英電池のブリティッシュボルト、経営破綻後も悶着 元従業員が給与未払いで提訴 外電報道
2023年1月に経営破綻した英電池スタートアップのブリティッシュボルトのその後に暗雲が漂っている。英紙フィナンシャル・タイムズは11月17日までに、同社を買収したオーストラリア企業が、元従業員から未払い賃金の支払いを要求されていると伝えた。英政府肝入りの電気自動車(EV)向け電池企業の末路は、やはり解散になりかねない。
■買収した親会社にも揉め事
報道によると、ブリティッシュボルトを買収したリチャージ・インダストリーズ元は従業員から21日以内に未払い額を支払うよう求められ、法的措置を採られている。実現しなかった場合、元従業員はリチャージ・インダストリーズに対破産手続きを進める権利を持っているという。
ブリティッシュボルトは2019年創立の電池メーカー。英北東部ブライスの旧発電所の敷地にEV向け電池の「ギガファクトリー」を建設し、2023年末までにリチウムイオン電池の生産を始める計画で、英政府から1億ポンド(約157億円)の支援を取り付けていた。しかし建設が遅れ、資金繰りに行き詰まった末、2023年3月にリチャージ・インダストリーズが買収していた。しかし、そのリチャージ・インダストリーズも元ブリティッシュボルトの経営が暗礁に乗り上げかけていることになる。
■英政府の肝いりだったが
英国は2035年までに温暖化ガスを1990年比で78%削減するという脱炭素化目標を掲げ、達成に向けてEV普及を目指している。2030年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止し、2035年までにハイブリッド車(HV)の販売も禁じる計画だ。もちろんEV向け電池産業の拡大も目指し、ブリティッシュボルトはその代表的なプロジェクトの1つとして支援対象になっていた。
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(IR Universe Kure)
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