アドバンテスト(6857) 24/3期WEB説明会メモ ややネガティブ継続
24/3期SoCテスタ不振で13.2%減収51.3%営利減、25/3期7.3%増収10.3%営利増予想
株価5389円(4/26) 時価総額41287億円 発行済株766141千株
PER(25/3期DO予51X)PBR(9.89X)配当(25/3DO予)42.28円 配当利回り:0.78%
要約
・24/3期SoCテスタ不振で13.2%減収51.3%営利減と売上増額も営利減額着地
・25/3期メモリテスタがHBM等で好調持続、下期回復想定で7.9%増収10.3%営利増予想
・26/3期は25/3期下期からの本格回復が加速、改めて最高益更新が見込まれる
24/3期SoCテスタ不振で13.2%減収51.3%営利減と売上増額も営利減額着地
24/3決算が4/26に開示され、WEB説明会が同日行われた。24/3期は売上高4865億円(1月予想時65億円増額、13.2%減)、営利816億円(同34億円減額、51.3%減)、税前利益782億円(同43億円減額、54.4%減)、税引利益623億円(同22億円減額、52.2%減)に。1月時点予想に対し、HBM向けの拡大が計画以上で売上が増額、利益はSoCテスタ不振でMIX悪化やEssai社の暖簾減損90億円などの評価減もあり未達に。
セグメント別では収益の大半を占める半導体・部品テスト事業が売上高3315億円(1月予想比65億円増額、18.0%減)、営利919億円(43.7%減)となった。SoC(System on Chip)テスタがアプリケーションプロセッサ(AP)、HPC、サーバーなどハイエンドSoC半導体向けに広範囲で減少、特に台湾向けが大きく減少、売上が2456億円(1月修正予想比16億円増額、25%減)に。アプリケーション別売上ではコンピューティング・通信が約60%と構成比が前期比5ポイントダウンしたが、想定した55%よりはHPC、AI向けで補った形に。一方、車載・産機・民生・ドライバIC向けが40%と構成比は5ポイントアップも、計画よりも5%下回ったが、これはQ4で産機、車載向けが調整し伸びなかったことによる。メモリテスタは売上高859億円(同49億円増額、9%増)と、HBM高性能DAM向けの投資拡大、中国企業向けが寄与した。アプリ別ではDRAM向けが30ポイントアップし90%を占め、中心はHBMの伸長。一方でNANDフラュシュは30ポイント減の10%に止まり、新規需要が枯渇状況に。利益面ではハイエンド向けSoCテスタ比率低下でMIX悪化から利益率も低下した。
メカトロニクス関連事業は売上高527億円(同3億円未達、12%減)、営利92億円(38.7%減)に。テスタ事業ではメモリテスタの減少でデバイスインターフェース製品、テストハンドラが減少、一部ナノテク製品の拡大はあったものの、全体では収益低迷に。
サービス他は売上高1023億円(同3億円超過、6.5%増)、営業損失28億円(104億円悪化し赤字転落)に。同社製品の設置台数増加で保守サービスは494億円(同6億円未達、14.6%増)と拡大も、特定顧客向けが多いシステムレベルテスト(SLT)では民生機器の不振等で減収に。利益面では、Essai社の暖簾減損90億円などの計上から赤字転落に。
次に地域別では、中国向けのみ拡大し1571億円(5.3%増)とSoCテスタ、メモリテスタともに堅調に推移、一方、台湾向けは先端SoC向けの減が影響し1084億円(29.2%減)、韓国は929億円(15.3%減)と後半はHBM向けの拡大が寄与も通期では減少。
四半期推移の前期比比較では、25/3Q4が売上高1358億円(Q3比1.9%増)、営利195億円(同27.2%減)となった。事業別でテスタは915億円(同3.6%増)で、SoCテスタが587億円(同7.3%減)、メモリテスタが328億円(同31.2%増)とHBM効果が大きく寄与、それに沿ってメカトロニクスも168億円(同12.8%増)に。サービス他は275億円(同8.3%減)で、保守・サービスは139億円(同7.8%増)も、SLT等が136億円(同20.5%減)と特定顧客の前倒しの反動減が影響した。
25/3期メモリテスタがHBM等で好調持続、下期回復想定で7.9%増収10.3%営利増予想
25/3期の会社予想は売上高5250億円(7.9%増)、営利900億円(10.3%増)予想とした。HBM向けの伸長、先端半導体分野の回復はあるものの、SoCテスタでは民生用、車載用などで伸び悩み、全体として緩やかな回復に止まる見通しのため。2024年市場についてSoCテスタでは1月見通しに対し0.4B$引下げ、約2.9B$~3.2B$と上限値で0.1B$減を見込む。アプリ別ではHPC/AIで需要増を見込み、車載・産機・民生は停滞予想としてコンピューティング・通信向けが5ポイントアップス65%と予想した。メモリテスタでは1月予想比0.1B$引上げて約1.4B$~1.7B$予想と上限値で0.6B$の増加を見込んだ。アプリ別ではHBM向けの上伸、DDR-5向け等も加わりDRAM向けが95%を占める見通しとし、フラュシュメモリ向けは後半立上がりも構成比は5%程度まで落ち込むとした。全体として2024年では5%程度の成長を見込む。
具体的に同社部門別売上では半導体システム3710億円(11.9%増)、内訳はSoCテスタ2450億円(0.2%減)、メモリテスタ1260億円(46.7%増)を見込む。SoCテスタは先端プロセスでの引合いが旺盛で10%弱のプラス、成熟プロセスは27%程度落ち込むとして落ち全体で横ばい予想。メモリテスタではHBM向けが更に伸長DRAM向けで50%弱の成長、フラュシュ向けは30%弱の減を見込む。利益面ではハイエンド向けSoCの拡大、HBM向けの拡大などでMIX良化し、利益率の改善を見込む。
メカトロ関連は売上高550億円(4%増)とメモリテスタ需要に連動しデバイスインターフェース製品やハンドラが堅調に伸びる見通しに。サービス他は売上高990億円(3%減)を見込む。内訳はSLTが450億円(15%減)と、特定ユーザーの不振が影響、保守サービスは設置台数の増で540億円(9%増)を見込む。
全体として売上面では先端市場向けSoCの回復、HBM向けの伸長、利益では先端向けSoCの回復、サービスではSLTの減損一巡なども有り、緩やかな収益回復を見込む。なお、半期予想の開示はないが、25/3H1は24/3H2比較で減収、25/3H2に本格回復を見込む。
現状、会社想定に違和感はなく、特に先端向けSoCテスタは最低限の予想と言うことでSoCテスタの多少の上振れ、また会社側で為替前提を1$=140円(3円円高)としており、1円の円安で7億円の為替プラス効果を加味し、会社計画を上回る収益が見込まれる。
26/3期は25/3期下期からの本格回復が加速、改めて最高益更新が見込まれる
26/3期は今下期からの本格回復が1年を通じて継続が見込まれ、収益最高益更新が期待される。また27/3期もAI半導体、データセンタ需要の高まり、さらには自動車向けでも自動運転・EV化、スマホもミリ波対応、AIスマホの普及、更にAR/VR等の新たなデバイスの普及などから、半導体需要の拡大加速が見込まれ、27/3期も収益の上伸が続こう。
株価は生成AI関連として急騰を演じたあとで実際の収益が低迷、また25/3期の回復が緩やかに止まる見通しを出してきたことで伸び悩んでいる。現在の株価は25/3期会社予想EPS90.74円に対しPER59.4倍は東京エレクトロンのコンセンサス35倍、ディスコのコンセンサス41倍、スクリーンのコンセンサス22倍に対し割高となっている。為替前提が円高予想でこの分の増額があると見られるが、26/3期に最高益更新となってもPERが割高感は抜けず、ややネガティブ継続としたい。
(H.Mirai)
関連記事
- 2025/01/24 国内産業用ロボット生産Report#51 2025年需要回復へ ただ汎用型の回復遅れが足かせ
- 2025/01/24 コンデンサ国内生産Report #80アルミ電解と金属有機化 2024年単価高値続く
- 2025/01/24 国内民生電子機器出荷事情#75 2024年出荷台数4年ぶりに前年上回る
- 2025/01/24 コンデンサ国内生産Report #79 2024年後半セラミックコンデンサ需要伸び鈍化
- 2025/01/24 国内半導体製造装置生産Report #71 2024年後半 後工程製造装置の単価下落
- 2025/01/23 日本電線工業会出荷レポート#48光ファイバー 2024年終盤出荷量急回復続く
- 2025/01/23 日本電線工業会出荷レポート#47アルミ電線 2024年 自動車や電力向け需要失速
- 2025/01/23 日本電線工業会出荷レポート#46銅電線 通信向け需要増加へ 電力向け一転減速か
- 2025/01/23 世界の半導体需要と搭載機器シリーズ#63 Sort Term Expectationその他の機器
- 2025/01/22 日本国内電線・ケーブルPSIレポート#18品目編 2024年電力用電線増加 その他減少続く