世界的規模のABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン)生産基地が寧波に開設
世界的に有名なスチレン系材料のサプライヤーであるStyrolution(スタイロルーション)は11月21日、合弁パートナーの中国石化と共同で建設した世界的規模のABS生産拠点が寧波市にオープンしたと発表した。
StyrolutionのCEOであるSteve Harrington氏は、「Styrolutionは世界最大のABS市場である中国の深耕に力を入れている。寧波に新たに建設されたTerluran®ABS技術を採用した、新たなABS生産拠点が竣工したことは重要なマイルストーンだ。シノペックとの提携が新たな段階に踏み出したことで、中国ABS市場での地位もさらに強固なものになるだろう」と述べた。このABS生産拠点の建設は2020年末に始まった。敷地面積は26.7ヘクタールで、360人以上の従業員と請負業者を擁し、急成長する国内市場にハイエンドABSシリーズ材料を提供し、多くの業界(自動車、電子、家電、建筑、医療、玩具/スポーツ/レジャーを含む)の設計と機能を推進している。
英国の呉若蘭駐中国大使や寧波市人民政府常務副市長の華偉氏などの代表が今回の開所式に出席した。
「この生産拠点の完成は、中国市場の顧客とパートナーへのコミットメントを継続するための重要な一歩だ。当社の戦略は、現地の顧客と緊密に協力し、納期を短縮すると同時に、顧客のニーズを満たすサービスをより迅速かつ効率的に提供することだ」と、Styrolutionアジア太平洋地域担当プレジデントのRob Buntinx氏は語っている。
中石化とStyrolutionの子会社Styrolution高新材料(寧波)有限公司首席執行官の梅珠さんは、「同生産拠点はコロナ感染症という特殊で挑戦的な時期に建設された。その順調な竣工と稼働は地元政府関連部門の力強い支援によるだけでなく、プロジェクトと運営チーム全体の健闘と粘り強さ、勇往邁進の努力を表している」と付け加えた。
StyrolutionはINEOSの完全子会社で、高性能なスチレンモノマー、ポリスチレン、ABS汎用材料、スチレン特殊材料シリーズの製品ポートフォリオを持ち、9カ国に16の生産拠点を建設し、約3100人の従業員を擁し、2022年の売上高は66億ユーロに達する。
(趙 嘉瑋)
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