ヤマコー 地元広島で動静脈連携を実践!
(ヤマコーの第2工場内に展示されてある昭和の名車 マツダの360cc三輪自動車)
ヤマコー(本社:広島県広島市安芸区矢野新町1丁目1-3)といえば地元広島で自動車メーカーのマツダとともに成長を共にしてきた企業であり、いまさかんに言われている動静脈連携をかねてから実践している企業でもある。ヤマコーグループには自動車部品製造のワイテックも擁している。こちらはマツダはじめ多くの自動車メーカーに部品を供給している世界的な企業である。いずれの会社の代表取締役社長を山本周二氏が務めている。
さて、「本家」のヤマコーはスクラップリサイクルがメインで昨年度は26万トンの鉄、非鉄スクラップ、樹脂を取り扱った。年商は170億円。扱い数量だけでいくと前年度比30%減、となった。
月間の鉄スクラップ扱い量は25,000トンでその8割は自動車関係で、さらに6割はマツダ関連の工場発生品である。ELVは月間で300台の取り扱い。圧倒的にマツダの工場から発生する新断スクラップがメイン。低マンガンの新断くずはヤマコーグループの広島鋼機にて鋳物材として近隣鋳物メーカーに納めている。防府工場ではマツダ㈱防府工場から発生する新断の全量を小型ベーリング加工してマツダ系列の鋳物工場へ納めている。
ロータリーエンジンで有名なマツダでもEVのラインナップを広げており、LIB(リチウムイオンバッテリー)の工程不良品なども出てきている。ヤマコーではそうしたLIBのリサイクルにも取り組んでおり、マツダとともにLIBパックの取り外し、解体マニュアルを作成しているとのこと。LIBの安定的なリサイクルルートは現在検討中、とのこと。
EVには電池もあればモータもあるということで、ネオジム磁石も出てくる。一時期止めていたネオジム磁石の回収も今は再開しているとのことで消磁、手回収まで行っている。
ヤマコーは現在
■本社・本社工場
■第二工場
■防府工場
■ブリケット工場
■物流グループトラックヤード
加えてグループ会社で山鋼産業 株式会社の各ヤード、広島鋼機があるが、3年後には本社工場に第2工場の機能を統合した約6000坪の新ヤードが計画されている。省エネ補助金を使った工場で、この統合によって工場間移動のCO2s削減効果と30%の電力使用量の削減が見込まれる。
山鋼産業の海田ヤードは主として新断スクラップの船積みで瀬戸内の高炉・電炉メーカーに運ばれる。すでにモーダルシフトも進んでいる。
ヤマコーの扱うスクラップは8割が工程発生品ということで、鉄もアルミも汚れのないきれいなものが多い。スクラップ原料として間違いなく一級品のクオリティである。アルミは1000番系、3000番系、5000番、7000番と合金種類ごとで分けて管理。
本社工場では敷地の2/3を自動車リサイクルに使っている。ここでも丁寧な解体を行い、ダスト選別も行っている。
同工場では自慢の設備で自動車ハーネスを破砕、選別し雑ナゲットを生産。雑ナゲットは三井金属鉱業の日比製錬所に送っている。
自動車メーカーが力を入れつつも難題としているのが再生樹脂。ヤマコーでもマツダのバンパーは取り組んでいるが(最終的には別会社でコンパウンドまで行う)、バンパーひとつでも各社(車)各様、混ぜると高品質のリサイクルが保証できないためまだ試行錯誤中。
**********
説明をしてくれたヤマコーの岡本裕臣執行役員は人情の人。リサイクル一筋でヤマコーとマツダ、関連企業を結ぶ「兄貴」的な存在で山口、広島でもそのお人柄が知れ渡っている。
DX、GX時代でもこうした人と人のつながり、結びつき無しには事業、とりわけリサイクル事業は持続させることは不可能だということをヤマコーの現場をみて痛感した。
(IRUNIVERSE/MIRUcom Tanamachi)
関連記事
- 2025/08/31 週刊バッテリートピックス「政府予算案、太陽電池普及盛り込む」「ポルシェ電池生産断念」など
- 2025/08/31 輸出鋼材のスプレッド(25年7月):すべて縮小
- 2025/08/31 日中ホットコイル輸出価格比較(25年7月):価格差拡大
- 2025/08/31 米の銅スクラップ業者は迂回輸出で中国に販売
- 2025/08/30 電力取引量(25年8月)
- 2025/08/29 中国廈門で開催「第10回 APAC Ni-Cr-Mn ステンレス鉄鋼 & 新エネルギー会議 2025」に参加
- 2025/08/29 【貿易統計/日本】 2025年7月の酸化鉄輸入統計
- 2025/08/29 ドイツの鉄鋼大手 ティッセンクルップ 大赤字
- 2025/08/29 ドイツとカナダ、重要鉱物で協力
- 2025/08/29 韓国 現代製鉄と労組の泥沼の戦い