2022年11月SUSスクラップ輸出入統計分析 輸出:中国向け2カ月連続1万トン越え 韓国向け大幅減続く
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為替相場推移 TTS 3か月
(輸出分析)
数量面では、11月単月で、20,866トン、前月比92%、前年同月比111%、1-11月累計210,579トン、前年同期比83%であった。数量面での対前年割れが続き通年で前年20%近辺ダウンが避けられそうにならなくなった。韓国向けがPOSCO購買中断続き、4カ月連続の大幅減少865トン、前月比32%、前年同月比10%、1-11月累計79,399トン、前年同期比80%、台湾向けは2カ月連続増加の3,790トン、前月比110%、前年同月比87%、1-11月累計29,250トン、前年同期比41%、タイ向けで、1,850トン、前月比91%、前年同月比83%、1-11月累計24,668トン、前年同期比121%、インドむけが3カ月ぶり大幅減少の1,224トン、前月比45%、前年同月比66%、1-11月累計14,509トン、前年同期比61%。インドネシア向けは11カ月連続の0トン、中国向けは3カ月連続増加の12,927トン、前月比115%、前年同月比873%、1-11月累計58,832トン、前年同期比381%(表―1、グラフ―1)。
数量構成では10月→11月で、韓国向け12%→4%、中国向け50%→62%、台湾向け15%→18%、タイ向け9%→9%、インド向け12%→6%と、中国向けが一気に60%超えとなった(グラフ―2)。
金額的には、11月単月で微減、3,3億89百万円、前月比98%、前年同月比109%、1-11月累計385億32百万円、前年同期比101%。(表―2、グラフ―3)
FOB推移は全体平均では、前月キロ153円から162円へ反発。韓国向けが前月109円から183円へ急反発、中国向けが、前月175円が180円へ反発、台湾向けが前月169円から150円へ大幅反落。タイ向けが94円から70円へ3カ月ぶり大幅反落、インド向け135円から126円へ4か月続落。シェア大の中国むけ反発で平均単価が反発した。10月の円安から円高反転のなかでの単価上昇はドル建てベースでの急上昇を示唆している。LMEニッケル相場はショートカバー要因もあって急反発21,936ドル→25,257ドル、国内304系スクラップは3か月続伸、204円→210円となった。(グラフ―4、グラフ―5)。
(今後の注目点)
前回予想では、11月はLME急反発、国内304系3か月続伸で170円台に戻るのではないかとしたが、円高にあって160円台まででとどめられた。12月はLMEニッケル続伸と円高進行で単価的に160-170円レンジとなりそうだ。
主要税関数量・FOB実績 ( )内は前月実績
横浜 4,742 トン ¥148 ( 3,980 トン ¥136 )
戸畑 1,584 トン ¥207 ( 1,900 トン ¥162 )
川崎 3,878 トン ¥166 ( 2,444 トン ¥178 )
大阪 2,413 トン ¥195 ( 1,147 トン ¥162 )
東京 2,608 トン ¥147 ( 925 トン ¥169 )
尼崎 0 トン ( 2,643 トン ¥151 )
名古屋 2,298 トン ¥110 ( 2,170 トン ¥110 )
主要国別税関別数量・FOB実績 ( )内は前月実績
台湾 横浜 215 トン ¥129 ( 260 トン ¥96 )
戸畑 550 トン ¥193 ( 900 トン ¥184 )
川崎 0 トン ( 1,101 トン ¥204 )
大阪 1,501 トン ¥205 ( 0 トン )
東京 173 トン ¥90 ( 525 トン ¥222 )
名古屋 1,238 トン ¥82 ( 606 トン ¥79 )
韓国 戸畑 0 トン ( 450 トン ¥67 )
川崎 760 トン ¥198 ( 370 トン ¥67 )
大阪 0 トン ( 0 トン )
尼崎 0 トン ( 1,740 トン ¥130 )
中国 横浜 2,267 トン ¥201 ( 884 トン ¥191 )
戸畑 1,034 トン ¥215 ( 550 トン ¥204 )
坂出 0 トン ( 1,294 トン ¥203 )
堺 0 トン ( 1,221 トン ¥200 )
石巻 2,000 トン ¥205 ( 0 トン )
仙台塩釜 0 トン ( 1,687 トン ¥65 )
川崎 3,118 トン ¥159 ( 973 トン ¥192 )
大阪 653 トン ¥207 ( 767 トン ¥194 )
東京 2,334 トン ¥152 ( 1,270 トン ¥212 )
尼崎 0 トン ( 903 トン ¥191 )
インド 横浜 570 トン ¥138 ( 1,442 トン ¥150 )
名古屋 347 トン ¥113 ( 668 トン ¥80 )
タイ 横浜 1,553 トン ¥66 ( 1,100 トン ¥83 )
名古屋 0 トン ( 369 トン ¥145 )
(輸入分析)
数量面では、11月単月で3カ月連続増加の5,172トン、前月比114%、前年同月比102%、1-11月累計56,786トン、前年同期比117%であった。主要輸入先3国では、韓国が2カ月連続増加の2,583トン、前月比113%、前年同月比104%、1-11月累計24,786トン、前年同期比100%、台湾が2カ月連続の減少941トン、前月比74%、前年同月比68%、1-11月累計16,773トン、前年同期比167%、米国が急増の621トン、前月比221%、前年同月比201%、1-11月累計5,001トン、前年同期比95%。「その他」1,027トンの主成分は、マレーシア424トン、インドネシア244トン、シンガポール197トン、といったところ(グラフ―6、表―3)。
数量構成では、前月→当月で、韓国が51%→50%、台湾28%→18%、米国6%→12%、「その他」で15%→20%。(グラフ―7)。
金額的には、11月単月で16億54百万円、前月比122%、前年同月比123%、1-11月累計188億19百万円、前年同期比165%となった(表―4、グラフ―8)。
CIF推移は全体平均で、前月299円から4か月ぶり急反発、320円。主力韓国品が290円から大幅続伸351円、台湾品、米国品がそれぞれ316円から295円と339円から304円へと軒並み3か月続落。円高反転のなかドル建てではかなりの上昇となったものとみられる。一方11月の指標LMEニッケルは急反発21,936ドル→25,257ドル、国内310系は450円から4か月ぶり上昇の458円。(グラフ―9)。
(今後の注目点)
前回、11月は円高に戻りもあって、単価は200円台にとどまりそうだとしたが、韓国品の急騰で300円台に上振れした。12月はさらなる円高で300円前後にとどまるのではないか。
主要税関数量・CIF実績 ( )内は前月実績
横浜 1,860 トン ¥337 ( 1,448 トン ¥329 )
大阪 465 トン ¥508 ( 193 トン ¥730 )
徳山 1,953 トン ¥264 ( 1,930 トン ¥232 )
名古屋 324 トン ¥299 ( 562 トン ¥310 )
門司 178 トン ¥152 ( 221 トン ¥147 )
主要国別税関別数量・CIF実績 ( )内は前月実績
台湾 横浜 470 トン ¥279 ( 536 トン ¥308 )
徳山 205 トン ¥237 ( 210 トン ¥223 )
名古屋 224 トン ¥343 ( 419 トン ¥353 )
韓国 横浜 532 トン ¥511 ( 449 トン ¥405 )
大阪 404 トン ¥491 ( 119 トン ¥737 )
徳山 1,585 トン ¥257 ( 1,582 トン ¥215 )
防府 0 トン ( 0 トン )
米国 横浜 422 トン ¥242 ( 221 トン ¥322 )
徳山 122 トン ¥378 ( 39 トン ¥431 )
(IRUNIVERSE S. Aoyama)
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