三菱ケミカル 自社ポリビニルアルコールの特殊銘柄 欧州リサイクル機関の認証取得
三菱ケミカルは18日、同社グループのポリビニルアルコール(以下「PVOH」)の特殊銘柄ニチゴーGポリマー™の代表グレードであるBVE8049Pが、欧州のリサイクル認証機関であるInstitute cyclos-HTP GmbH(以下、cyclos-HTP)により、リサイクル可能な素材として認証を取得したと発表した。
ニチゴーGポリマー™は、水溶性、ガスバリア性、溶融成形性に優れた生分解性のビニルアルコール系樹脂であり、水に溶かしてフィルム上にコーティングすることもできるバリア材料です。これらの特長を生かして、乾燥食品用のバリア包装材や生分解性樹脂との組み合わせによる生分解性バリア包装材などに使用されている。
食品の風味や品質を長持ちさせることでフードロス削減に貢献することから、欧州を中心に需要が拡大している。食品包装材をはじめとする樹脂製品は、資源循環の観点から素材のリサイクル性が求められており、包装材として広く使用されるポリエチレンなどの樹脂のリサイクルに影響を与えないバリア材料の要求が高まっている。
今回のcyclos-HTPによる評価では、ポリエチレン系多層包材において、ニチゴーGポリマー™ BVE8049Pの含有率が5wt%以下であればリサイクルが可能との結果が得られた。一般的にPVOHは、ポリエチレン系多層包材においてリサイクルに適さない素材とされている。このことから今回の認証取得は、ニチゴーGポリマー™が従来のPVOHとは異なり、リサイクル性に優れたバリア材料であることを示すものであり、フードロス削減のみならず、資源循環にも貢献する素材であることを裏付けた。
需要拡大に応えるため、ニチゴーGポリマー™を含むPVOH特殊銘柄について、2024年10月から岡山事業所(岡山県倉敷市)にて新プラントを稼働し、生産能力を現行の約2倍に増強する予定だ。
(IRuniverse Mochizuki)
関連記事
- 2025/08/02 欧州からの風:July 2025 仏ルノーが推進する自動車のサーキュラーエコノミー戦略の現状は?
- 2025/08/01 欧州からの風:July 2025 「BASF・CATL、正極活物質の共同開発で提携強化」
- 2025/08/01 欧州からの風:July 2025 「EU電池サプライチェーンの現状と中国への依存」
- 2025/07/31 電力取引量(25年7月)
- 2025/07/31 旭化成 フィンランド水素プロジェクトにアルカリ水電解システム供給
- 2025/07/31 JEPLAN、田中貴金属グループと脱炭素・循環型社会実現に向け事業提携発表
- 2025/07/31 旭化成と豊田通商、リチウムイオン電池用セパレータのキャパシティライト契約締結
- 2025/07/31 昭和通商 農水省プラ代替資材導入推進事業に認定!生分解性樹脂リサイクルプロジェクト
- 2025/07/31 欧州からの風:July 2025 「独cylib社とベルギーSyensqo社、リチウム回収で画期的成果」
- 2025/07/31 (速報)日本国内自動車生産 2025年6月生産台数69万台 2025年前半397万台前年比7%増加