豪ビクトリア(VIC)州メルボルンでは先週マイニング・ランチが開催されたが、ここでアルゼンチンや豪州でプロジェクトを進める豪リチウム大手Allkem社のPeter Coleman会長より、米国政府のインフレ削減法(IRA)による補助金に対する発言が見られたという。
一つ目の発言は、同社の西オーストラリア(WA)州Mt Cattlin鉱山から産出されるリチウムに関するもので、オーストラリアン・ファイナンシャル・レヴュー紙(12月7日)が伝えているところによれば、同社が同鉱山から輸出するスポジュメン精鉱は米国の補助金の対象となるであろうものの、IRAからの経済的利益は、(既存の中国顧客から引き離してまで)北米までの長い船旅を正当化するものではない、といった趣旨の発言であったとのこと。ただし、これには鉱山寿命も関係があるという。Mt Cattlin鉱山の寿命は5年ほどであり、Coleman氏曰く、その比較的短い寿命も、北米ルートの開発を思いとどまらせる要因の一つであるとのことだ。
続いて、上記の発言と少々矛盾するようでもあるが、同社は米国のリチウム大手Livent社と早ければ年内にも合併完了予定と見られており、IRA補助金はこの合併後の新会社Arcadium(リチウム企業としてはAlbemarle社、SQM社に続き世界第3位の規模になることが見込まれている)の成長を支えるものになるであろう、という発言。こちらも同日メルボルンでのColeman氏の発言とのことで、ロイター通信(同12月7日)が報じている。
曰く、Livent社はカナダ/北米地域に、ケベック州政府と50パーセントずつという形で鉱山会社Nemaska Lithiumを共有しており、AllkemとLiventの両社は、Arcadium社としての合併後の同地域での成長オプションを現在検討中であるとのこと。ロイター通信には、「例えばカナダでの事業を拡大するために、カナダか北米で加工を行うことは現時点で自然なことであり、我々にとって良いことです」との同氏の発言が掲載されている。
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(IRUNIVERSE A.C.)