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タツモ(6266) 23/12期決算メモ ポジティブ継続

23/1215.6増収30.2%営利増で最高液更新し24/12期もパワー、HBM向けで収益上伸へ

株価3815円(3/21) 時価総額566億円 発行済株14813千株

PER(DO予:15.2X)PBR(2.83X) 配当(24/12予)30円  配当利回り:0.8%

 

要約

・23/12期は15.6増収30.2%営利増で計画比売上未達も利益上振れし収益最高更新

・24/12期は27.8%増収25.9%営利増予想とパワー半導体、HBM向け等拡大で収益上伸予想

・中計で25/12期に売上高406億円、経常利益50億円目標は利益大幅上振れ期待

 

  23/12期は15.6増収30.2%営利増で計画比売上未達も利益上振れし収益最高更新

 

 塗布技術を生かした半導体装置、液晶製造装置を軸に事業展開、最近はパワー半導体向に加えHBM向け受注が急増。23/12期は売上高281.61億円(会社計画比32.62億円未達、15.6%増)、営利36.54億円(同5.36億円増額、30.2%増)、経常利益38.90億円(同8.03億円増額、23.9%増)、税引利益23.56億円(同2.47億円増額、4.1%増)、受注298.20億円(15.7%減)、受注残高399.84億円(4.3%増)となった。受注は半導体不振の中でボトム模索、一方で部材のサプライチェーン正常化に伴い受注残高消化が進んだことで、売上では見通しに届かなかったものの、利益面ではMIX良化、円安継続などで連続最高益で増額着地となった。

 

 セグメント別で主力のプロセス機器が売上高224.37億円(同計画比5.37億円未達、16.9%増)、営利37.15億円(同9.84億円増額、41.0%増)、受注は241.44億円(同1.6%減)、受注残313.41億円(同5.8%増)に。売上面では半導体装置67.73億円(同14.49億円未達成、12.9%増)も、受注は138.78億円(26.9%増)。売上面では納期ズレも有り計画を下回るもパワー半導体向けが拡大、受注はパワー半導体、HBM向け等が上伸、BBレシオが1.82から2.06まで上昇、受注残が膨れ上がった。搬送装置は売上高79.36億円(同4.83億円増額、11.2%増)、受注が62.81億円(同30.6%減)、受注残43.64億円(27.5%減)と半導体市場低迷を受け不振、洗浄機は売上高49.54億円(同5.42億円増額、72.9%増)、受注25.43億円(同27.7%減)、受注残62.34億円(28.6%減)と売上は2年前の受注分を消化、受注は半導体の不振影響を受ける。コーターは売上高27.74億円(同1.11億円未達、13.1%減)、受注14.40億円(40.6%増)、受注残33.27億円(28.6%減)に。FPD向け不振は計画通りで受注残高が更に減少している。利益面ではパワー半導体向けの上伸が利益に大きく貢献している。

 

 表面処理は売上高42.67億円(同20.25億円未達、13.4%増)、営業損失0.22億円(同3.52億円減額、赤字転落)、受注43.90億円(53.5%減)、受注残84.87億円(1.5%増)となった。売上高は過去最高を達成したものの、利益は低採算の装置の売上げが拡大、加えて納入後の製品補償費増で営業損失に。

 

 金型・樹脂成形事業は売上高14.56億円(同7.00億円未達、4.0増)、営業損失0.29億円(0.85億円減、赤字転落)、受注12.86億円(6.7%減)、受注残1.56億円(52.1%減)とコネクタ向け等低調で原料高などで赤字転落に。

 

 四半期推移では23/12Q4は売上高91.27億円(同期比23.4%増)、営利12.50億円(同12.3%減)、経常利益12.00億円(5.4%増)。税引利益8.18億円(-2.2%減)、受注98.51億円(同19.9%増)、受注残399.84億円(同4.3%増)。四半期受注では23/12Q2の40.44億円をボトムに拡大、特に半導体装置受注が47.71億円(同32.4%増)と23/12Q2の14.90億円から化合物半導体、HBM向けの拡大が続いている。

 

24/12期は27.8%増収25.9%営利増予想とパワー半導体、HBM向け等拡大で収益上伸予想

 

 24/12期会社側は売上高360億円(27.8%増)、営業利益46億円(25.9%増)、経常利益45億円(15.7%増)、税引利益30.60億円(29.8%増)予想と収益上伸予想。受注予測開示はないが、売上予想ではプロセス機器が売上高277.7億円(前期比23.8%増)営利42.50億円(同14.4%増)予想に。内訳は半導体装置が売上高115億円(70.0%増)と上伸予想。国内・欧州でのパワー半導体向け装置の受注・引合いが多く、シリコン系は一服もSiC向けが拡大、加えてHBM向けがまとまった受注獲得で大きく増加する見通しにある。搬送機器は売上高81.0億円(2.1%増)、洗浄装置向け58.0億円(17.1%増)、コーター23.7億円(14.6%減)予想。は回復が下期にずれる見通しもボトムは確認している模様。表面処理機は内外とも引合い多く、製造キャパの増強を検討しているとのこと。利益面では研究開発費が前期の積み残しも有り14.76億円(3.4倍)を見込むも、増収効果に加え売価の上昇、MIX良化も加わり、R&D負担増などを補い増益を確保する見通しに。

 

 現状、売上について納入計画が見えており、売上の確保は既に堅いとのことで、今後、国内での化合物半導体新設投資などの加速、HBMについてはハイニックスが本格的なHBM投資を行う事に伴い、受注拡大が見込まれるとともに売上も計画を上回ろう。利益面でも増収効果、MIX良化、円安継続などで計画を上ぶれて推移しよう。

 

 

中計で25/12期に売上高406億円、経常利益50億円目標は利益大幅上振れ期待

 

 会社側では「TAZMO Vision2025」で25/12期に売上高406億円、経常利益50億円達成を目指す。内訳は半導体装置で25/12期127億円を見込む。特に事業拡大の中心はTB/DBで、22/12期26億円に対し25/12期75億円を目指す。シリコンパワー半導体ではオン抵抗を下げる必要性から縦型構造を持つ構造のため、抵抗値をさげるためにウエハ薄化が求められ、工程数が増え需要が拡大、特に日欧で8インチ化も本格投資が始まり、している。さらにSiC中心に化合物パワー半導体向けが本格拡大。化合物半導体は高硬度で割れやすく、割れ防止や研削時間の長時間化などで必要性が高まる。SiC需要の拡大は年率30%以上とも言われ、構成比が高まろう。またここに来て注目度が高まっているのがHBM向け。現状、HBM市場はDRAM全体の10%程度に過ぎないが、27年には27%まで高まる見通しもあり、同社のTB/DBでもHBM向けの寄与で25/12期の125億円を上回ってこよう。

 

 また搬送システムでは2024年後半から見込まれる先端プロセスの設備投資の回復から、中心となるEFEM(EquipmentFrontEndModule)の真空搬送ロボットの急拡大が見込まれる。

 

 全体として24/12期の増額で受注の急回復が見込まれ、25/12期は中計予想を上回る売上が見込まれ、利益では大きく上振れ達成が期待される。

 

 株価は2/13の決算発表を受けて24/12期予想を好感、HBM関連としても注目を浴び、2/16には4300円の高値更新となった後、多少下落したものの高水準を保っている。現在、24/12期会社予想EPS209.48円に対しPER18.3倍はプライム電機平均PER23.0倍に対し割安感があり、HBM関連と言われるTOWA44倍、東京エレクトロン54倍、アドバンテスト77倍、ディスココンセンサス77倍に対し割安感がある。今後、中計予想に対し売上は未達も利益は上振れが見込まれ、最高益更新が続くとみられることから、ポジティブ継続としたい。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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