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山一電機(6941) 24/3Q3WEB説明会メモ 24/3Q3ボトムニュートラルからややポジティブへ

24/3期18.2%減収68.3%営利減予想もQ3底に見通し25/3期主力2事業回復で急回復へ

株価2196円(2/7) 時価総額 479億円 発行済株21,829千株

PER(24/3期DO予22.5X)PBR(1.23X) 配当(24/3予)30円  配当利回り:1.4%

 

要約

・24/3Q3はTS、CS共に不振で同期比15.0%減収69.9%営利減、前期比でも減収減益

・24/3期18.2%減収68.3%営利減予想もQ4はTSスマホ向け、CS通信向け回復で底脱出へ

・25/3期サーバー需要でTS回復、CSもデータセンタ向けで収益回復、26/3期再度最高益

 

 

24/3Q3はTS、CS共に不振で同期比15.0%減収69.9%営利減、前期比でも減収減益

 

 24/3Q3決算が2/6に行われ、同日WEB説明会が開催された。24/3Q3は売上高84.09億円(同期比15.0%減、Q2比14.1%減)、営利3.57億円(同69.9%減、同63.3%減)とTS,CSともに低迷し、大幅収益低迷が続いた。

 

 事業別にテストソリューション事業(TS)は売上高35.87億円(同15.7%減、同20.3%減)、営利2.86億円(同55.7%減、同60.8%減)に。全体の5割弱を占めるテスト用ソケットがクアルコム向けの出荷低迷、季節性も有りQ2比でも減。バーンインソケットはQ2比でDRAM向けが底打ち、NANDは不振でメモリ全体ではQ2比改善。ロジック向けも同期比では減少も、車載向けが堅調に推移、非車載はインテル不振など依然として低迷。利益面では好採算のテストソケットの急減、MIXも悪化し、営業利益率が同期比7.2ポイント、Q2比8.2ポイント悪化し8.0%まで低下した。

 

 コネクタソリューション事業(CS)は売上高45.52億円(同13.3%減、8.2%減)営利1.17億円(同79.2%減、同59.5%減)に。1/4を占める車載向けがテスラ向けなど堅調も、全体の5割程度を占めるFA関連がシーメンスを中心に設備投資減退の中で在庫調整も有り低迷、は欧州底入れも米国の在庫調整が続き低迷。利益面では高収益の光コネクタ減、産機向けの急減などで稼働率が上がらず大幅数駅低迷に。

 

 全体を通じ減収影響が大きく、更に季節要因でMIX悪化もあり収益低迷が継続した。

 

 

 

24/3期18.2%減収68.3%営利減予想もQ4はTSスマホ向け、CS通信向け回復で底脱出へ

 

 24/3期予想に変更はなく、売上高384.40億円(18.2%減)、営利29億円(68.3%減)、経常利益28.5億円(69.8%減)、税引利益20億円(72.3%減)予想を据え置いた。

 

 事業別も変更無く、TS事業が売上高171億円(29%減)、営利17億円(76%減)予想。CS事業は売上高200億円(5%減)ながら営利10.7億円(34%減)予想。

 

 現状、四半期推移ではQ3を90億円(同期比9%減)、Q4を108億円(同期比9%増)としていたため、Q3はSCの産業用などの未達が影響し計画を下回った模様。但し、Q4についてはTSでQ4にスマホ2024年モデル向けにテストソケットの受注が入っており、バーンインでは引続きロジックで車載向けの好調、メモリもDDR-5向けの増加が期待できるとしている。CSでは通信向けが米国での在庫調整が進んだ結果、需要の回復が期待でき、産業向けの落ち込みを埋めるとみられる。またテスラ向け等は堅調な見通し。全体を通じ、Q3未達分は埋まるとみられ、会社計画並みの収益が見込まれる。

 

25/3期サーバー需要でTS回復、CSもデータセンタ向けで収益回復、26/3期再度最高益へ

 

 25/3期はTS部門ではテストソケットではクアルコムの2024年スマホモデル向け先端半導体投資の寄与が見込め、テスト項目の拡大、多ピン化などで、先端半導体生産の回復から売上回復が見込める。バーンインではロジック向けで引き続き全数検査を必要とする車載向けの拡大、インテル向けもサーバー向けに新製品量産投入が見込める。メモリ向けはデータセンタにDDR5向けの拡大が見込める。特に生成AIサーバーでは昨年中頃まではメインメモリのDDR5が最大2~4Tbであったものが、現在は最大8Tb、またクラウドサービスを行う大手では非AIサーバーでも大型のものは1~8Tb使うなど、通常の企業向けデータセンタ向け(16~256Gb)と比較し、格段に使用量が増す。またグラフィック向けに新型メモリ投入が見込まれる予定があるとのこと。なおフラッシュの回復は半期程度遅れる見通しながら、ここに来て投資額1500億円を投じたキオクシアの四日市工場で第6世代の3次元NANDフラッシュメモリ(168層)の生産(能力は10.5万枚/月)が3月には始まる見通しから、積層数で新世代の登場が寄与しよう。なお2/6には経産省がキオクシア三重四日市(6万枚/月)、岩手北上(2.5万枚/月)新工場の設備投資4500億円に対し1500億円の助成を表明、第8(218層)、第9世代(300層~)投入を予定、2025年9月に初出荷を目指すとしており、今後も新製品対応で継続的な拡大が神子メル。なお利益面でもテストソケット、バーンインではロジック向け拡大、メモリも新世代向けの拡大からMIX良化から収益性が再度高まろう。

 

 CSは高速伝送用光コネクタがデータセンタ向けに本格的な大容量光通信コネクタとして需要が見込める。同社はCFP8(高速通信用の光トランシーバ規格の一つ)コネクタなどで高い技術を有し、ビヨンド5Gを見据え1コネクタあたり800Gbの大容量データを通す100Gbパーレーンの規格開発も進めている。車載関連はテスラ向けSIMカードコネクタなどの拡大が続く見通し。但しFA向けは欧州中心で在庫調整が長引き伸び悩もう。利益面では通信向けの拡大で収益性の回復が見込まれ、MIX良化で収益性が回復しよう。

 

 全体としてTS、CSともにデータセンタ向け関連製品群の回復が牽引、23/3期までの回復は難しいも収益の回復が進み、26/3期には再度最高益更新が見込める。

 

 株価はQ3の発表を受け、Q3ボトムの認識、また収益性の高いスマホ向けテストソケットの回復、DDR5の拡大見通し、CSでの光通信用の回復見通しが示され、2/7に340円高の2376円まであり、引け値は160円高の2196円となった。現状、24/3期会社予想EPS97.5円に対しPER22.5倍はプライム電機21.8倍並みであり、エンプラス22.8倍とも同レベルとなった。収益面の悪材料は織込んだと見られ、改めて来期に向けて先端半導体向け、データセンタ向け光コネクタなどが回復見通しで25/3期収益が急回復しEPSも高まる見通しから、判断をニュートラルからややポジティブに変更したい。 

 

 

 

(H.Mirai) 

 

 

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