している。

 

 企業別では牧野フライスが96.46億円(56.5%増)と10月単月で2018年以来の最高額を獲得、二デックOKKが総額18.51億円(2.2倍)、国内2.1倍、海外2.6倍と内外ともに2倍を超える伸びに。ツガミも海外75.75億円(32.7%増)と中国盛り返す。一方、芝浦機械は17.70億円(22.4%減)と顧客の期ずれで内外大幅減が響く。今後、工作機械展(JIMTOF)後の新機種や注力機種の受注成約が注目され、企業間格差も出てくる局面に。

 

 

 

(H.Mirai)

 

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