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韓国LG系、テスラにLFP電池供給か 米企業の調達多角化で、米韓は輸入関税15%で合意

2025/07/31 14:32
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 韓国中央日報などの現地メディアは7月30日、「同国電池大手のLGエナジー・ソリューションが、米電気自動車(EV)大手のテスラにリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池を供給することが分かった」と伝えた。米国は同日、韓国から米国への輸入関税について「日欧などと同じ15%で合意した」と発表したばかり。韓国企業の米進出に安心感が広がる。

 

 

■6400億円規模の大型受注

 LGエナジーが当局に申請した書類により明らかになったという。LGエナジー、テスラともに正式発表はしていない。報道によると、受注規模は総額5兆9442億ウォン(約6368億円)で、契約期間は8月1日から3年間。その後の協議により、最大7年まで契約を延長し、これに相応する量を追加供給できるという。

 供給先は明らかにされていないが、業界ではテスラとの見方が多い。テスラはかねて、関税負担などを理由に車載電池の調達元を現在依存している中国以外に多角化する方針を示していた。

 

 テスラの業績は良くはない。7月23日に発表した2025年4-6月期決算は、売上高が前年同期比11.7%減の224億9600万ドル、純利益が16.2%減の11億7200万ドルだった。2四半期連続の減収で、減収率は過去10年間で最悪レベルだった。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の政治的言動による不買運動や、中国勢などとの価格競争が響いたとされる。

 

プレスリリース:2025 Q2 Quarterly Update Deck

 

■韓国、造船中心に50兆円の対米投資

 

(出所:TRUTH)

 

 こうしたテスラにとって、輸入関税による部品調達コストの上昇は避けたいリスクだ。トランプ米大統領は7月30日、SNSサイトのTRUTHで、韓国と輸入関税15%で合意したと発表した。韓国が対米投資に3500億ドル(約50兆円)を拠出し、投資案件はトランプ氏自身が選定すると説明した。投資先は「米国に所有、管理される」とした。

 一方、中央日報によれば、韓国の李在明大統領もやはりSNSサイトで、アメリカとの関税交渉が合意したことを受けて「大きな峠を一つ越えた」と投稿した。二次電池を含む各産業分野で合意が「韓国企業の積極的な米国市場への進出を助ける役割を果たすだろう」と評価し、韓国からの投資分3500億ドルについて、1500ドルを造船分野に充てると明かしたという。

 

(IR Universe Kure)

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