工作機械工業会4月受注速報 4月14.4%減1327億円、当面弱含み続く状況に
工作機械4月受注は1327億円(14.4%減)、4ヶ月連続で内外ともに減少続く
5/15の15時に日本工作機械工業会の2023年4月受注速報が開示された。4月受注は1327億円(同月比14.4%減)と4ヶ月連続減、内外共に4ヶ月連続減となった。4月としては2017年4月の1337億円に次ぐ歴代5位の金額に止まる。なお確報は5/24公表予定。
内訳は外需が907億円(同月比10.9%減)と中国の景気回復遅れ等で4ヶ月連続減、2ヶ月連続で2ケタ減に。但し4月としては2018年4月の946億円に次ぐ歴代3番目の金額であり、水準自体は低い水準ではない。内需は419億円(同21.2%減)と8ヶ月連続で同月比減少、7ヶ月連続で500億円に達せず、内需の弱さが継続している。
全体として世界的な景気減速感、金利上昇などの影響に加え、従来牽引していた半導体向けの反動減なども影響している。一方では半導体不足で生産調整を行っていた自動車が出直り歩調で、EV投資を含め回復の可能性がある。このため、当面は受注の弱含む展開が続くとみられるが、年後半には自動車生産増、半導体設備投資の再拡大の方向も見えてくると思われ、夏から秋口には受注のボトムを確認する動きとなろう。
鍛圧機械4月受注は9.5%減223億円で国内12.8%増も海外35.2%減は3月の反動減か
工作機械と同じ金属加工機械である鍛圧機械の4月受注(5/12発表)は223億円(9.5%減)となった。国内が149.05億円(12.8%増)となった。但し内訳は自動車関連のみ2.6倍と大きく伸びたが、鉄鋼、金属、一般機械、電気が何れも減少している。輸出は74.03億円(35.2%減)と、3月の113.51億円の反動減もあるが、北米向け55.5%減、欧州向け65.5%減、インドも6.9%減と一服、中国向けは0.3%増と微増に。機種別ではプレス系が133.8億円(17.3%増)、大型プレス27.3%増、中型プレス53.5%増、油圧プレス22.8%増など。板金系は89.3億円(32.5%減)と、パンチング31.9%減、プレスブレーキ27.5%減、レーザプラズマも36.1%減と不振だった。
3月工作機器生産額は10.3%減の172.5億円と4ヶ月連続減少し減少率も拡大
工作機械に関連する工作機器では、日本工作機器工業会が5/12に発表した23年3月の生産額は172.5億円(10.3%減)と4ヶ月連続同月比マイナスとなり、減少率も拡大している。主力ボールネジが27.99億円(27.5%減)とマイナス幅が拡大している。直動軸受も55.35億円(18.8%減)と同様な動きに。両製品とも工作機械に加え、受注急落の半導体製造装置向けなどの影響を強く受けての生産額急減となっている模様で、今後さらにマイナス幅が拡大する懸念がある。
工作機器の2022年度生産額は2126億円(3.4%増)と2018年度の2242億円に次ぐ2番目の生産額を記録した。製品別では部品が1424億円(3%増)。中心となるボールネジが405億円(2.9%増)は2018年度の412億円に次ぐ過去2番目の生産金額。直線運動用軸受は732億円(3.7%増)と、2018年度の714億円を抜いて過去最高額更新となっている。この背景には半導体製造装置、医療機器など、使用領域が広がっている事が背景にあると見られる。
なお工作機器の部品以外では、工作物保持具206億円(0%増)、工具保持具143億円(3%増)、付属機器350億円(7%増)となっている。
(H.Mirai)
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